2008年08月16日

羞恥心「羞恥心」

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羞恥心
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<歌謡曲サウンド+自ら体現するメッセージ>

 人気クイズ番組「クイズ!ヘキサゴンII」にて、珍解答を連発して人気を博しているおバカ男性タレント3人組、つるの剛士・野久保直樹・上地雄輔によるユニット。インパクトのある名前にとどまらず、2008年の上半期最大級の大ヒットに繋がったのは、みなさんご存知のとおりです。
 もともとは、オバカ女性タレント陣のスザンヌ・木下優樹菜・里田まいとで結成されたPaboが先にデビュー。こちらがそこそこウケたので、男性陣でも活動を開始したとのこと。しかし、フタを開けてみれば、Paboを遥かに超える売り上げを記録しました。

 番組での人気、そしてブログ一日のPV数ギネス記録を誇る上地雄輔など個人の人気もこの大ヒットの一要素には間違いないでしょう。しかし、それ以上に、どアイドル歌謡な作りがウケたんだ、と感じます。
 2005年にもっとも売れたシングル、修二と彰「青春アミーゴ」を思い出してください。キラキラでキメキメのサウンド、哀愁も香るマイナー調、『俺の胸にさあおいで』というような強気の言葉、「俺達」という主体など、共通点が多数。往年のアイドル歌謡曲のテイストが存分に盛り込まれた楽曲はウケる、というのは、すでに3年前にトラジ・ハイジ「ファンタスティポ」→「青春アミーゴ」の流れで判明していました。ただ、それを大真面目にやるアーティストがここまで出ていなかったというだけです。
 よりファニーな路線では、昨年2007年にお笑い界にムーディ勝山が現れました。ちょっと違うっちゃ違うんですが、「歌謡曲」をパロディ化した彼に人気が集まったのも、やっぱり歌謡曲という題材のヒキの強さを物語っていると思うのです。
 モーニング娘。などをプロデュースしたつんくも、味付けは最新のポップスでありながら根っこには歌謡曲テイストがはっきりと色濃くありました。日本人の好みは、時代を経ても歌謡曲から動いていないのですね。ただ、露骨に出してアピールする今回のような楽曲はあんまりない(だけど、出るとウケる)というだけで。

 歌謡曲サウンドの強みは、やはりわかりやすさ、印象に残る聴きどころの多さでしょう。ゴージャスな音のデコレーション、コードべったりのメロディライン、哀愁も漂わせられるマイナー進行…
 そして、この曲はさらに強い印象を残しやすい独自の要素もあります。たとえば、『ドンマイ ドンマイ ドンマイ ドンマイ/泣かないで』『羞恥心 羞恥心』など、インパクトが強く、音のはまり方もよく、さらに同じ言葉を連呼するサビ部分。たいへん覚えやすく、うっかり口ずさんでしまいやすい出来になっているわけですね。さらに、メロなどでもキメっぽい場所が随所にあり、満遍なく味の濃い(暑苦しい)作りになっています。パロディ的な意味合いもあるので、あえてあれこれ強調されている関係もあるんでしょうね。
 この点、当たり障りのないシンプルでオーソドックス、特徴の薄いアイドルポップスだったPaboの「恋のヘキサゴン」とは、明らかに一線を画しています。

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ラベル:羞恥心
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2008年02月04日

藤兵衛ドンと農民たち「よろこびのうた」

よろこびのうた
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<古典と民俗音楽の融合、あるいは「民衆の歌」という位置付け>

 THE BLUE HEARTS、THE HIGH-LOWS、そしてザ・クロマニヨンズの甲本ヒロトがベートーベンの第九を歌う。この試みは、“A Project The Present Time Classics”という、ロックとクラシックの融合を目標にしたプロジェクトがあり、その一環として企画されたものだそうです。

 そんなわけで、確かに甲本ヒロトがいわゆる「歓喜の歌」のメロディラインを歌っているわけなのですが、その内容がとにかくぶっ飛んでいます。『あのベートーベン/猪ベートーベン/鵜のベートーベン/絵の・・・』と、ひたすら50音順に「○のベートーベン」と歌っていくだけ。なんじゃそりゃ、とお思いでしょうが、本当にそれだけなのです。
 伴奏も、はっきりとしたものがあるのではなく、ひたすら祭りのような笛や太鼓のお囃子と、「あ、そーれ」みたいな宴席的にぎやかしが続きます。大胆なアレンジ!というどころの騒ぎではありません。

 「藤兵衛ドン」は間違いなく「ベートーベン」のもじりでしょう。和風というか日本の民俗音楽風にしたのも、クラシックを日本らしくアレンジしたい、ジャンルの壁をぶち壊したいという思いによるものなのかも…という推測はできます。
 歌詞に関しては、「これは一見ナンセンスに見せかけて、実は深い意味が隠されていたんだよ!」…なんて考えても楽しそうですけれど、単に意味を付けたくなかったんだろうなあ、と思います。意味のある言葉を乗せず、この音楽そのものを楽しんでほしい!とか、「ジャンルの融合」のためには言葉は不要…とか。考えてみれば、ひらがな50音というのはすごく日本的ですしね。続きを読む
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2007年12月25日

おしりかじり虫「おしりかじり虫」

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<コミュニケーション不全社会への果敢な挑戦、なのか?>

 2007年度セールスオリコン43位、10万枚以上を売り上げた怪作。ふと耳にして、何だこれは!と思った方もきっと多いはず。
 もともとは「NHKみんなのうた」で発表され、話題を集めてのCDリリースという流れでした。このへんは「だんご3兄弟」など、同番組や他の子ども向けファニー系のヒット曲と同様ですね。昨年のキグルミ「たらこ・たらこ・たらこ」もCMから火がつきましたし、1年に1枚くらいこの手のヒットが出てくるなあと。

 奇抜、というより奇妙かつキテレツな名前ですが、これはキャラ造形からこの曲まですべてを手がけたアートユニットうるまでるびによると、「世知辛い日本を元気にするため、おしりにかじりつくことで人を笑顔にする」というコンセプトが込められているとか何とか。

 確かに、現代では、コミュニケーションが少なくなっている、という傾向が指摘されています。引きこもり問題もそうですし、ネットやメールなど顔を合わせないコミュニケーションの発達、接客のマニュアル化の進行なども、人と直接やりとりする距離感を狂わせる一因となっているような気もします。
 そんな内向的な現代人へのカウンターとしての「おしりかじり虫」。おしりにかじりつく、なんて行動は、コミュニケーションとしてはかなり突飛で過激です。しかし、それくらいの勢いがなければこの現状を打破することはできない、という危機感を感じてのことかもしれません。インパクトがある名前でなければ、その警鐘も見過ごされかねませんし。…また、「虫」という存在を立てていることも、すでにただ人間同士で取り組むだけではこのコミュニケーション不全問題を解決することはできない、とでも言いたげな皮肉も含まれているのではないでしょうか。
 歌詞中には『「都会のおしりは苦かった…」』なんてフレーズも現れます。その点を考えても、現代の病に真摯に向かい合おうとするはっきりとしたスタンスを見て取ることができます。おしりをかじるなんてという非道徳的なアクションで世の中を変えようとする、アナーキー、革命的な姿勢も感じます。これを子ども向けソングという形にして世に出すのは、既存の価値観を打ち壊す概念をこれからの世代に早い段階で植えつける、啓蒙のためなのかもしれません。

 …などと真面目ぶってあれこれ吹いてみるのはとても楽しいんですが、まあそんなに深い意図はないでしょう、たぶん。
 おしりをかじるというのも、社会的どうこうというよりは、どちらかというと単に「ゆるキャラ」「変キャラ」の範疇でしょう。キャラクター産業は、市場が広がりすぎて今やインパクトがある造形や設定などがないと厳しいですからね。
 「虫」なのも(本当は妖精らしいですが)そりゃ「おしりかじり男」とかだったらただの変態かよって話ですし。「都会のおしりは…」云々も、メッセージ性を真剣に考えるんだったら、「なんだそりゃ!」とツッコまれるのを期待しているユーモアなんだろう、と片付けるほうが近そうです。発案段階では実際に「この歌で世の中を明るくしよう!」という意図もあったのかもしれませんが、基本的にはコミカルさを重視しているんじゃないかと。

 それにしても、ひたすらエフェクト全開のボイスで、『おしりかじり虫』と繰り返すだけのこの楽曲、そのシンプルさゆえにインパクトは絶大。平坦な発音はまるで呪文のようで、聴いているうちに洗脳されそうになります。やたらと多い転調もクセモノ。
 「たらこ・たらこ・たらこ」が民謡/歌謡曲調に激しく上下するメロディラインだったのとは正反対ですが、どちらも中毒性があるという点では凶悪なレベルです。
posted by はじ at 03:55| Comment(5) | TrackBack(0) | J-POPレビュー企画もの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月31日

Hey!Say!7「Hey!Say!」

Hey! Say!
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<世代を強調することで明確化するスタンス>

 平成生まれのメンバー7人でのユニットがHey! Say! 7で、そのデビュー曲が「Hey! Say!」。実にわかりやすいです。
 しかしながら、それだけ強調するインパクトが「平成生まれ」という言葉にはあると言えます。良くも悪くも、元号は明確な時代の区分として、日本社会における日本人の意識に大きな影響を及ぼしているわけですね。平成元年に生まれた世代が18歳として社会に出てくる今年を狙ってデビューさせているのからしても、「新しい時代の先陣」としてメンバーを位置づけているんじゃないかなーという気がします。

 楽曲の中でも、ラップ部分では『僕らは平成Only! 昭和でShowは無理!』なんて言い切っています。おいおい、と昭和生まれとしては挑戦状を叩きつけられたような気分にもなりますが、他はそこまで新世代を強調しているわけではありません。『未来にきっと 夢があるから』というピュアなフレーズや、『どんな欠点も 意味無いよ 君はそのままが一番』という「ありのまま」を肯定するイマドキのメッセージで埋め尽くされています。

 「僕たちは新しい世代だ!」みたいな主張をもっとするようにも作れたはずなんですけど、そういうコンセプトにしなかったのは、なぜでしょうか。
 まず考えられるのは、彼らより上の昭和生まれ世代のファンも獲得したいから、ではないでしょうか。平成生まれの同世代だけに呼びかけるのであれば、もっとそこを強調したほうが強い支持を集められるはずです。
 もうひとつは、そもそもそうした「世代の繋がりを重視した呼びかけ」は、彼らの世代にはあんまり効果がないと考えたのかもしれません。それよりも、『大きな翼があれば ハダカでいいじゃない』とか、『この星が 僕ら輝くStage』といった壮大かつ等身大な表現が響く、そう考えてのことなのかもなあと。

 どちらにせよ、この曲で印象深く感じるのは、彼らの初々しさです。声変わりしていない声も混じる時点でもうインパクトありますが、単純に歌い方も幼い感じ。
 そして、『出会い燃えてるよ 命かけて守る』なんてフレーズも、この初々しさゆえに微笑ましいピュアなものとして受け取ることができます。やっぱりこんな直球は、大人が放っても仕方がないものですから。続きを読む
posted by はじ at 23:48| Comment(2) | TrackBack(0) | J-POPレビュー企画もの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月20日

Acid Black Cherry「SPELL MAGIC」

SPELL MAGIC
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<エンターテインメントとして提示する「エロ」>

 Janne Da Arcのボーカルyasuによるソロプロジェクト、だそうで。
 ジャンヌダルクって、ビジュアル系の中でもわりとライトめな感じなんですが、こちらはかなりがっつりと様式美に染まっています。楽曲もヘビーめでズンズン響いてきますが、歌詞は完全にアダルト路線。吹っ切れてます。

 視点は恋に溺れる女性からのもの。『子宮がまた疼いて 鮮明に蘇る熱帯夜』とか、『よがりよがって恋に堕ちて!』とか、直接的な表現が満載。
 もともとジャンヌでもエロ路線や女性視点を描く人なので、それ自体はそこまで衝撃的ではないですが…『×∞』とか『バカだけど幸せになりたい』とか、悪い男にたぶらかされたっぽい主人公女性像が、だいぶジャンクに突き抜けています。このくらい派手にやると、ソロで活動する意義もあるというものですね。

 『噛みつく A (kiss)/ジャレついて B(愛撫)/飲み干して C(sex)』…ABCの隠語って、もう通じない世代も出てきているんでしょうかね。とりあえずわざわざカッコで解説してくれるあたりは、彼なりのエンターテイナー性なのかなあと感じます。
 ちなみに、バンド名も頭を取るとABCですよね。ソロはひたすらエロ路線で行くとのことなので、その辺は織り込み済み、かつデビュー曲にABCを盛り込んでいるのも意図的なものでしょうね。
 ちなみにその2。「飲み干して」に関しては、曲タイトルにかけているような気がするんですが…これもヘンに想像しすぎということはないのではないかなと。
posted by はじ at 23:22| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー企画もの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月23日

ギャルル「Boom Boom めっちゃマッチョ!」

Boom Boomめっちゃマッチョ!
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<異なるふたつの文化を結ぶカギとは>

 ぁみみ(時東ぁみ)、そねね(ギャル曽根)、あべべ(安倍麻美)をメンバーとする女性アイドルグループ、ギャルルのデビューシングル。
 会社を設立し「ギャル社長」としてギャル文化に根ざした事業を行っている有名人・藤田志穂がプロデュースに絡んでいたりと、ユニット名どおりとにかく「ギャル」にこだわっているようです。

 しかし、時東ぁみは視力がいいのに伊達メガネまでかけて「メガネっ娘」として売り出すなど、どちらかというと「アキバ系」をターゲットにした活動を行っていましたから、ここで急に「ギャル」になるのは違和感が。ギャル曽根は名前どおりまさにギャルですけど、大食いタレントであってアイドル活動や歌を発表するのはこれが初めてですし、安倍麻美は新参。ということで、「ギャルを代表するアーティスト」と言うには心もとない部分があります。
 そもそも、ギャル文化とアイドルというのはなかなかにして合致しない点が多いような。ギャル文化はその輪の中にいる女性が作り上げるものである一方、女性アイドルは男性ファンが主軸。ギャルたちからもアイドルファンからも支持を得られないんじゃないか?とも考えられるわけでして。

 なので、このユニットを結成するに当たっての意図としては、
1.とにかくメンバー各人のネームバリューと、ユニット結成の話題性で押せばそれなりに売れるのでは
2.ギャル文化を広く知らしめたい、男性にも浸透させたい
3.逆に、女性アイドルを同性にも共感される存在にしていきたい
4.ギャルというより、トランスがやりたかった
 というあたりが考えられます。
 1だけってことはないでしょうが、要素としてはやはりあるでしょう。2、3のような、各ジャンルを拡げていきたいという意図もまた考えられるものです。
 4ですが、トランス、およびパラパラは90年代に隆盛を誇りましたが、今もまだ死滅したわけではなく、トランスは音楽の一分野として、またパラパラはギャルの「サークル」などの中で、しっかりと残っているようです。そこに目をつけて、開拓していない分野に手を伸ばしてみた、という内幕もあったのかもしれないなあと。

 そういうわけでトランス&パラパラです。内容は非常につんく的な散漫さとユーモアに満ちていて、一見ナンセンスなくらいに思えます…が、完全に意味を放棄しているわけではありません。
 『もりもり食べる デカマッチョ』『最後のシュート DOKI DOKI FIRE/捨てないで』あたりは、貪欲になんでも吸収し、諦めないでいよう…というように受け取れます。強くタフに生きること=「マッチョ」として、自らや周囲を鼓舞している、といったところでしょうか。
 「もりもり食べる」(ギャル曽根)あるいは『パラパラ踊る 細マッチョ』と、自らの活動を思わせる内容を「マッチョ」、この曲で目指すべきものに重ね合わせる一方、「MENS」や「GALS」もにも呼びかける。自分たちを含むすべての人へのメッセージとして歌っている、そんな構図になっていますね。

 また、ギャルとアイドルファンってかなり水と油な関係のような気がしますが、そう言えば…と思った共通項がひとつ。
 アイドルの歌って、松田聖子の昔から、ファンによる掛け声的なものが自然と発生します。歌のフレーズの合間で「エル・オー・ブイ・イー ○○!」と言いながら腕を振る、みたいなやつですね。近年では、これがだんだんとブラッシュアップされ「オタ芸」なんて呼称されるようにもなってきています。
 これって、みんなで曲固有の振り付けを覚えて踊るパラパラの文化と、けっこう親和性が高いのではないかなと。パラパラを通じたアイドル側とファン側のコミュニケーションを図り、盛り上げていく…もしかしたらそんな意図もあるのかもしれません。


 ところでこのユニット、周知の通り、元々は辻希美がつじじとしてリーダーを務める予定だったのですが、諸々あって急遽脱退、そして代わりに安倍麻美が呼ばれたという経緯があります。
 それにしてもデビュー発表から約半月でメンバーチェンジという事態で、関係各所はおおわらわだったことかと思います。タレント事務所の枠を超えたユニットという形でしたし、ものすごく大変だったことだろうと推察します。この騒動を乗り越えた舞台裏のみなさまこそまさに「マッチョ」な精神力だよなあ…と。お後がよろしいようで。
posted by はじ at 23:03| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー企画もの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月28日

泉こなた(平野綾) 柊かがみ(加藤英美里) 柊つかさ(福原香織) 高良みゆき(遠藤綾) 「もってけ!セーラーふく」

TVアニメ「らき☆すた」OP主題歌 もってけ!セーラーふく
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<「印象付け」と「ノリ」に貫かれたカオス>

 オリコン初登場で、6万枚以上を売り上げての2位。2007年上半期シングルチャートでも36位にランクイン。累計10万枚を超えるセールスを記録するなど、近年のアニメソング台頭の中でも破格のヒットとなったのがこちら。アニメ「らき☆すた」のオープニングテーマです。

 最近は、アニメ番組に一般アーティストがタイアップとなる場合もたいへん多いです。そんな中、主役を務める声優陣4人による歌、キャラクター名でのクレジットしかもいわゆる「萌え」系を感じさせるキャラと声、と非常に純度の高いアニソンになっているこの楽曲。いったい何がそんなにヒットする要因になったのでしょうか。
 そのもっとも大きな部分は「話題性」に尽きるのかと思いますが、当ブログは楽曲レビューがテーマなので、まずは曲自体の特徴から触れていきましょう。

 初めてこの曲を聴く人は、きっと大部分は何を言っているかわからないでしょう。そして、何度か聴いてある程度わかってきても、またははじめから聴き取りやすいところでも、何を言わんとしているのかはまったくわからないのではないかと思います。
 『らっぴんぐが制服・・・だぁぁ不利ってこたない ぷ。』
 『驚いたあたしだけ? 豚骨ハリガネおかわりだだだ』
 歌詞カードを読んでも意味が頭に入ってこない言葉が、とにかくひたすら高速でラップのようにまくしたてられていく。ラップのような、としたのは、ラップにしては非常に自由奔放だからです。そもそも、表記だって複雑です。『夏服がいいのです←キャ?ワ!イイv』とか。それがいわゆるアニメ的な高い女の子声で歌われるのを聴いていると、なんだかやたらと頭に残る、クセになってしまう、洗脳されていく…という事態が多発している様子。

 一見バラバラに見える歌詞のひとつひとつに、細かい意味が付与されている…なんてことはおそらくありません。ひとつは≪聴き手にはっきりと印象付けを行うため≫そしてもうひとつは、≪曲の中に独自の「ノリ」を作り上げるため≫。そのために、わざと大きなまとまりを作らないようにし、統一感のない語彙をばら撒き、砕けて軽い語り方/書き方をしているんだろうと思うのです。
 その点に絞れば、方法論としてはJ-POPでも(CMなどの分野でも)普通に行われていることです。それをアニメのフィールドに持ち込み、アニメ声と「萌え」の香りをまぶしてみる…という感じでしょうか。
 ≪印象付け≫という点では、サビの頭にあえて英語フレーズを入れてキャッチーに響かせたりする、とか。独自の≪ノリ≫では、言葉遊びをしてみたり造語を作ってみたりとか。用いる材料が異質なのと、やたら極端に誇張されていたりはしますが、根元をたどればそうそう革新的なことではないわけです。

 個人的にこの楽曲に通じる典型的な例だと思ったのが、今から11年前にブームを巻き起こしたPUFFY「アジアの純真」です。
 井上陽水の書いた詞は、当時、はっきり言って意味不明でした。今でも意味不明ですから、独特ではあっても先鋭的だったわけでもありません。でも、大ヒットした。これこそ、大きなインパクトとPUFFYの持つダラダラさ、リラックス仕切ったスタイルという≪印象≫と≪ノリ≫が生み出したものでしょう。
 「もってけ!セーラーふく」は、アニメソングという人を選ぶ分野だったことはあるものの、PUFFYのブレイクと同じような部分で評価され、ヒットに繋がったのではないかなーと。白のパンダを並べるという歌詞の必要性がわからないように、『ぶつかって溶けましたぼーぜん』が何を表しているかはわからなくていいのです。『なやみン坊ー 高鉄棒ー おいしん簿ー』という韻踏みにしても脈絡のない単語の羅列だって、『美人 アリラン ガムラン ラザニア』を思い起こしますし。

 で、「アジアの純真」がなんとなくアジアっぽい言葉を選んでいたように、「もってけ!〜」もまた、「萌え」的な要素を感じさせる言葉が多めに含まれていたりするわけで。『セーラーふくだからです←結論』なんてアピールしてみるのもそうだし、『汗(Fuu)々(Fuu)の谷間にDarlin' darlin' F R E E Z E!!』とか、『チラみせなんてありきたり!』とか、誘うようなフレーズも垣間見えますね。
 でも、決してアピールや誘惑で統一されているわけではなく、やっぱり中心なのは先に挙げた≪印象付け≫と≪ノリ≫を最重要視して紡がれている言葉の洪水なのです。

 『なんかダるー なんかデるー/あいしテるー あれ一個が違ってるんるー』なんてフレーズを見てみましょう。
 乗せているリズムには「なんか」とか「一個」「違って」といった言葉がするっとはまっている。ここに限らず全体的に、メロディラインに合わせて乗りやすい単語を合わせていたり、詰め込みやすい響きの単語を選んでいるっぽかったり、かなり口語に近い滑らかさがあります。それなのに意味が見えにくいので、聴き手は混乱するわけですが。とにかくこれが≪印象≫に残るのですね。
 また、言葉を「なんとなく」スライドさせてみた感が満載。最後なんて「るんるー」とか文字数揃っていないのにテキトーに合わせたっぽいわけですが、このテキトーさこそが、すなわちこの曲の「ノリ」なんですね。
 ここ、あくまでさらっとだけ「愛してる」が入っていますが「あいしテるー」と表記をおかしくしたり、これ違うねと自己ツッコミさせたり(しかもそれを指しているかどうかは明確にしない)。言わせておきながら、テキトーっぽく、ものの拍子やついでっぽく感じるバランスになっているのですね。
 このテキトーさ加減は、至るところで感じられます。「もーそう伝」「パル神殿」「そーらん節」「てんぷてーしょん」は韻を踏んでいるつもりなのか?とか、『制服はかんたんよ=ラクチン』って言い換えになってないじゃん!とか。極めつけは後半の『うんだかだーうんだかだーうにゃうにゃ/はれってほれってひれんらー』…思わず「詞を書くの飽きたのかよ!」と叫んでしまいそうになりますが、そういう「ツッコミ」を待っているっぽい面もあちこちから感じられますね。

 そんなわけで、たいへん長々と書いてきましたが、ポイントとしてはこんな感じ。

・「高速でまくしたてるアニメ声」が耳に残る
・大きな意味はないが、≪印象付け≫と≪ノリ≫を中心に、あれこれ考えて意図的にハチャメチャに作られている詞
・メロディラインに沿った言葉選びが≪印象≫に残る
・この曲のにおける≪ノリ≫とは、あちこちから漂うテキトーさ加減
・PUFFY「アジアの純真」のヒットに似ていると思うのです ←結論


 ここまで、曲の中身についての考察。
 ここからは、はじめに触れたこの曲の「話題性」について書いていきます。続きを読む
posted by はじ at 03:03| Comment(1) | TrackBack(0) | J-POPレビュー企画もの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月16日

REIRA starring YUNA ITO「Truth」

Truth
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REIRA starring YUNA ITO Mami Takubo Narumi Yamamoto EMI K.Lynn Dawn Ann Thomas ats- Little Big Bee
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<伸びやかで雄大な曲と、繊細な関係性の詞世界>

 映画「NANA2」劇中歌。大ヒットした前作に続き、レイラ役を務める伊藤由奈による壮大なバラードです。

 原作、たぶんこの映画の「2」に当たる部分までは読んでいるんですが(考察なんかもしていたり。最近は読めてませんが…)『傷つけあうのに/何故こんなに 求めてしまうの』とか、どこかにうまくいかなさや哀しさを秘めた関係性は、まさにストーリーに溶け合っている感じですね。
 『もしもすべてを 失くしてしまっても/この思いは永遠なの』だとか、『世界中の悲しみをすべて/受け止めてもいい/あなたの為なら』なんてのもそうです。愛情を表すために、または二人に立ちふさがる困難を乗り越えるためにどっか無理をする、「耐える」感覚があるんですよね。

 そういう意味では、まさに作品のエンドロールを締めるにふさわしいような濃い曲なんですけど、いろいろ損をしている面もあるのかなと。
 まず今回は、主人公が歌うNANA starring MIKA NAKASHIMA「一色」も、わりとしっとり系であること。映画一作目のときはもっと対比があったんですが、しっとりが2曲あったら、観客の感情移入先は主人公のほうにいっちゃうのでは、という。
 まあ「一色」はわりと音が細かいんで、音の間隔が広く雄大な印象があるこちらとはタイプが違うと言えば違うんですけど、その差もちょっと不利。音が細かいほうが言葉がぎゅっと詰まって、説得力や勢いが生まれるもんです。壮大な歌は、感情移入できると強いけど、先にあるようにREIRAは重要人物ではあるけど主人公には負けるし…

 あと、伊藤由奈自身がこの1年の間に、バラードを出しすぎたんじゃないかなーとも。映画一作目時の「ENDLESS STORY」に始まり、「Faith」「Precious」と続きましたからねー。「Truth」って前にも出さなかったっけ、くらいの感じの人もいそうですし。
 本人はまっすぐ伸びる声をしているんで、こういう音の間隔が広いタイプの歌は実に相性がいいんですけどねー。
posted by はじ at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー企画もの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月09日

NANA starring MIKA NAKASHIMA「一色」

一色 [Maxi]
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NANA starring MIKA NAKASHIMA AI YAZAWA TAKURO Masahide Sakuma
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<人間ドラマにフォーカスするため、方向を転換した主題歌>

 映画「NANA2」主題歌。大ヒットした前作に続き、主演のナナ役を務める中島美嘉が、普段の彼女の楽曲とは一味違うロックな楽曲を歌っています。

 「GLAMOROUS SKY」は L'Arc〜en〜Cielのhyde作曲でしたが、今回はGLAYのTAKURO。どちらにせよ大御所ですが、しかしラルクとGLAYの音楽性って好対照なので、そぐわないんじゃないか、どうなることやらと思っていたのですが、フタを開けてみるとそう違和感はないですね。だいぶ方向性は変わったとは思いますが…

 前作は、どちらかというと映画や原作のイメージ、女性ボーカルロックバンドのストーリーなんだっていうのがあって、華やかで感覚的な音楽性だったんですね。で、それを表すにはhydeの曲というのはちょうどよかった。
 対して続編の今回は、そういう全体のイメージよりも、実際のストーリーの織り成す人間ドラマに焦点が当たっていたのかなと。ずっしりと質感があり、感情のこもった歌ならば、それはTAKUROの分野です。hyde曲のような軽やかさ、鮮やかさはないものの、溢れるような感情を入れることができるわけです。
 未見ですが、映画の内容も第1作と比べわりと入り混じる人間関係を掘り下げて描いていたようなことを耳にしたので、ちょうど合わせたのかもしれません。

 原作者である矢沢あいの歌詞も、それに合わせて変わったのかなー。『また一片 花びらが千切れる』と映像的なイメージを織り交ぜるのは前に同じですが、細かく寸断されたイメージを繋ぎ合わせていて、まとまった流れのなかった「GLAMOROUS SKY」に対し、今回は『何処かで何時かまた 出会えたら/やり直せるかな?続きはないの?』など、フレーズの向こう側にひとつの物語が感じられる内容になっていますよね。

 間接的に語られる物語は、なにか悲劇的な結末にたどり着いたかのような色を帯びています。「GLAMOROUS SKY」もなんだかんだ過去形で進んでいくのでそんな色合いはありましたが、今回は明確。ひととき出会い、そして道を違えていく人間模様を、『同じ色』『違う色』などで表現しているわけです。
 それは『違う色の扉を隠した』『違う色の足音を消した』など、生じる違和感をそれとなく、しかしどこか必死で隠そう、考えないようにしようと目を背けながらの、痛々しさも伴うドラマです。
 『今君の為に 色付いた朝が来る』、そしてラスト間際の『今君の為に 色付いた花が咲く』というフレーズ。その朝や花の色はおそらく、ひとときの時間を共有した「同じ色」とは異なる色なのでしょうね。続きを読む
posted by はじ at 02:35| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー企画もの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月26日

木更津キャッツアイ feat.MCU「シーサイド・ばいばい」

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<湿っぽくなく、でも絆の強さも感じさせる別れの告げ方>

 カルト的かつ大人気を博したドラマシリーズ「木更津キャッツアイ」。その第2回映画版にして最終作の「木更津キャッツアイ ワールドシリーズ」の主題歌として、実際の中心メンバー5人が歌っている主題歌がこちら。KICK THE CAN CREWのMCUが作曲とラップに加わっています。

 大人気と書きましたが、この作品、観ていないんですよね。wikipediaの項目を見ても内容まではよくわからない…面白そうではあるんですが。
 脚本を書いている宮藤官九郎が、この曲の作詞も務めています。作風と同じく詞においてもコミカルな言葉を生み出す人で、自らがメンバーであるグループ魂はもちろん、SMAP「BANG!BANG!バカンス!」を手がけたのも記憶に新しいところ。

 イントロというか、曲の作りはいわゆる「泣き」系統のヒップホップ。どこかセンチメンタルな雰囲気漂うコードとリズムトラックが全編を支配し、そんな中で歌詞も『もーここには帰れない だからばいばい』と、別れを歌っています。
 …が、ただ叙情的な感動系楽曲なわけではありません。上記のフレーズの書き方だけでもわかりますが、ただ感動だけさせたいのであれば「もう 此処には帰れない だから…バイバイ」とか、そういう表記をするはずなのです。
 ほか、楽曲の至るところから、シリアスになりすぎずあえて軽い雰囲気を出そうとしているのが伝わってきます。「もー」とか『あの場所あの気持ちあの想いなどなど』の「などなど」とか。

 どうもJPOPのお約束としては、別れは切なく、お互いに再会を望むもの、みたいなものがあって。その中でこの曲はそれにわざと反するように、『話したいことなど別にねー』、『人に自慢する話特になし』とか、ずいぶん冷めたことを言わせています。だけどそれは仲が悪いからではなく、そんなことも言い合えるような近しい関係を際立たせています。このぶっきらぼうさ、それこそが強い絆を感じさせるわけですね。
 だから、王道のお別れソングとは一味違いながらも、泣きのトラックとも相まって、感動も生んでいるのです。それはきっと、自覚的にやっているんでしょうね。『永遠とか絶対とか言葉なんてもー/口にはしないよだって大人なんでしょう』なんていうフレーズは、「永遠に忘れない」とか「絶対にまた会おう」とか言いがちな巷の楽曲に対しての皮肉が混じっているのでしょうし。

 ちなみに曲中やたらと出てくる「やっさいもっさい」という掛け声。これ、木更津に実際「やっさいもっさい踊り」があるそうで…元をたどれば木更津甚句の一節なんだとか。お囃子の言葉で特に意味はないようです。「えっさほいさ」とか「わっしょいわっしょい」とかに近いのかな。リズムを整える、高揚感を煽る効果はありそうです。
 やっさいもっさいについて興味のある人は、こちらをどうぞ。サイトの正体がよくわかりませんが、こちらでは踊りの教習ビデオを見ることもできます。やたら打楽器が南米っぽいファンキーチューンです。
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2006年12月03日

キグルミ「たらこ・たらこ・たらこ」

たらこ・たらこ・たらこ
ビクターエンタテインメント
キグルミ,加藤良,上野耕路

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<「キモカワイイ」キャラを印象付ける、「キモカワイイ」曲構成>

 かなり前からCMで強烈なインパクトを与え続けていたキューピーたらこソースのテーマソング、待望の?CD化です。これがかなり売れた上に2006年度の流行語大賞トップ10入りするほどの話題になったりしました。
 というわけで、「この曲はなぜこれほどまでにヒットしたのか?」を、このブログらしく大真面目に考えてみましょう。

 何はともあれ、やはり一番のポイントは、とにかくやたらと耳に残るということ。もちろん誰もが一度は見たことのあるたらこキューピーの群れの映像のインパクトも強いにせよ、でも楽曲そのものにも中毒性はあるわけで。
 第一に、ひたすら「たらこ」の繰り返し。だいたい歌において「たらこ」なんて単語がここまで使われたのは史上初めてでしょう。4分ほどの長さの中に連呼される数、実に50回以上。さらに、『たったら たったら たらたら』という「言いかけ」がたくさんあったり、『たらこ たらこ たっぷり たらこ』の「たっぷり」もまた「た」の音を踏襲していたりで、聴き手はとにかく畳み掛けられているような感覚に陥ります。もっと言うと、「たらこ」という単語の聴き慣れなさもまた、インパクトにつながっているでしょう。
 さらに、そもそも「た」と「こ」、始めと終わりのどちらもはっきりした発音を要する音で構成されているこの単語は、それだけ輪郭がはっきりしている言葉なわけです。これがたとえば「いくら」だと、そこまで耳に残らないのではと。おまけに歌っているのが子供なこともあり、発音が丁寧じゃないので、余計にこう、響くというか。

 曲調も印象深いです。ちょっとレトロな雰囲気で、哀愁調を押し出してくるコード進行。こういう極端な作りは、コミックソングの強みでもあります。同じ系統だと、1999年オリコンシングルチャート1位、歴代シングルセールス4位の「だんご3兄弟」がありますね。こちらもやはりレトロ風味、シンプルかつ哀愁調のコードで製作された楽曲でした。
 そういえば今年のエイプリルフールに当ブログで行った嘘レビューでも、両曲を参考にしていましたっけ。あのときはまさか、この曲がリリースされるとは思っていませんでしたが。

 さらにメロディラインは、ただ漫然とマイナーっぽく流れていくわけではなく。メロなんかは、徐々に迫ってくるような感覚を与えてくる作りになっていますね。で、歌詞も『ふと気がつけば 窓の外/ふと気がつけば 家の中』とじわじわ近寄ってきているという。怖!冷静に考えると、とても怖いです。
 ま、もともとキモカワイイで売っていたキャラですし、不気味さは出したかったんでしょう。でもそれがマイナス評価にならないように…って意図であえて小学生の女の子2人に歌わせたんでしょうねー。子供じゃなかったら、きっと楽しいよりも怖いですよこの歌。そしてメロディの「迫り」も、どんどん詰め寄りっぱなしじゃなく最後にちょっと緩んだりして、徹底的ではないです。これも「怖さ」を楽しさ面白さの範疇にとどめるための工夫なのかなあとも思ったり。

 そんなわけで、非常に効果的にインパクトを与えてくる楽曲なのでした。
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2006年11月27日

Kaoru Amane「タイヨウのうた」

タイヨウのうた (通常盤)ソニーミュージックエンタテインメントMAIKA SHIRATORI, MARIKO NAGAI, JUNJI YAYOSHI, COZZi, Kaoru Amaneこのアイテムの詳細を見る


<王道をシンプルに表現することで、感動ストーリーの受け皿として機能する>

 この夏の話題作「タイヨウのうた」そのドラマ版でヒロインを演じた沢尻エリカが歌う、ドラマのタイトルが冠せられた劇中歌。演出上、主人公の雨音薫が作って歌っているということになっていますが、現実に作詞作曲をしたのは白鳥マイカというシンガーソングライターだそうです。

 主題歌の柴咲コウ「invitation」よりも、そして映画版に主演したYUIの歌う映画主題歌「Good-bye days」よりもセールスを伸ばし、あれよあれよという間に今年有数のヒットにまで達しました。その内容は、先にまとめてしまうと「王道をごくシンプルにまとめたバラード」です。それほど変わったテーマでもないですし、それほど特徴のあるメロディラインやアレンジや歌声で形成されているわけでもありません。
 『笑って 泣いて 君と出会えて/見える 世界は 輝きだした』そんな心情を、「太陽」をモチーフに各所に織り込んでいます。その中で、『私のうた 君を 照らすよ』というように、自らの歌を「太陽」と重ね合わせ、世界を開いてくれた「君」に届けよう、そんな思いが表されている、という。

 「うた」に重きを置くところあたりはきっとドラマ主人公としての立ち位置を考えてのことでしょう。ただ、全体として作品に密着しているというよりは、その背景ナシでも通じるような内容になっているかなと。
 でも、『ひまわり揺れる』というわかりやすいイメージを挟んだり、『やっと気づいたんだ』『答え』『私のまま』『ありがとう』『忘れはしないよ』あたりの、普遍的に人の心を掴む、ぶっちゃけお約束のフレーズが並んでいるので、物語との関連性が薄くても、感動できないという事態にはならないのですね。むしろ、知らない人でも引き込めるプラス要因になっているわけです。

 作品を知らない人でも入れて、知っている人ならより深く没入できるような、シンプルに見せつつもじゅうぶんに練られた下地。その上に感動できるストーリーが乗って、それでこそのヒットなんだろうと思います。
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2006年07月23日

平野綾、茅原実里、後藤邑子「ハレ晴レユカイ」

TVアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」エンディングテーマ ハレ晴レユカイ
ランティス
涼宮ハルヒ(平野綾), 長門有希(茅原実里), 朝比奈みくる(後藤邑子), 畑亜貴, 安藤高弘, 近藤昭雄

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<仲間をグイグイ引っ張っていく強気さを持つ、ノリのよいポップソング>

 この春大好評を博した深夜アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」のエンディングテーマ。以前にもオープニングテーマ「冒険でしょでしょ?」を紹介しましたが、今回の曲のほうが何かと取り沙汰されることが多かったように感じます。
 というのは、発表以降ネット界隈でアニメのエンディング時の映像がインパクトがあるもので話題を呼び、さらにその後その映像の改変(MAD)が大量に制作&流通したという経緯がありまして。海外の動画共有サイトYouTubeの広がりも手伝って、かなり大規模な旋風を巻き起こしていました。興味ある方は、調べればすぐいろいろと情報出てくると思います。
 …この辺の話って、このブログ読者のみなさんのどのくらいが既知の情報なのでしょう。

 で、まあ曲の話に行くと、アニメに登場する主要女性キャラ3人が歌っているということで。エンディングって言うとしっとり系バラードだったりすることも多いですが、タイトルからも想像がつくとおりテンションの高いアッパーチューンです。『ワクワク』『イロイロ』『ワープでループなこの想いは』『アル晴レタ日ノ事/魔法以上のユカイが/限りなく降りそそぐ 不可能じゃないわ』などなど、部分的にカタカナになっているのが、いかにもな感じ。『カンタンなんだよ こ・ん・な・の』みたいな表記のしかたからも、あえて狙ってポップで楽しげな軽い雰囲気を出そうとしているんでしょうね。

 オープニングのほうは、はっきりと「わたし」と「あなた」の関係性が描かれているラブソングでした。が、こちらは恋愛方面っぽいものにとれる描写もちょこちょことありつつ、あんまり本筋ではないような印象を受けます。
 『ナゾナゾみたいに 地球儀を解き明かしたら/みんなでどこまでも行けるね』というフレーズ、前段の表現がなかなか凝っていて好きなんですが、注目は「みんなで」とあるところ。また、『走り出すよ 後ろの人もおいでよ』なんてのもあり、「恋愛」というよりも「仲間」のことをテーマにしている歌なんだろうなあと。さらに細かいことを言えば、『明日また会うとき』と普通に入っていることからして、想定しているのは「学校の友達」ですよね、これは。
 まあ、「恋愛」のOPも「仲間」のEDも、どっちにしろ一人称視点は非常にアクティブで、相手を引っ張っていくような強さを感じさせます。

 ポップでノリがよく、よくまとまっている曲だと思うのですが、そこまで大ヒットするような大きなインパクトがあるかというとそうでもないかなあという気も。ネットで流行った歴代の歌、「日本ブレイク工業 社歌」とか「恋のマイヤヒ」とか、「巫女みこナース」とか「空耳ケーキ」とか「もすかう」とか「ニョキニョキ」とかのもろもろに比べると、はっちゃけた感じがしないですし。ED時の映像が注目を集めて広がった(また、アニメそのものがヒットした)ことが、昨年の「魔法先生ネギま!」の「ハッピー☆マテリアル」以来のヒットにつながったのかなあとも。
posted by はじ at 12:26| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー企画もの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月09日

DJ OZMA「アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士」

アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士
東芝EMI
DJ OZMA, REYAM GEORGE, 綾小路翔

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<源流はやはり日本の歌謡曲センス。ノリだけの曲を笑い飛ばす奴を笑い飛ばせ!>

 この春スマッシュヒットになった、「アゲアゲな」ナンバー。DJ OZMAは、氣志團リーダーの綾小路翔の「お友達」だと言い張っているそうで。ふ〜ん、そうなんだ〜(棒読み)

 もともとは韓国のDJ DOCという人が2004年にリリースした「RUN TO YOU」って曲のカバーなのだそうです。台湾でもカバーされてヒットしたのだとか。それが今回「ファッション業界でも活躍する実力派クリエイター」(なんだこの肩書き)によって日本に持ち込まれたという感じらしいですね、どうやら。
 原曲も探すとわりとあっさり試聴できたんですが、大枠は同じものの、完全打ち込みデジタルサウンドな原曲より、今回のほうが日本の現状の好みに合うように作られている気がします。コーラスが入っていたりリズムにメリハリを付けていたり、遊び心が多めに入っているというか。
 根本的には平坦なメロディラインとわかりやすすぎるコード進行があって、シンプルというよりはヒネリがないくらいのレベルなんですが、その分覚えやすい。一回通して聴けばだいたい口ずさめちゃうくらいのイージーさ。話題の波に乗ると、これは大きな武器になります。

 歌詞も綾小路翔らしい作風ですな。「脳天気」「勢いだけ」を絵に描いたような内容。コアな音楽好きだと自負している方々がだいっ嫌いな「低俗でノリがよいだけの中身スカスカで頭の悪い歌詞」を体現している感じ?
 ギャルサー用語(なの?)の『アゲアゲ』とか、2ちゃんねるを想起させる『希ボンヌ』あたりの言葉を取り入れているあたり、明らかにわざとこのテンションをブチ上げているなーと。こういうのに眉をひそめる人も笑い飛ばそうとしているので、一緒にバカになって楽しむのが正解です。

 とはいえ、もっと派手派手な内容かと思っていたんですが、そこまでアゲアゲでもないような気がするのは自分だけでしょうか。なんというか、ギラつきがもっとあってもいいような…
 あー、でも、ディスコ的なギラギラした感じじゃなくて、クラブ的なローな雰囲気を重く置いているからなのかな。そのほうが時代の雰囲気にも合うような気がするし。どっちにしろ、日本人好みのわかりやすい曲調や味付けなど、根はやっぱり歌謡曲が流れているなーとつくづく思うんですけどね。
posted by はじ at 23:15| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー企画もの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月02日

仲間由紀恵 with ダウンローズ「恋のダウンロード」

恋のダウンロード
ERJ
仲間由紀恵 with ダウンローズ, 松尾潔, MaestroT

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<プレーンな声とポップスの巨匠とユルユルな詞が生み出す懐かし感>

 auのCMから話題を呼んだ、仲間由紀恵が歌う楽しげな曲。当初はダウンロードのみの提供を予定していたのが、予想外の好調でCD化されたとのこと。

 彼女、調べてみると一応デビュー当初は歌手業をしていたようで、7曲ほどシングルを出しているらしいです。しかも小室哲哉プロデュースで。とはいえ今回はそういった流れとは関係なく、「TRICK」「ごくせん」「功名が辻」と話題のドラマを次々と渡り歩く人気が先行しての企画でしょうね。声は悪くはないですがこれといった特徴もなく、でもプレーンだからこそ味の染みる曲なんで、その辺りの相性はよかったんじゃないかなと。

 しかし筒美京平作曲とは、また豪華な。それも関係して、かなり懐かし感のあるポップな楽曲に仕上がっていますね。『恋のダウンロード ふたりパレード』と韻を踏んでいくわけですが、「ダウンロード」という言葉だけが現代的で、こんなフワフワした楽曲で「恋の○○」と歌うっていうのは、往年のアイドルポップスの王道っぽい雰囲気全開です。
 結局のところ「恋をダウンロードする」って、どういうこと?とか、『ロマンティック いま始まるよ』とか、あんまり説明や整合性を重視していない、いわばノリ先行みたいな内容が、これまた緩く力の抜けたアイドルポップスらしさでもあるわけです。最近は何かと内容のあるしっかりした曲がもてはやされる傾向があったし、こういう曲はあんまりなかったので、逆に新鮮ですよね。しかもこういう曲作ることにかけては30年のキャリアがある筒美京平を起用しているわけですし。
 ま、「ダウンロード」は『朝がきて消える夢/かなえなければ意味がないね』あたりから察するに、「現実のものにする」「手元に置く」みたいな意味合いで使っているんでしょうけれど。
posted by はじ at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー企画もの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月05日

弁護士 丸山和也「浪漫(ゆめ)-さらば昨日よ-」

浪漫(ゆめ)さらば昨日よ
アール・アンド・シー
弁護士 丸山和也, 荒木とよひさ

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<キャラクターの魅力に合致し、全年齢に対応する言葉>

 丸山弁護士、マラソンに挑戦したかと思ったら、次は歌手デビューでした。名前に「弁護士」が付いているあたり、狙いがハッキリ見えてますねー。

 とはいえ作詞が荒木とよひさで、『空を心に抱き』とか『夕やけは いつもバケツの穴ぼこ』みたいな実に味わいのある言葉で彩られていて、なかなか侮れない感じ。熟年の歌い手が『一度しかない人生』というと、やっぱり若人には出せないものが立ち昇ってきますよね。しかも他人に言い聞かせているのではなく、自分自身に。『喧嘩するなら今』と、まだまだ気力をみなぎらせている姿を描いているわけです。これもマラソンのぶん説得力増してるのかな。
 「まだまだ若いものには負けん」とかそういうことも言わず、『熱き少年なら』と今も少年なんだと主張する。近い世代の方はこれを聴いて発奮するでしょうし、キャラクター的に若者にも説教臭くならないのが大きいですね。

 メロディ、純粋な演歌というよりはポップスに近い部分もありますよね。「サライ」とかに近い、歌いやすさ馴染みやすさを考えられて作ってあるフシがあります。
 歌もなんというか、らしいというか、楽しげに歌っているイメージがすぐ浮かんできますよね。上手い下手じゃ計れない魅力があると思いますし、この歌の雰囲気だとむしろ下手なほうが逆にいいくらいですし、面白いんじゃないでしょうか。

 にしても『それが男の浪漫』の「それ」が何を指しているのか、さっぱりわかりません。完全に「それが○○だ」という響きのよさだけになってますねー。ある意味、潔い。
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2005年12月31日

修二と彰「青春アミーゴ」

青春アミーゴ (通常盤)
ジャニーズ・エンタテイメント
修二と彰, zopp, Shusui, Fredrik Hult, Jonas Engstrand, Ola Larsson, 山下智久, Tomohisa Yamashita, Tomoji Sogawa, 亀梨和也

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<キャラ名義曲の浸透と懐かしい歌謡曲の匂い、その実体は現代らしさ漂う悲劇のパラレルワールド>

 ということで、あれよあれよという間にミリオン達成してしまった2005年最大のヒットシングル。NEWS山下智久・Kattun亀梨和也の二人組。出演したドラマ「野ブタ。をプロデュース」内のそれぞれの役どころが、そのままコンビ名になっているとのことで。
 ジャニーズの限定二人組ユニットというと、一年前にスマッシュヒットしたトラジ・ハイジ「ファンタスティポ」を思い出します。あちらもまた映画の登場人物としてのリリースでしたし、また懐かし歌謡曲サウンドという点でも非常に似通っています。トラジ・ハイジの成功が今回のユニットの下地になっているということは、容易に推測できます。さすがにこちらのCDには、謎のトークは収録されてはいませんが。
 また、その後に映画「NANA」とその主題歌NANA starring MIKA NAKASHIMA「GLAMOROUS SKY」と挿入歌REIRA starring YUNA ITO「ENDLESS STORY」の大ヒットがあり、どちらも役柄名義でリリースされています。こうした、キャラクターを前に出した音楽というものが、この一件で一気に馴染みやすいものになったというのも、ビッグヒットの要因のひとつではないかと考えています。


 さて、「ファンタスティポ」が映画のタイトルをそのまま付け、NANAもまた映画で実際に使用されるなど作中イメージに合わせているのに対し、修二と彰は名前こそ登場人物名ではあるものの、曲の内容はまっったくドラマに関係ありません(ドラマの中で歌ってたりするんでしょうか?)っていうか、びっくりするくらい突飛なシチュエーションです。『携帯電話』が鳴り響いているからには現代なのかもですが、『ミ・アミーゴ』(=友よ)と呼びかけてみたり、一人は何者かに追われ、相棒が駆けつけたときには手遅れだった…という、昔の刑事やマフィア映画のようなシチュエーションで、芝居がかってます。『地元じゃ負け知らず』なんて言っちゃうのもレトロなセンスという感触ですし、意図的にパラレルワールドを作り出そうとしていると考えられます。
 もともと現実の一般社会とは離れた存在である芸能人二人組が、架空の人物名義で、どこにも存在しない設定の世界を歌う…という、何重ものフィクション構造がここにはあるわけです。

 さて、自分はこの曲を聴いて、真島昌利/あるいは近藤真彦「アンダルシアに憧れて」を思い出しました。哀愁歌謡な曲調、「今、ここ」ではない舞台設定、芝居がかった言い回し、悲劇のシナリオ、アイドルが歌っている…と、共通項が非常に多いんですよね。
 両曲の比較を細かくやっているとキリがないんですが、大きな違いを挙げておきましょう。

・「青春アミーゴ」はさっき述べたように、架空のキャラ名義で歌っているぶん、一段階フィクション構造が多い。
→たとえばこの曲を実在の歌い手で歌ったら、今の時代、ちょっと受け入れにくいのではないか。このワンクッションの入り方が、15年の時代の差なのではないだろうか。

・「アンダルシア」が悲劇の中でも待ち合わせの約束を守ろうとし二人の未来を夢見ているのに対し、「青春アミーゴ」は『例の約束 守れないけど』とこぼし『旅立つ日の綺麗な空』を思い出している。
→前者は決して叶うことのなくなった夢をそれでも追おうとしていること、後者は叶わないことを自覚し過去の良き時代を思い出すことで、それぞれ悲劇性を演出しようとしている。

・どちらの曲も設定や言い回しが芝居がかってはいるが、最初から最後までハードボイルドに徹している「アンダルシア」とは違い、「青春アミーゴ」のほうは親友同士のやりとりだという点で、「素」っぽい雰囲気もある。『ごめんな』とか。
→ある種のとっつきやすさも取り入れたかったのではないか。

 というところでしょうか。
 こうして比較してみると、架空世界を演じる歌でも、曲同士の違いがそれぞれの時代の違いにつながってくるように感じられるんじゃないかなと。
 逆に共通点に目をつけても面白いですよね。どちらも泣き歌謡で、「アンダルシア」がわりと上の年代の男性のカラオケ人気が高いことを鑑みると、「青春アミーゴ」が大きなヒットになったのは、そういった層も持ち歌にしたくて買っているからかもしれない…とかですね。
posted by はじ at 20:24| Comment(8) | TrackBack(0) | J-POPレビュー企画もの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月08日

REIRA starring YUNA ITO「ENDLESS STORY」

ENDLESS STORY
ソニーミュージックエンタテインメント
REIRA starring YUNA ITO, Dawn Ann Thomas, ats, H∧L, Saeko Nishio, daiki kasho, Shinya Saito

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<JPOPに味付けされた中ほのかに香る洋テイストと、陰りを感じさせない陽性の声>

 NANA starring MIKA NAKASHIMA「GLAMOROUS SKY」と同じく、この秋大ヒットした漫画原作の映画「NANA」の挿入歌です。
 知らない方のためにちょっと補足しておくと、まあこのお話には二つのバンドが登場しまして、その片一方が「GLAMOROUS SKY」、んでもう片一方がこちら、と理解しておけばいいのではないかなと。カラー的にも、アップテンポで押せ押せな雰囲気の中島美嘉NANAとしっとり王道バラードを聴かせる伊藤由奈REIRA、とそれぞれの違いを表しています。

 さて、完全なる新人の伊藤由奈ですが、ハワイ出身のハーフさんなのだとか。曲ももともと洋楽で、こちらを見るとけっこう何度もカバーされているそれなりに有名な曲のようです。軽く聴いてみた限りでは、あんまりそういう印象は受けませんよね。純和モノといっても十分通じそうな、王道中の王道っぽさ漂うJPOPバラードで。たぶんアレンジとか、わざとそんなふうにしているんじゃないかと。ピアノとかギターがかなり泣かせにかかってますし。
 でも、やっぱりBメロの進行が定型パターンで進まないのなんかを見ると、洋楽っぽいなあと思います。JPOPというのは定型のループコード進行に拠る部分がかなり大きいので、ここまで大幅に8小節進行を崩している曲はなかなかないわけで。
 あと、歌声も。英語の箇所のほうが流暢ですね。自然に歌えてます。その一方で日本語部分は、きちんとリズム通りに当てはめようとしているっぽい。慣れてないのかなーと。あと、ハワイって土地のせいなのか、声がまっすぐですよね。

 歌詞は当たり障りなく。英語曲カバーなのですが、詞はどの程度オリジナルなのでしょうか?ほぼ完訳なのか、テーマからまったく違うのか…
 『たとえば叶うなら もう一度』っていうことは、心離れてしまっているんでしょうか?そういや出だしも『If you haven't changed your mind』=「あなたが心変わりしなかったら」と読めちゃいますねえ。えー、それで『伝えたい ずっと永遠に』というのは、かなり暗い歌な感じですね、実は。まっすぐで陽性な声だから、てっきりハッピーな曲だと思っていたんですが…

 それにしてもデビューがこういう形で、彼女の歌手活動は今後どんな感じになっていくんでしょうか。タイアップとしてはこれ以上ないくらい話題性がありましたけど、これからはちょっと難しいんじゃないかなあと。はてさて。
posted by はじ at 23:59| Comment(7) | TrackBack(0) | J-POPレビュー企画もの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月24日

NANA starring MIKA NAKASHIMA「GLAMOROUS SKY」

GLAMOROUS SKY
ソニーミュージックエンタテインメント
NANA starring MIKA NAKASHIMA, AI YAZAWA, HYDE, KAZ, Lori Fine, 根岸孝旨, mmm.31f.jp

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<断片的な映像の連続でつづられる、作品イメージクリップとしての詞>

 ええと、説明するまでもないかもですが、矢沢あい原作の大人気少女漫画「NANA」がこの9月に映画化され人気を集めてまして、その主演も務めた中島美嘉が、登場キャラの名前で歌っている主題歌…というものです。
 こういうキャラ名義で出すのって、ほんとちょっと前までは色モノ扱いされたものですが、今回はわりと普通に受け止められているようです。原作や中島美嘉の人気っぷりによるものなのか、それともあるいは、コミックというものが社会にそれだけ違和感なく浸透してきているのではないか…といった考察を、最近の漫画系の映画の隆盛(「タッチ」とか「SHINOBI」とか来年の「ハチクロ」とか)を例に挙げて展開してみる…というのも面白そうですが、それはまた機会があればということで。
 ちなみに映画は行ってないですが、原作は最新13巻まで漫画喫茶で読みました。比較的、男性でも読みやすいんじゃないかなと。「のだめ」や「ハチクロ」に比べるとやや敷居は高いかなあとも思いますが…


 作詞が原作者の矢沢あい、作曲がラルクのhydeと、語るネタがいっぱいです。

 まず曲。確かにhydeらしさ満点で、自分の中で密かに設定してある「hydeらしさ」を存分に発揮しています。ラルクやソロでセルフカバーしても違和感なさそうな。軽快さ、というとちょっと違うんですけれど、柔軟でしなやかさのある特徴的な旋律が、けっこう中島美嘉に合っていますね。アップテンポの曲はあんまり歌っていなかった彼女ですが、ミディアムにしろバラードにしろ、質としてはhyde楽曲に共通する傾向はありました、そう言えば。
 これが例えばGacktだと、けっこう違ってくるわけで。もうちょい重心の低い感じになるんじゃないかなと。中島美嘉的にはhydeでしょうね、やっぱり。


 で、詞のほう。これはかなり断片的な単語のつながりになっていて、けっこう面白いことになっています。『廻る乱舞の DEEP SKY』ってどんなんだ!とかツッコんでいくのもそれは面白そうですが、でもこれは、「作詞作業に慣れていなくてうまくいかなかった」で片付けられるものではないように思います(それもあるんでしょうけれどね、やっぱり)
 なんというか、非常に「漫画的」な書き方なんじゃないかな、と。漫画っていうのはコマで展開されていくもので、断片を繋げ合わせて話を展開していくわけじゃないですか。そういう印象を受けるんですよね。各コマに1フレーズずつ、みたいな。
 で、そういう場面場面を見ている視線…つまり、漫画を読む読者の目から描かれていんじゃないかなとも感じます。だから『履き潰した ROCKING SHOES/跳ね上げる PUDDLE』なんていう客観描写から、急に『フラッシュバック』が起こり、『君は CLEVER』と今描写のあった人物の内面に移り変わったりするんじゃないかなと。これは言葉だから戸惑いますけど、漫画の台本で「小物の描写から、急に『君』のことを強く思い出す主人公」という流れだと考えると、わりと楽に読み解けるんじゃないかなと。
 あー、漫画でなくてもいですね。PV、ミュージッククリップ的といったほうが当てはまるかもしれません。どちらにせよ映像的です。詞の中にテーマ/メッセージを込めるのではなく、イメージを喚起させるように散りばめようとしているわけですね。

 あと、ほら、少女漫画なんて特にですけど、展開の合間合間で、どんどんモノローグ入ってくるじゃないですか。リリカル/ポエジックなやつ。ああいうモノローグを書くような考え方で書いている部分も、かなりあるんじゃないでしょうか。
 サビの『あの虹を渡って あの朝に帰りたい/あの夢を並べて』と執拗なまでに「あの」と過去を強調するのは、上で述べたイメージ喚起的な側面であり、かつこれは原作「NANA」の手法でもありまして、ひとつのエピソードが始まるたびに、その出来事を回想しているらしい主人公のモノローグが入るんですね。「過去を追想するモノローグ」という点で、原作の表現へとつながっている感じがします。というか、漫画のモノローグをもっと押し広げるとこんな感じになるんじゃないかな、と思います。

 てなわけでまとめると、映画主題歌というよりは、原作のイメージクリップという要素が強いんじゃないかなと。
 原作者としての思い入れがたっぷりこもっているので、それは作品読者としては興味深いところですが、1曲のしとして見たときの内容のわかりづらさにも繋がってしまっているのかもしれません。


 ああ、長くなってしまった。
 中島美嘉本人の歌については、まあいい意味でミスマッチ感があっていいんじゃないでしょうか。パンクロックの迫力があるかというと微妙ですが、でもとにかく原作のイメージにハマってるがためにそんな違和感ありませんし、まあそもそも曲がこれパンクかってところで、どうなんだろうってとこですし…いいんじゃないですかね、その辺は。ああいう映画でゴリゴリのパンクやっても仕方ないでしょうし。
 で、『眠れないよ!』のシャウトがけっこう好きなので、案外こういう路線を断続的にやっていくのもアリなんじゃないかなあと思ってます。
posted by はじ at 08:38| Comment(0) | J-POPレビュー企画もの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月27日

麻帆良学園中等部2-A「ハッピー☆マテリアル」

魔法先生ネギま! 4月度OPテーマ ハッピー☆マテリアル
キングレコード
麻帆良学園中等部2A (椎名桜子 龍宮真名 超鈴音 長瀬楓 那波千鶴), うらん, 大久保薫

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<手を変え品を変えコレクター層に訴えかける、しかしてその実態は昔ながらのテーマソング>

 えーと。アニメ「魔法先生ネギま!」のオープニング曲です。ただし、半年の放送の間にバージョンが6回変わり、その6回ともを毎月シングルでリリースしているわけでして。チャート上位に食い込むようになってきているので、知っている方も多いとは思いますが。

 毎月同じ曲なわけで、どういうタイミング触れたものかなあ…と思っていたんですけど。ただ、最近どうもこの曲を1位にしようという活動があったりして、けっこうホットな感じなので。
 この5/11発売のバージョンは、初登場3位に入ってきていて、スルーするのもどうかなあ、という気もしてましたし。

 とりあえず、毎回上位に食い込んでくる、初登場1位を狙おうという運動が起きるようになるというのは、みっつほど要因が考えられます。

・アニメ自体に人気がある
 「魔法先生ネギま!」は、以前「ラブひな」で大ヒット作家になった漫画家、赤松健が原作です。アニメは今年からはじまったみたいですが、すでに去年からCD化が行われているというくらいの人気ぶりなわけです。

・邦楽シングルが売れなくなっている
 まあ、90年代に比べて明らかにCD全体の売り上げが低下しているということも、こういうマニアックな曲が上位に出てくる要因のひとつ、と見られてますよね。
 では、この曲はなぜそんな中で売れるのでしょうか?

・コレクター心をくすぐる
 普通は同じCDを何度も買ったりはしないものですが、毎回歌い手を変える、アレンジを変える、それだけでなくどうやら2コーラスの歌詞もすべて差し替えつつ発売しているということで。テレビ放映時には2コーラス関係ないですしね。そうやって、すべて集めたいと思うコレクターの性に訴えかけているわけです。その点では、一般的なアーティストが、DVDを付けたり、バージョン違いを同時発売するのと、なんら変わりはありません。

 ただ、まあ、この手の作品のファン、ぶっちゃけいわゆるオタクの人というのは、はコレクター精神が旺盛である、と思うのですね。
(これは勝手な想像なので、フォローを入れておこう…と文章を書いていたのですが、非常に長くなりそうだったので割愛します。とりあえず、「魔法先生ネギま!」という作品、これは「女子校の1クラス全員がヒロイン」というのが売りでして、この「たくさんのヒロイン」から「全員を押さえないと」という心理が発生する…みたいな感じです)


 というわけで、じゃあ、実際に曲そのものはどうなのか、というと。
 これはもう、非常にオーソドックスなアニメオープニングテーマです。サビの『君にきっと逢えるね』とか、すごくそれっぽいメロディラインです。言葉も全体に、朝っぽくて、始まりっぽくて、学園モノのオープニングらしくみんなで学校へ向けて走って登校している、みたいな絵が浮かんできます。実際はどうなんでしょう。
 で、やっぱり、歌い手がコロコロ変わるのが気になります。特に声優さんなので、みんな個性的な声をしているわけで、その辺をカラフルだなーと楽しめたらいいのでしょうけど、個人的にはちょっと。

 これ、漫画のほうはけっこう楽しめるので、マガジン読むときはわりとチェックしてたりします。この赤松健という人は、前にも書きましたが、漫画界のつんくみたいな感じで。いかに人気を出すか、売れるかを考えてやっているので、そういう職人的な部分はよいです。わりとストーリーもネームもしっかり考えている感じですし。
 でもアニメのほうは、少なくともテーマは、そんなにすごいってものでもないという印象。や、オープニングテーマとしてはちゃんとツボを押さえていて悪くはないとは思いますけど、ほぼイコールで、新しさはないかなー。アレンジとか、タイムスリップしたような気になってしまいます。
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2005年03月06日

トラジ・ハイジ「ファンタスティポ」

ファンタスティポ (通常盤)
トラジ・ハイジ, 久保田洋司, CHOKKAKU
ジャニーズ・エンタテイメント

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 映画「ファンタスティポ」の主題歌ということなので、きっとこの「ポ」の語感が妙ちくりんだけれど何故か惹かれる不思議なタイトルは、映画からのものなんでしょうね。
 映画見ていないので、もしかしたらストーリーに何か関連性があるのかもしれませんが、ここでは一応、曲だけで独立して分析したいと思います。

 『君を連れてく ファンタスティポへ』とあるように、この「ファンタスティポ」という単語はどうやら「ユートピア」を指している単語のようです。
 もともとは「ファンタスティック」をもじった造語なのでしょうが、造語とは新しい言葉、言い換えれば「今までなかった言葉」です。これは、「どこでもない場所」という意味の「ユートピア」に重なってくる気がします。
 さらに、その不思議な語感や、詞の中でなされる「『ファンタスティポ』とはどんな場所か?」の説明が『見たこともない花が咲く』などと非常に曖昧であることなどは、現実感を排除し、「よくわからないけどなにか素晴らしい場所」という印象付けを「ファンタスティポ」という単語にさせたい、という意図があるように感じました。全体に、過去を懐かしく振り返ってみたり、『楽園の 隣の この世界で』などと「今この世界」を嫌っていて、そんな不満に対する幻想的な理想郷への誘いがテーマになっているようですね。
 井上陽水「夢の中へ」の手法です。

 曲調はもう、ジャニーズ歌謡全開ですね。出だしの『あの頃』の4音ですでに決定的な、民謡的で垢抜けないメロディライン。ヒュルヒュルいってるストリングス。とりあえず華々しくあれと、ゴテゴテ盛り付けられたきらびやかな音。
 詞では、「ファンタスティポ」という新しい楽園に誘おうとしているわけですが、一方では『忘れていない あの頃の気持ち』と、郷愁も持ち込もうとしてまして。賑やかで楽しげで、非日常的なめくるめく踊りの場を演出できて、かつ昔懐かし感まで出せるディスコ系サウンドは、この詞の方向性に見事にマッチしています。

 現実逃避じゃんと言ってしまえばそれまでですが、まあ歌に限らずエンターテインメント全般っていい夢を見させるものなわけで。そう考えると、「ファンタスティポ」のクセになる語感やうっかりすると頭から離れられなくなっている音楽など、かなりエンターテインメントとして出来のいい曲だと思います。
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2004年12月29日

波田陽区「ギター侍のうた」

ギター侍のうた
波田陽区, 高見優
ポニーキャニオン

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 だからーギターで笑いを取るってのは嘉門達夫の幅の広さにはかなわないんだってば、と言いたいところをぐっとこらえてギター侍です。
 まあ「〜ですから!残念!」のインパクトは強烈で、テレビ見ないので実際にこの人が言ってるとこ見たことない自分にまで、周りで複数の人がつぶやくので、うつりかけたりもした始末です。
 楽器片手というスタイルで先に曲を出したはなわもそうだし、去年の「なんでだろ〜」の人たち、名前ぱっと出てきませんが、そうした音楽に乗ってネタ披露する、みたいな「パターン化した笑い」で勝負する人たちっていうのは、爆発的に流行する一方で消えるのも早い、って感じがします。ネタそのものだけでなく「見せ方」がそれぞれ独特でそこが新鮮かつヒットするわけですが、回数を重ねるにつれ受け手の気持ちが磨耗していくわけですから、どうしようもない一面があるかと。

 で、そういう捉え方でいくと「CD化」っていうのは危険信号です。再生してもずっと同じパターンで同じネタが繰り返されるわけで、絶対に飽きられるのを早めることにつながるとしか思えません。それこそ「替え歌メドレー」「あったらコワい」「マーフィーの法則」などなど「パターン」をいくつも繰り出してくる嘉門達夫のように、引き出しを広く持たなければ。
 かといって、波田陽区が今から新しいスタイルを作っても(芸名が「ギター侍」なわけではないので、できないことはないと思いますが)それはそれで危ない気もします。
 ただいろんな人やものごとを斬っていくだけでなく、返す刀で自虐ネタで「切腹!」ってのはなかなか新しいと思いますし、別のスタイルも確立できそうなセンスは感じるんですが、すでに芸人として賞味期限を設定されてしまっている雰囲気なので、厳しいかもですね。
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2004年12月13日

浜田雅功と槇原敬之「チキンライス」

チキンライス
浜田雅功と槇原敬之, 松本人志, 槇原敬之
アール・アンド・シー・ジャパン

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 まあみなさんご存知でしょうが、音楽トーク番組「HEY!HEY!HEY!」にて誕生した特別ユニットです。
 浜田雅功が歌、槇原敬之作曲、いや何よりもポイントなのは、松本人志の作詞でしょう。同じ番組から誕生したH Jungle With tを筆頭に、浜ちゃんが歌を出すたびに松ちゃん詞書かないかなー、「エキセントリック少年ボウイのテーマ」とか「タクシードライバー」に代表されるお笑い系じゃなくて、ってずっと思っていて、それがようやく実現したのでとても嬉しいです。しかも、きっとユーモアと味のあるいいものになるはずだ、という期待を裏切らない出来で。

 なんつーか、親に気を使ってチキンライス、っていうのがもう、すごくよくわかって。自分も、別に家がそれほど貧乏だったって訳じゃないんですけど、なんかファミレス行ったりすると高いもの頼めなくて。ハンバーグとかステーキとか鉄板系のものじゃなく、いつもドリアとかスパゲティとかのライトミール系、しかもその中で一番高くないやつばかり食べていた記憶があります。ちなみに一番安いのも、逆に親が「遠慮してるの?」と思うんじゃないかと考えて頼まなかったり。そんななので『豪華なもの頼めば二度とつれてきては/もらえないような気がして』というのとはちょっと違うんですが、でも、沁みてきてしまいます。
 『今の子供に理解できるかな?』ってのは、マッキーの近頃の傾向も頭にあってちょっと説教臭いかなーと感じてしまうのですが、浜ちゃんの声とキャラクターでいくぶん中和されてますし、2コーラスの貧乏自慢どうこうというくだりを読むと、ちゃんとその辺もフォローされています。『せめて自慢くらいさせてくれ!』みたいな愚痴っぽさを、ちゃんと自覚しているわけで。

 全体としてちょっと気の利いたエッセイみたいな内容になっているわけですが、でも最後の赤坂プリンスどうこうへと続く内容の飛躍は、やっぱりエッセイでは表現できない、「歌」の持ち味だと思うのです。ちょっと夢の中っぽいですよね、この最後のとこ。浜ちゃんなら実際に赤坂プリンスも七面鳥も楽々でしょうけど、日本のクリスマスの、楽しむ人もそっぽを向く人も否応なく巻き込まれる、『お祭り騒ぎ』の軽いトリップ感が浮かんできているように思います。

 やや問題なのは浜ちゃんの歌唱力で、あれっこんなにヘタだったっけと思ってしまったり。
 今回はけっこうテンポの早い三連リズムで歌いこなすのがかなり難しいとは思うんですけど、ちょっと曲に乗りきれてないとこがわかりやすくなってしまっていて。さらっと語るように歌ってこその歌なのに、やや不自然さが目立つというか。
 まあ、もちろん、その不器用さががまさに「味」だとも思うので、マッキーが歌ったらもっと「完成度」は高くなるだろうと推測できる一方、「名曲度」が上がるかというと、微妙なとこかなと。
 ただマッキーのコーラス(だよね?)が、ふんわりと絶妙なサポート具合になっているんで、かなり助けられていたりもします。やっぱ歌うまいなあ槇原。
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2004年11月30日

ユウジ・オダ・ウィズ・ブッチ・ウォーカー「Last Christmas」

Last Christmas/Wake Me Up GO!GO!
ユウジ・オダ・ウィズ・ブッチ・ウォーカー, George Michael
ソニーミュージックエンタテインメント

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 自分の出演する同名ドラマ主題歌ということで。前もやっぱり外人アーティストと組んで歌ってけっこうヒットしたりしてましたが、前の「ネバネバネバネバ」みたいな面白どころがないため、織田裕二ファン、あるいはドラマ見ている人でないと、今ひとつ楽しめないのではと思います。今回は超有名なWHAM!「Last Christmas」のカバーということもあり、カラオケっぽいんですよねー。ギターを鈴みたいにシャリシャリした音で鳴らしているのはちょっと面白いですが、ボーカルの合いの手で鐘っぽい鍵盤が入るのとかってすごく邦楽的なアレンジで、これはちょっと安っぽいかなーと。

 まあ原曲に注目が再び集まるのはいいことです。確か中学のころ英語の時間で聴いて歌った覚えが。『But if you kissed me now/I know you'd fool me again』っていう未練アリアリなところは、きっと日本人ウケするポイントだと思います。


 それにしてもクリスマスソングってハッピーなイメージありますが、この「Last Christmas」はもちろん、もはや恒例行事と化した山下達郎「クリスマス・イブ」とか、B'zの「いつかのメリークリスマス」とか、有名どころでも切ない系の歌がけっこうあったりして面白いですね。辛島美登里「サイレント・イヴ」、稲垣潤一「クリスマスキャロルの頃には」なんてのもありますし。
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2004年10月25日

RIDER CHIPS Featuring Ricky「ELEMENTS」

仮面ライダー剣 (ブレイド) 新オープニングテーマ ELEMENTS (CCCD)
RIDER CHIPS Featuring Ricky, 藤林聖子, RIDER CHIPS, 渡部チェル
エイベックス

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 仮面ライダー剣(ブレイド)のテーマということで、『心に剣 輝く勇気』と「ブレイド」を踏まえたうえで、熱く歌い上げています。うん、アニメはけっこう一般的なポップスが起用されるようになってきましたけど、特撮系はやっぱりこういう真っ直ぐで熱血な曲がいいですよ。
 ただ二コーラス目、雨と悲しみに『自分にも限界があること 知らさせてる』とある辺り、なんか時代なのかなあと。限界を超えろ!くらい言ってくれてもいいと思うんですが、あんまり突っ走るのは最近の子供の教育方針にはちょっとそぐわない、のかもです。

 旋律は、曲調どおりのデジタルロックの文法で作られてますね。どんな文法だよと突っ込まれると説明しにくいんですが・・・打ち込みの硬質なリズムに合った、縦ノリのメリハリがきいた感じ、とでもいいますか。はい。
posted by はじ at 23:52| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー企画もの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年10月01日

Gorie with Jasmine&Joann「Mickey」

Mickey
Gorie with Jasmine & Joann, ゴリエ美化委員会, カケガワヨウスケ, ホンザワナオユキ, 落武者, リサコ, ゴリエ, 野田社長, Gパン刑事, ゴリケル・ジャクション
アール・アンド・シー・ジャパン

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 はい、巷で話題沸騰中のゴリエです。っていうかテレビ見てないんで、 何でこんなに人気があるのかいまだによくわかってません。しかし、オリコン週間チャート二週連続一位とかなりマジに売れてるわけなんで、そうとうな人気が出ているんでしょうね。
 確かに曲は楽しげで実にノリがよくて、いい感じです。ずいぶんポップスとして基盤がしっかりしているなと思ったら、やっぱり原曲があるようで。1982年に全米No.1になったことのあるトニー・ペイジという人のナンバーだそうです。かなり選曲勝ちの感がありますね。ポップスの魅力が、メロディラインや曲展開に溢れていて、イロモノで終わらせないだけの力があるかと。うきうきしますもんね、サウンド聴いていて。
 問題はいかんせん曲が短いのと、ゴリエ本人はあんまり歌ってなくて他の女の子がほとんどリードボーカルなところ。これは、いいのか?買ったファンの方、満足してる?ダンスもやっているみたいなんで、映像だともっと楽しめるんでしょうけど。

 とりあえず「軽いポップな曲がはやるだろう」という自分の予測が今回で決定的に正しかったと証明された、と、これは、言えるのかなあ?うーん。
 これだけ傍若無人に鍵盤の伸ばしが使われまくっているサウンドが、イロモノレベル以上にヒットしているのは、やっぱりこういうコテコテな曲調も普通に受け入れられる向きがあるってことなんだと思いますが。
posted by はじ at 22:50| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー企画もの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年09月22日

プルタブと缶「Wonderful days」

テニスの王子様 エンディングテーマ Wonderful days
プルタブと缶
キングレコード

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 まあ名前からわかるとおり、アニメ「テニスの王子様」のエンディングテーマです。タイトルどおりテニスする話なわけで、このよくわからん名称のついたユニットは、主人公のチーム以外のライバル達の主だった面々を集めたものでして、計七人で歌っています。なんで七人なんでしょう。キャラか声優さんかの人気が関係してるんでしょうか。

 どんなんかなと思って聴いてみたんですけど、おや、けっこういけますよコレ。楽曲そのものは、自分好みっていうのもあるんですけど、よくできてるんじゃないかと。
 イントロはどこかヒップホップ時代のDragon Ashを思わせる(っていうか、ぶっちゃけサビ以外の全体の感じは「静かな日々の階段を」を意識しているはずだこれ絶対)、静かな場所を陽が照らしている雰囲気で、そのまま穏やかな雰囲気で代わる代わるにラップのボーカルをとっていきます。で、畳みかけが印象的なサビで、勢ぞろいで合唱。二コーラス以後はハモったりなんだり、いろいろ混ぜこぜでやってます。
 こういう緩やかなエンディング曲ぴったりな雰囲気は好きですし、詞の内容も青春の一瞬の残像ぽくっていいですね。

 ただ。多人数で歌っているのが、マイナスに作用している部分がちらほらありまして。プラス面ももちろんあって、ラップってのはどうしても単調退屈になりがちなものだから交互にボーカルを取っていく手法は飽きなくていいし、それぞれの声もさすが本業だけあって堂に入った歌声や個性を持っているんですけど、ちょっとそれぞれがそれぞれに主張が強く、ラップにはいまいち響きがありすぎて何だかはまってなく思えたり、ずいぶん耳にヘビーだったりします。
 一番気になるのが、サビの合唱。せっかく印象的な、遠心力推進力のある畳みかけメロディーなのに、全員で歌っているために、どうしても重たく響いてしまってます。まあこりゃ多人数にしたときの宿命なんですけどね。ちょっともったいないなと。

 こう挙げた「多人数で歌っている」ことによる問題点は、ファンの方々からすると全然問題じゃなく、むしろたくさんのキャラの声が聴けていいし、サビでみんながまとまるのもカタルシスあるんでしょうから、ファンサービスとしてはかなり満点に近い高得点なんじゃないのかなと。
 ただ、やっぱり作品に深い思い入れのない人が聴くには、少し重たさが残りますね。曲自体はかなりいい出来なんですけどねー。声優さんたちもいい声してるんですけどねー。

 ちなみに、漫画のほうは流し読みしてます。出てくるキャラみんな個性豊かで、やけにハンサムで、中学生離れしてて、っていうか人間の限界超えてきてまして、なかなか面白いです。そろそろ「キャプテン翼」なノリから、「聖闘士聖矢」になってきた気がしますね。そのうち小宇宙を感じ始めそうですもん。
posted by はじ at 18:08| Comment(5) | TrackBack(0) | J-POPレビュー企画もの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

武道四天王「KIZUNA」

ネギま! 麻帆良学園中等部 2A 「武道四天王」
武道四天王, 横山武, 藤田宜久, Abee, 田中葉月, 小林ゆう, 佐久間未帆, 白石涼子
キングレコード

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 えーと、赤松健「魔法先生ネギま!」っていう漫画が元ネタです。「ラブひな」描いてた人、っていったらわかる人もいるでしょうしこの元ネタの内容も大体わかると思います。いわゆるラブコメなんですが、作中に登場する女の子が丸ごとクラスひとつぶんもいるってことで、毎月一人から数人で曲作ってリリースしている、という。
 毎回オリコン上位に食い込んできてたりしていて、今回はすでに八弾目なんですが、聴く機会があったのでちょっと触れておこうかなと。

 自分は、大学入ってからテレビのない暮らしを送っているので、アニメってまったく見ないんですね。そもそも高校のときから、漫画は読むけどアニメは見ないっていう感じでした。正直そっち方面にもはまる素質はあったと思いますが、部活が忙しかったから、単純に時間をテレビに割けなくなったためじゃないかなと。
 で、まだアニメに触れ合ってた中学時代の番組の主題歌と、基本的なところは全然変わってないんだなあ、というのが今回の感想です。
 早い話が、デジタルでスピーディーな曲に女の子の強い恋心を乗せて歌う、ってフォーマットですね。そこから良くも悪くもまったく脱してないし脱しようという気配もないような印象。四人で歌っているぶん、声が代わっていって合っているとこと、声の質がばらばらでちぐはぐに思ったりもする、ってなとこですかね。
 もちろんサウンドは、現在の流行をそれなりに反映している匂いがしますけど。でも、歌詞や基本的なメロディラインを抽出すると、10年前に一線だった(んだと思うんですが)奥井雅美や林原めぐみ辺りと、ほとんど同じようなものが出てくるように感じました。
 余談ですが、この路線で一番有名なの(もしかするとこの手のハシリ?)は、田村直美の「ゆずれない願い」でしょうか。100万枚いったそうですし。好きだったなああの曲。


 だいたいあの頃っていうのは、「るろうに剣心」あたりが一般的なポップス曲を取り上げるようになった時期で。あれってジュディマリとかTMRとか川本真琴とかのブレイクに一役買ってるんですよね。今でもラルクとかポルノグラフィティとかFLOWとかが、普通に主題歌になっていたりします。
 で、一般邦楽が進出してきて業界を騒がせる一方で、アニメ専門な曲はその基盤が揺るがないように、スタイルを新しくしたりしないで脈々と続いてきた、ってことですかね。
 ロボットものとか特撮とかの、熱い男性ボーカル系はそのずっと前から普遍でしたでしょうし、流行り廃りの少ないジャンルなのかもしれません。番組自体はガンガン入れ替わっていくわけで、その反動なのかもしれません。

 一応この一曲だけで現在の事情を知ったつもりになるのは危険なんで、調べて他の曲も一通りここで試聴してみました。それぞれバラエティに富ませてましたけど、やっぱりどれも昔からあるノリの延長線上にあるという印象が拭えません。偏見なんですかね。
 正直言ってこれ以上きちんと聴くのは辛いです。いかにもなアニメ声って、もう全然ダメなんですよ。どうしても、わざとらしい感じがしちゃって。そもそも、実写とかでだって、人の演技ってあんまり受け付けない体質みたいなんです。映画とかドラマとかも。
 だから、漫画や小説に傾倒する、と。

 この漫画、原作ならたまに立ち読んでるんですけどね。や、ラブコメブームを作り上げた人だけあって、きちんといろいろ考えて描いてるんですよ。今やおそろしい数に膨れ上がった後追いの漫画家の誰よりも、「売れる」漫画を真剣に目指して研究している感じ。邦楽界におけるつんくに似てると以前から思ってるんですが。売れるために手段は選ばないようでいて、もっとも売れる手段だけ選ぼうとしているとことか。

 そしてアニメアニメ書きましたが、アニメ化は実はまだしてないとのこと。ええ?じゃあなんで声優はきちんと決まってたの?こんなにたくさん揃えるの、大変だったろうに。
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ハットリくん「HATTORI3」

HATTORI3
ハットリくん, 藤子不二雄A, 近田春夫, 山岸大輔
ビクターエンタテインメント

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 タイトル、本当は「3」は右上に小さくついて「ハットリ三乗=参上」っていうことだそうです。大胆なアレンジに伴ったヒップホップ的な表現なのかもしれませんが、どうも中学時代に同級生の友人が黒板にチョークで書いていたネタ、っていう印象が、ね。個人的にね。

 さて、元ネタの映画『NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE』ですけど、動員数100万人超えたらしいですよ。いったい誰が見てるんでしょうね?と映画をまったく見ない自分は不思議でしょうがありません。どうやら映画を見る人も不思議だったようです。この記事、実物を見てないのにすごく的を射た文章のような気がします。

 まあ、実写化するならば(という前提が何だかなあですが)香取慎吾というキャスティングは適役だったんじゃないですかね。演技力どうこうではない味があって、「慎吾ママ」という前歴あるので汚れ役っぽいのもオッケー、天下のSMAPだし固定ファンも相当数いて、という。
 でも、だったらぶっちゃけ「慎吾ママのおはロック」のほうがずっと出来いいなあ、やっぱり小西康陽を起用したセンスだろうなあって思ってリンク張ろうとしたら、飛んだ先のアマゾンでユーズド価格10から売られていたりしてちょっとショックです。

 曲に関しては、好評価なのが元の歌詞をきちんと歌っている点、ちゃんと作りこんである点。微妙なのが、YOとかカモンとかの「ラップぽさ」が過剰にすぎるのと、作りこみの方向がほんとにそれでいいのかっていう点。
 ヒップホップアレンジはまだアリだと思うんですよ。はしゃいだ子供のような幼さも出てるし。でも子供向けなんだったら、サイバーなコンピュータサウンドがちょっと陰気すぎるんじゃないのかなと。これだったらもっとピコピコいわせたほうが、明るくてよさげではと思うのですよ。やっぱり、狙っている客層が映画同様よくわかんないですね。
posted by はじ at 05:04| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー企画もの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年08月19日

Ryu「最初から今まで」

Moment / 最初から今まで
Ryu
3Dシステム
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 今さらですが、韓国で大ヒットして日本でもやけに人気の出ているドラマ「冬のソナタ」の曲です。日本語版も出ているので、とりあえず邦楽扱いしてもいいかなと。

 や、ずっと有線で流れていたんですが、まったくこれがそれだとは気がつかず。徳永英明の新曲かな、いやちょっと違うかな、とか思ってました。全然、違和感ないですからね。メロディラインにしろコード進行にしろ、非常に日本の歌謡曲そのままですし。西洋のミュージックシーンにはない湿っぽさ、情感ある曲調は、日本人の好みとぴったりです。
 韓国には二度行ったことがあるんですが、街のレコードショップ入っても、歌詞が聴き取れない以外は、かかる曲かかる曲すべて邦楽となんら違和感ありません。ほとんどイコールで結べるくらい、J-POPとK-POPって瓜二つなんですよ。食文化とかメンタリティは、当然ながらかなり違うところがあるように思うんですが、音楽の方向性はほぼまったくといっていいほど同じなんです。面白いですね。

 で、日本語詞なんですが、これ誰が書いたのかよくわかんないんです。「最初から今まで」なんてタイトルだけ見ると、「はじめからずっと」だとか、もうちょっとうまい言い方があるような直訳っぽさですが、内容は『ボロボロに傷つく』の「ボロボロ」のはめ方だとか、『忘れよう 忘れたい 忘れられない』の重ねとか、ちゃんと日本語をうまく生かそうとしていろ節があって、直訳だけとも、オリジナルで詞を自作したRyu本人のものとも思えないんですが、なぜか訳詞者の情報がまったくありません。
 Septemberとかいう、最近この曲をカバーした日本人女性ユニットでは、松井五郎が書いているらしいんですが。元のこっちも同じなのかなあ。誰かその辺の事情を知っている方いましたら、教えてください。

 うーん、でもちょっと、ぎこちない部分もあるかなあ、日本語としては。やっぱり、名前出すまでもない内部の関係者の仕事かもしれません、これは。ほぼ直訳で、明らかに不自然ではない程度にまとめる、といった。

 直訳に近いんじゃ、と考える根拠は、日本語としてのぎこちなさ以外にもうひとつあって。それは、詞の言葉遣いがかなりストレートな感じがするという点。これはやはり、ドラマ内容に即している(いや、見たことないですが、そういう話だとよく聞くので)と同時に、日本とはやはり異なる韓国の精神性があるような気がするわけです。

 曲調は同じ、と先に言いましたが、情感を作り出す点では共通でも、これでもかってくらいにそれを見せ付けてくるような感覚もありまして。やっぱり韓国のほうがやや開放的なのかなと。

 で、そういうあけっぴろげな感動が今、「冬のソナタ」という形をもって日本でウケている、と、こういうわけなんでしょう。今、日本は感動ブームですからね。
posted by はじ at 12:04| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー企画もの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年08月10日

鈴木かすみ「ヤドカリカリカリ」

ヤドカリカリカリ

鈴木かすみ, 森浩美, 渡辺和紀, 渡辺未来, MIZUE, 家原正樹
日本クラウン

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 6月くらいから有線で流れ始め、たいへん多くの人心を惑わしている怪曲です。サンバに合わせて、実に能天気に『やどかりかりかりやりたがり/恋するわたしはやりたがり』とか歌っているわけで、眉が寄ってしまったり口がぽかんと開いてしまったりした人も多いことでしょう。
 ピンと来ない人は、ぜひここで試聴してくださいな。残念ながらサビまでは行きませんが。
 歌っているのは、14歳の鈴木かすみ。1990年生まれというのにもショックですが、でもむしろバックについている(上の試聴サイト参照)、22歳の人のほうが気になります。22歳でこの歌は、きっついなあ。

 これ、何がヤドカリなのかというと、ハーミーズクラブというこの夏発売の、簡単に言ってしまうと「貝殻を着せ替えられるヤドカリ」という商品がありまして。生きたヤドカリをペットでなくおもちゃとして売るあたりちょっとアレですがまあそれは置いといて、この曲はれっきとしたタイアップ曲だったりするんです。
 ちょっと、ほっとしました。つまりは「ヤドカリ」というテーマがあってできた曲なわけで、もしこれがまったく縛りのないフリーな状況でこんな壊れた詞が生み出されたとしたら、本当に精神疑いますからね。

 さて、どういう風に壊れているのかといいますと。
 たとえば初期のSPEEDなんてのは『痛い事とか恐がらないで/もっと奥まで行こうよ
いっしょに』『成熟した果実のように/あふれ出してく/欲望に正直なだけ』(「BODY&SOUL」「Go!Go!Heaven」)とか、かなりきわどい、というか冷静に考えたらアウトな歌詞を歌わせていて。そういう、少女にわざとアレなことを歌わせるってのは、ショッキングさを出すためには珍しくない手法で、程度の差はあれど古くからあるパターンです。
 ただ、SPEEDの初期路線は「大人になりたくて背伸びしている」という等身大な女の子を描いているという、ちゃんとした意図があります。詞の言い回しも、『いつか朝陽浴びて/ふたりきりで抱き合いたい!』(「Luv Vibration」)とか、ちょっと過激路線の少女漫画にありそうな雰囲気だし(一歩間違えると途端にオヤジ向け官能小説の世界なんですが)。

 でも、この「ヤドカリカリカリ」はぜんぜんそうじゃありません。
 まずは試聴(1コーラスのメロ)を聴いてもらいたいわけですが、曲調も歌い方も『おしりふりふり』なんて言い方も、すごく能天気で、子供子供しているわけです。でもコーラスは変に色気を振りまいているし、サビでは『恋するわたしはやりたがり』なんて言ってるわけで。SPEEDのお年頃少女漫画・官能路線に比べると、直接的というか、すごく幼稚な表現です。
 つまるところ、「オトナになりたい」という志向もなく、無邪気な子供のまま変なこと歌っているんで、非常に危なっかしいんですね。だから、聴いていて座りが悪い。開けっぴろげすぎてエロくもないし、かといって、楽しく聴くには居心地がよくない。

 ただし、インパクトだけは絶大なわけです。
 不安定でおかしな内容のぶん、耳に残る。販促としてはこれ以上ない出来なんじゃないでしょうか。このブログではじめてこの歌のことに触れてからほぼ一ヶ月ですが、その間この歌関係の検索でここに飛んできた方は、実に300人は超えていると思われます。このCD自体は、ぜんぜん売れてないみたいですけど。

 このぶっ飛んだ詞を書いたのは、作詞家の森浩美。SMAP「青いイナズマ」や「shake」なんかを手がけた人ですが、まさかここまで壊れた詞が書ける人とは思いませんでした。個人的には、知名度では遥かに負けますが、秋本康の書いたおニャン子クラブ「セーラー服を脱がさないで」を超えたかと。あれも一応「背伸びする女の子」というスタイルなわけで、そこを崩したぶん、ヤドカリの勝ち。勝ちっていうか。
 でもさすがに、やはり秋本康作品の、伊武雅刃「子供達を責めないで」の壊れっぷりには届かないか。まあ、秋本康はわざわざ世間を挑発している向きがあるんでアレですが。
posted by はじ at 16:11| Comment(8) | TrackBack(1) | J-POPレビュー企画もの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年08月04日

松平健「マツケンサンバU」

マツケンサンバII
松平健, 吉峰暁子, 宮川彬良, 小西康陽, 及川眠子, 桑田衛, 杉紀彦, 京建輔
ジェネオン エンタテインメント

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 一部で超話題の、はじけまくりな松平健です。このノリでさらに踊りまくりとのことですが、テレビないので見られません。うーん、残念なような、そうでもないような。

 確かにラテンな陽気さでサンバやってるんですが、どうも「まさにサンバ!」って感じじゃあないような。キンキンコンコン鳴りまくるアゴゴベルとか(カウベルは鳴ってるけど、もっと高い音のやつ)とかサンバホイッスルとかがないと、個人的にはちょっと物足りなかったり。元気なブラスセクションはいい感じ。ただ、ストリングスがけっこう主張していることで、すごく日本の伝統的な歌謡曲テイストが出てきてるわけで。どっちかってと、昭和の歌番組みたいな雰囲気。歌詞も、いかにも東洋の島国から南国への憧れを形にした感じですし。
 だからサンバサンバ連呼している割には、「サンバ風味な歌謡曲」ってとこですね。まあ歌い手考えると、このくらい日本的でちょうどバランスが取れているのかなと。何も本格にこだわらなくても、これで十分ぶっ飛んでますし。

 しかし楽しそうに歌ってますね。口元に何か含みが溜まってそうな歌い方してます。これで紅白出たりしたら楽しいですよね。なんないかなあ。


 クレジットに及川眠子がいてびっくりですよ。「淋しい熱帯魚」「残酷な天使のテーゼ」の及川眠子が「マツケンでGO!」ですか。うーん。作詞家ってすごいなあ。
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2004年07月19日

はなわ「伝説の男〜ビバ・ガッツ〜」

伝説の男
はなわ, 成田忍, 小林俊太郎
インペリアルレコード

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 テレビを持っていない身としては、はなわがまだ芸能界で頑張っていることが驚きです。いや別にしょせん一発屋のくせにとせせら笑いたいわけではなくて。「佐賀県」はわりとハマッたので、ああやって都道府県を紹介していく芸風を確立してくれたらいいなあとかは思っていたんですよ。神奈川とか千葉とか聴いた覚えあるんですが、あれってもうやってないんですかね。ウケなくなったとしたら、「まだやめねえぞ」を引っ張りすぎたのがいけない気がします。いやただ一発ネタだから面白いのを毎回やってた感じなのがいけないと思っているだけで、そのせいだとは憶測にもほどがありますが。
 でもあの「佐賀県」は、佐賀って実はこんななんですよー、と、まさか佐賀があんなに面白い場所だとは、みたいなギャップが笑いのポイントなのであって、それに比べると今回のガッツ石松いじりは、もともとの素材が面白いのは周知の事実なわけで、その認識に頼っている感じでちょっと安易な気がします。
 だって、別に歌仕立てにしなくても笑いが取れるエピソードを羅列したじゃないですか。田舎っぷりをアピールした後で松雪泰子を持ち出す、さらに江頭を持ち出す、あの構成の味はどこへ。

 そして、元から面白いネタを使う場合って、語り手の個性ってのは割とどうでもいいわけで。話自体が面白いわけですから、「誰が話しても同じゃん」ってことになる。そう言われないためには語り方に自分の味を出さなきゃいけないわけで、それがどうも不十分に思えます。物まねや歌にするってだけじゃ足りないし、ネタの見せ方、ネタへのツッコミも、いまいち冴えてるってほどじゃないような。『東を知らねえ』はともかく『歴史を知らねえ』は普通すぎ、とか。『乗換えが苦手』あたりはいい切り口で好きですが。
 とにかく、はなわのキャラよりもネタが勝ってしまっている印象。うーん。この先これで生き残っていけるのか。不安ですよ。
 でも売れてるんですよね。こういうネタ歌って、みんな知っているんじゃつまんないと思うんですけどねえ。嘉門達夫くらいのマイナー具合だと、人に聴かせるのが楽しかったりするんですが。
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2004年05月28日

NO PLAN「本望でございます〜芸人魂の詩PART2〜

 『I am a natural born Geinin』だそうです。芸人として他人に涙は見せないぜ!というコンセプトで、それを笑えるように表現しているところがよいですな。「道化師の悲哀」っていうネタはいくらでもシリアスになりうるモチーフですけど、そんな悲しみさえも笑ってしまおうという気概がなかなか。この意味では、下手な歌いっぷりも表現に貢献していると言えます。

 そもそも芸人がいいこと歌うのって、安易過ぎるんですよね。ギャップだけで共感が得られてしまうわけだから。ポケビとかくずとか辺りなら、きちんとした水準まで達しているからいいようなものの。というわけで、このNO PLAN、「○あげよう」って曲のほうはダメダメです。こっちは歌の下手さがそのまんまマイナスだしね。
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