2008年08月31日

平井堅「いつか離れる日が来ても」

いつか離れる日が来ても

<たくさんの人に「切なさ」と「愛の深さ」を届けるために>

 映画「あの空をおぼえてる」の主題歌として、アルバムからシングルカットされた1曲。「瞳をとじて」に通ずる、お得意のミディアムバラードです。

『このぬくもりに満たされる程/失う怖さにどうしようもなく襲われるんだ』
 そばに「君」がいて、幸せな日々を過ごしている。でも、幸せでいるからこそ、それを失う怖さに襲われてしまう。
 中心になるテーマの選択が、実にらしいというか…何が聴き手の心を揺さぶるかということを考えて選択し、描かれているよなあとつくづく。はっきり言って卑怯なくらいにズルいです、これ。決して悪い意味ではなく…

 『「考え過ぎだよ 笑ってよ」僕の頬をつねるけど』『ねぇ 今抱きしめていいかな?』
 しっかりと繋がりあっている絆を描写し、幸福な関係が築けていることがわかる描写がたっぷり。そんなにラブラブな二人だけど、離れるときを心配することで、幸せよりも切なさを前に出していく。ちょっと女々しいかなあとも感じられますが、そうすることで、『なぜだろう こんなに君を想うだけで 涙が出るんだ』というようなフレーズが生き、より愛の強さ深さを表現できるようになっています。
 両想いの恋愛の素晴らしいいま恋人がいて幸せでいる人にとっては、もちろん感情移入できます。そして恋人がいない人にとっても、ただラブラブっぷりを見せ付けられたらきっと共感できない人もいるでしょうけれど、この曲に描かれる「切ない感情」は、そうした反発を和らげてくれます。

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ラベル:平井堅
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2008年08月29日

今週の出張音楽コラム:8/28

 ニュース系メルマガ大手「忙しいあなたの代わりに新聞読みます」にて、毎週木曜日、音楽コラムを連載中しています。
 今週は、こんな内容を書いています・・・



・・・そんなわけで、終わってしまいましたが、
今回はオリンピックのテーマ曲についてです。

中継番組のテーマ曲は、その番組がどんなことを重視して
放送しようとしているか、を映す鏡のようなものです。
ひいては、もしかしたらその時代の空気感に繋がるのかもしれません・・・



この続きは、本日発行されたメルマガにて掲載中。興味のある方は、どうぞ読んでみてください。
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2008年08月28日

過去ログ発掘のコーナー その36。

 メールマガジン「現代ポップス雑考。」のおまけコンテンツ「今日の一曲」。
 毎回そのときの気分で一曲選んで紹介するこのコーナーのバックナンバーから、新しいレビュー更新が滞ったとき、ちょこっとずつ抜き出して紹介していきます。メルマガを読んでいない人にはちょっとした暇つぶしに、読んだことのある人にも何か新たな発見があれば幸いです。



 ≪現代ポップス雑考。≫ Vol.134 2008/02/11
#Jungle Smile「おなじ星」

 『私の瞳に眠る光を/あなたが引きだしてくれたよ』

 1998年リリースから、今でもとても鮮やかに思い出せる印象的な一曲。メロディライン自体はシンプルなんですけど、なんというか、胸に迫ってくる何かがあるんですよね。搾り出すような響きのする声がそう感じさせるのかもしれませんし、歌詞のせいもあるのかもしれません。

 『“恋してる”とか“好き”とか/そんな気持ちじゃ済まされないんだ』
 『何があっても この腕がちぎれそうになっても/離さない 守るわ』
 ともすれば過剰なくらいの、愛のメッセージ。上に挙げた他にも、「たったひとり愛してくれた」「ずっとふたりで生きていこう」そして「たとえあなたが女でも」などなど、全身の体重の乗った真摯な言葉が、惜しげもなくどんどんとつぎ込まれていくのです。
 あまりに感情が強すぎて、勢い余っているようにも感じるんですけど、それがまたいっそう強い感情として響いてくるのです。

 中でも、『この東京で 交差点や駅のホームとか/あなたと私は きっとすれ違ったりしていた』というフレーズが生きています。
 この楽曲はとにかく「この恋は必然なんだ」というくらいの思い入れを感じる言葉が、いっぱい並んでいまして。そんな内容だからこそ、「過去のすれ違い」に想いを馳せることが「今ともにいる幸せ」に繋がってくるわけです。なんでもない呟きに、運命的な響きを帯びた強度が宿ってきているのです。


ジャンスマ・ポップ〜シングル集〜
Jungle Smile
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 月末で、かなり忙しい状況です。更新は週末までお待ちください。

ラベル:Jungle smile
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2008年08月26日

メルマガ、Vol.154発行。

メールマガジン≪現代ポップス雑考。≫
Vol.154 2008/08/25 発行部数:めろんぱん 451/まぐまぐ 234

<新着レビュー>
鼠先輩「六本木〜GIROPPON〜」
 〜幻惑される感情は、重なるイメージの中に

<ひとこと寸感>
Chara「TROPHY」
AKB48「ロマンス、イラネ」
平原綾香「星つむぎの歌」
mihimaru GT「diverge」
いきものがかり「花は桜 君は美し」


 先週はお盆なのと体調がよくないのとで発行をお休みしてしまいました。
 今回もちょっと遅くなったりとなかなか不安定な状態ですが、なんとかかんとかやっていきます。


 ※メルマガについての詳しい説明は、こちらへどうぞ。
  バックナンバーも開放しています。
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2008年08月23日

B'z「BURN-フメツノフェイス-」

BURN -フメツノフェイス-
B’z
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<アグレッシブさの中に秘められた情念>

 45thになるシングルは、タイアップ先の化粧品CMのキャッチフレーズをそのまま据えたナンバー。
 明らかに「不滅のフェイス」というコンセプトが先にある中で、女性視点と思われる内容で『せめてあなたの中では いつまでも輝いていたい』という心理を描き出しています。楽曲単体で見てもまったくソツのない出来になっていて、このあたりはさすがベテランだなあと。

 ノリはゴリゴリのお得意なロック&シャウト、しかも派手め。そんな中で紡がれるフレーズは、『最期はどうなっていたいか ちょっと想ってみる』とか『私の永遠度。そんなのがあるなら』とか、女性的な書き方をしているなあと感じます。前者は口調が、後者は女性誌のコピーっぽい雰囲気が。

 さて、「BURN」というタイトル、そして太陽や『血よりも紅く焼きついて』というフレーズ、曲調そのものが示すとおりこの曲は「赤」特に真紅のイメージが強いです。自分の姿を強く残したい、というアピールを含んだ歌詞全体の流れからも、ガンガン強気でアグレッシブな印象を受けるでしょう。
 しかし、この曲の視点は、恐れを知らない強気さとはちょっと違います。『消えることない色 そんなのどこにある?』というように、自分の美しさ、その他もろもろはいつか過ぎ去ってしまうという諸行無常な感覚があり、だけど『せめてあなたの中では』と願っているのですね。
 「せめて」という語もポイント。『何もかも捨てるのが 幸せでしょうか?』『来世があるなら来世まで』なども合わせて考えると、描かれているのは、報われない恋なんじゃないかなあと。想いが叶わなくても、「せめて」一瞬でも自分を記憶に留めてほしい…そんないじらしい感情があって、だけどそれは狂おしいほどに強く燃え上がっている。これはなんというか「情念」の世界ですね。

ラベル:B'z
posted by はじ at 13:26| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー男性(は行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月22日

今週の出張音楽コラム:8/21

 ニュース系メルマガ大手「忙しいあなたの代わりに新聞読みます」にて、毎週木曜日、音楽コラムを連載中しています。
 今週は、こんな内容を書いています・・・



・・・サザンオールスターズのデビュー30周年記念ライブが
日産スタジアムにて開催されています。

来年からの無期限活動休止という発表に、ショックを受けた方は多いはず。
そして、8/6に発売され当然のごとくオリコンチャート1位を記録した
最新シングル「I AM YOUR SINGER」は、そんなサザンのメンバーの心境を
物語っているかのような内容となっています・・・



この続きは、本日発行されたメルマガにて掲載中。興味のある方は、どうぞ読んでみてください。
posted by はじ at 06:47| Comment(0) | TrackBack(0) | メールマガジン。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月20日

YUKI「汽車に乗って」

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<大陸的なサウンドに溶ける物語のイメージ>

 このところは、どちらかというと打ち込みをベースにしたコズミックでトリップ感あるサウンドが主体になっていたYUKIのシングル。そこに、たまに真正面のバンドサウンドが絡む、といった流れでしたが、今回はゆったりと緩やかなスローテンポ。壮大っぽくもあり、けれど力も抜けている、どこか大陸的な音楽です。

 ゆるゆるとした大きなリズムに乗るメロディラインはやはりゆるゆると砕けたもので、さらにそこに乗る言葉もまた、音に溶けるような柔らかさを持ち、馴染みやすい合わせ方をしてあります。
 サウンドが先行していて、そこに合うイメージをつらつらと合わせていった…そんな感触がする楽曲なので、あんまりストーリーを読み解こうとしたり大きな意味を探ろうとするのは、ちょっと違う気がします。『砂漠の民』が登場するし、何か悲恋の物語っぽい印象を受ける人は多いかと思いますが、書き手が意識しているのもそこまでで、明確な筋書きまでは決められていないんじゃないかなと。

 …という前提で、あえて物語を読むとするならば。
 『落馬した 砂漠の民』は、怪我をしてしまって故郷に帰ることができない。別れたきりの「君」との日々を思い出しつつ、『もし あの日に 帰れるのならば/おもいきり 抱きしめようか』と夢想する…という感じでしょうか。
 ま、この詞をひとつの物語として考えようとすると、人によってさまざまな解釈が考えられるでしょう。たとえば、主人公は「汽車に乗って」、「君」に会いに帰ろうとしているんじゃないか、とか。個人的には、この詞の「汽車に乗る」とは実際に乗っているんじゃなく、あくまでもイメージなんじゃないかなと感じました。『走り出した 僕らの汽車は/虹を見た 夜を見た』とあるのは、それぞれに時間を過ごしていく、という歳月の比喩なのかなと。

 にしても、サビのイメージが綺麗です。「夕陽が丘」のオレンジ、「アカシア」の黄色、『白い花びらを 髪につけて』とあるこの髪はきっと白い花の映える黒でしょう。そして『小さな紅い唇』…と、各種アイテムが非常にビビッドで鮮やかなコントラストを形作っています。
 この鮮やかさは、「砂漠の民」と色味の少ない「砂漠」を先に登場させておくことで、より効果的に浮かび上がってきます。そしてこの鮮やかさこそが、「戻れない思い出」の美しさを端的に表現しているように感じるのです。

ラベル:YUKI

2008年08月16日

羞恥心「羞恥心」

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<歌謡曲サウンド+自ら体現するメッセージ>

 人気クイズ番組「クイズ!ヘキサゴンII」にて、珍解答を連発して人気を博しているおバカ男性タレント3人組、つるの剛士・野久保直樹・上地雄輔によるユニット。インパクトのある名前にとどまらず、2008年の上半期最大級の大ヒットに繋がったのは、みなさんご存知のとおりです。
 もともとは、オバカ女性タレント陣のスザンヌ・木下優樹菜・里田まいとで結成されたPaboが先にデビュー。こちらがそこそこウケたので、男性陣でも活動を開始したとのこと。しかし、フタを開けてみれば、Paboを遥かに超える売り上げを記録しました。

 番組での人気、そしてブログ一日のPV数ギネス記録を誇る上地雄輔など個人の人気もこの大ヒットの一要素には間違いないでしょう。しかし、それ以上に、どアイドル歌謡な作りがウケたんだ、と感じます。
 2005年にもっとも売れたシングル、修二と彰「青春アミーゴ」を思い出してください。キラキラでキメキメのサウンド、哀愁も香るマイナー調、『俺の胸にさあおいで』というような強気の言葉、「俺達」という主体など、共通点が多数。往年のアイドル歌謡曲のテイストが存分に盛り込まれた楽曲はウケる、というのは、すでに3年前にトラジ・ハイジ「ファンタスティポ」→「青春アミーゴ」の流れで判明していました。ただ、それを大真面目にやるアーティストがここまで出ていなかったというだけです。
 よりファニーな路線では、昨年2007年にお笑い界にムーディ勝山が現れました。ちょっと違うっちゃ違うんですが、「歌謡曲」をパロディ化した彼に人気が集まったのも、やっぱり歌謡曲という題材のヒキの強さを物語っていると思うのです。
 モーニング娘。などをプロデュースしたつんくも、味付けは最新のポップスでありながら根っこには歌謡曲テイストがはっきりと色濃くありました。日本人の好みは、時代を経ても歌謡曲から動いていないのですね。ただ、露骨に出してアピールする今回のような楽曲はあんまりない(だけど、出るとウケる)というだけで。

 歌謡曲サウンドの強みは、やはりわかりやすさ、印象に残る聴きどころの多さでしょう。ゴージャスな音のデコレーション、コードべったりのメロディライン、哀愁も漂わせられるマイナー進行…
 そして、この曲はさらに強い印象を残しやすい独自の要素もあります。たとえば、『ドンマイ ドンマイ ドンマイ ドンマイ/泣かないで』『羞恥心 羞恥心』など、インパクトが強く、音のはまり方もよく、さらに同じ言葉を連呼するサビ部分。たいへん覚えやすく、うっかり口ずさんでしまいやすい出来になっているわけですね。さらに、メロなどでもキメっぽい場所が随所にあり、満遍なく味の濃い(暑苦しい)作りになっています。パロディ的な意味合いもあるので、あえてあれこれ強調されている関係もあるんでしょうね。
 この点、当たり障りのないシンプルでオーソドックス、特徴の薄いアイドルポップスだったPaboの「恋のヘキサゴン」とは、明らかに一線を画しています。

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ラベル:羞恥心
posted by はじ at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー企画もの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月13日

浜崎あゆみ「Mirrorcle World」

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<自問自答の末に、はじめて見せる「揺らぎ」>

 10周年記念シングル。どのあたりが記念なのかというと、まず外側的には、先行してプロトタイプの曲を発表していたという点。すでに発売されている9thアルバム「GULTY」の1曲目に1コーラスだけ収録されている「Mirror」をフルバージョンにしているとのことです。
 そんな特別仕様のリリース体制だけでなく、内側的、つまり楽曲もまた特別感があります。ストリングスの長く壮大なイントロを持たせ、そこから激しくどこか切迫したアグレッシブなサウンドへと移行していきます。
 強く打ち鳴らされるパーカッションの音が、特に印象的です。メロではあたかも行進曲のようなリズムになっていて、強い意志、前に進んでいく力強さを演出。サビではそのリズムを前に崩し、加速がついた印象を与えてきます。

 さて、この曲のタイトルは「Miracle」ではなくて「Mirrorcle」となっています。元のタイトルが「Mirror」であることからもわかるとおり、「鏡」を意識した綴りを造っているわけですね。
『現在のこんな未来を僕は望んでいたのだろうか?
 現在のこんな未来を君は望んでいたのだろうか?』
『始まりなのかって?/終焉なのかって?』
 歌詞を読んでいくと、そのほとんどは、対句調になっている疑問系で作られているのがわかります。この構成とタイトルの造語を合わせて考えると、おそらくは「自問自答」を繰り返し行っている歌なんだ、と考えるのが妥当なのかなと。
 そして問いかけているのは、中身はいろいろではあるものの、総ざらいすると「時代」と「自分」の関係性について…でしょうか。『ねぇ僕等とこの世界は/減速する様子もなく』動き続けている。その中で自分はどうあるべきなのかを、自らに問いかけることで確認しようとしているかのようです。

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ラベル:浜崎あゆみ
posted by はじ at 18:51| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(は行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月11日

メルマガ、Vol.153発行。

メールマガジン≪現代ポップス雑考。≫
Vol.153 2008/08/10 発行部数:めろんぱん 449/まぐまぐ 234

<新着レビュー>
JYONGRI「Unchanging Love〜君がいれば〜」
 〜幻惑される感情は、重なるイメージの中に


 今週はバトンはお休み。来週からは、しばらくブログで取り上げていないシングル総集編とシングル新曲レビュー、みたいな形でいこうかなと考えています。


 ※メルマガについての詳しい説明は、こちらへどうぞ。
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ラベル:JYONGRI
posted by はじ at 00:36| Comment(0) | TrackBack(0) | メールマガジン。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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