2008年09月06日

mihimaru GT「ギリギリ HERO」

ギリギリHERO(初回盤)(DVD付)
mihimaru GT
UNIVERSAL J(P)(M) (2008-04-30)
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<熱血型?等身大の人物像>

 映画「少林少女」主題歌。そのせいか、『夢に見たフィールドに立つと決めた』というフレーズが挟まっています。
 基本的には、デジタルでキラキラしたサウンドに乗せた快活なナンバー。お得意の路線、という感じ。そして、『僕は君の ギリギリHEROさ』と、一人称は「僕」だったりします。

 ギリギリのHERO。ギリギリなHEROなのか、それともギリギリでHEROなのかでちょっと意味合いは変わってきますが、どちらにせよただ「HERO」というよりも、コミカルで、頼りなげで、でも親しみやすい雰囲気になります。
 僕が必ず君を守る!なんて高らかに堂々と宣言するような能力や自信はない。でも、『泣きべそかいて 背伸びしたって守るよ』と、「守りたい」という想いは強く、そのためにはできる限りのことはしたい。このひた向きさを感じさせる描き方こそが、自信たっぷりに「必ず守る」と言うよりも共感を呼ぶわけです。
 『派手なコスチューム 身にまとわなくたって』というフレーズからしても、いわゆる「等身大型」のヒーロー像ですね。

 で、面白いのはラップパートではもう一方の視点、歌パートの「僕」が守ろうとしている相手側から描いているところ。
 欠点はいろいろあるけど、『なのに引きつけられちゃう』。このあたりを読むと、「ギリギリHERO」と自ら名乗るのは、決して謙遜ではなく実体をそのまま表しているのかもしれません。とにかく先へ先へ貪欲に進んでいこうとする「僕」のそのアクティブさが、無謀だったり考えなしだったりしつつ一本筋を貫いている、みたいなことなんでしょうか。だとすると、少年漫画の主人公みたいなヤツですね。別の人物からの視点を入れることでキャラクターを生き生きとさせる、2パートある歌のお手本のようなつくりです。




 
ラベル:mihimaru GT
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2008年03月19日

mihimaru GT「I SHOULD BE SO LUCKY」

I SHOULD BE SO LUCKY/愛コトバ(通常盤B)
mihimaru GT hiroko mitsuyuki miyake hilow10
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<メッセージを頼りにしないポップ性の高まり>

 オーストラリア出身のアイドル的歌手カイリー・ミノーグが、1988年にリリースし日本でもヒットした楽曲のカバー。
 原曲をほぼまったく知らないので、両曲の比較のようなことはできません。なので、ここでは別の角度でこのカバーの意義を見てみたいと思います。

 まず音は、デジタルで華やかで、いかにも80年代な雰囲気を残しています。
 80年代の音楽って、というか音楽に限らずこの時代の雰囲気って、バブリーかつ華やかなものがあります。でも、そうした要素って、今の時代に合わないものとして認識されていたり、派手すぎると感じられたり、ずっと忌避されていたように思います。

 『愛されて Lucky Lucky Lucky Lucky/愛しましょ Lucky in Love』
 サビの歌詞です。たぶん原曲とそう大差ないんだと思いますが、まったく内容はなく、サウンドの賑やかさ華やかさのイメージに沿っているだけ、という感じ。これを見て「なんのメッセージ性もない!」と批判したくなる人も多いのでは。
 でも、音楽って「サビに伝えたいメッセージを込める」という定義はありません。また、80年代とは言わず90年代くらいに遡ってみても、そうした楽曲はかなりの比率で存在していたように思います。

 00年代前半のJ-POP歌詞には、「メッセージ性の重要視」という大きな暗黙の了解があったように思います。
 赤裸々に自分を曝け出したりポジティブさやありのままの生き方を「生の」言葉で投げかけるメッセージソングの隆盛はもちろん、恋愛をテーマにしている楽曲でもまた、自分自身や相手の人間的な成長(「強くなれる」「傷を癒す」「大切な思い出」といった要素ですね)を含んだ歌詞が人気を集め、ヒットしていく。そんな流れがありました。
 それは単に音楽業界の流行り廃りも関係しているのでしょうけれど、恐らくは、時代や世相を反映した面も少なからずあるのでしょう。9.11事件や長引く不況、引きこもりなどの自閉化・内向化する人の増加。そういった社会的な影響が、真摯な生き方や実利的な考え方、「繋がり」や「癒し」を盛り込んだ楽曲を大衆に求めさせたのではないか…なんて個人的には考えていまして。

 で、今もなお楽曲に込めたメッセージこそが重要なんだ!という向きはあるものの、少しずつ肩の力が抜けてきたなあ、という印象もあって。ブログのレビューでも、スキマスイッチ「全力少年」平井堅「POP STAR」あたりで、ポップさの復権について語っています。

 そして、今回のmihimaru GTに至っては、さらにポップさのみを追求しています。続きを読む
posted by はじ at 20:57| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(ま行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月25日

モーニング娘。「みかん」

みかん
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モーニング娘。 つんく 鈴木Daichi秀行 鈴木俊介
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<万人に届けようとする呼びかけ>

 35枚目のシングル。今回は、通算25人となっているらしいメンバーの入れ替えなどもなく、前作「女に 幸あれ」と同じ9名で歌っているとのこと。

 このところパーソナルな内容、かつ歌謡曲な曲調が再び目立ってきていたモー娘。ですが、今回は思い切りソーシャルな歌詞です。『何度も夢を見てきた/あきらめたりは出来ない』と型どおりのメッセージを押さえたり、『苦手な/人だからこそ/大切だろう』と、標語みたいな呼びかけをしたり。内向きの言葉ではなく、外に開けたメッセージになっているのがわかります。
 特に、『愛する星に生まれて』とか『人生は一回』とか、やたらと壮大なスケールの表現が入っているのが大きな特徴。これまででも、地球を持ち出すこと、多かったですよね。単に歌詞のインパクトを出すというだけでなく、いわゆる「国民的アイドル」という矜持もあってのものなのでしょう。そうやって幅を広げるぶん、共感しにくくなるという問題点もあるのですが…
 『女の子でも 男の子でも/おんなじ ことじゃん』『どんな人も朝の陽は/包まれる』とか、すべての人に届けようという意志があちこちのフレーズから感じられるのも、広く広くメッセージを発していくというスタイルの一環なんでしょう。

 そういうわけで、モー娘。らしい一曲という感じですが、アッパーで元気な曲調と内容に対して「みかん」というタイトルがかなりインパクト大。
 「未完」とかけて、まだまだこれから進んでいく!というつもりで名付けたのかなあ…なんて考えましたが、何でも「冬の定番の中で、コタツなどと違って『育つ』もの」だから、というのが由来なのだとか。あれ、想像とそんなに間違っていないか。
 由来からすると「冬の曲」という位置づけにあるのですが、歌詞も曲調も、あんまり冬っぽくはありません。なので、これはわざと引っかかりを作って「なんだろう?」と思わせるつんくの手法ですね。
posted by はじ at 01:47| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(ま行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月01日

松浦亜弥「笑顔」

笑顔
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松浦亜弥 岡ナオキ 上野圭市 谷村有美
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<柔らかく懐かしい感触の「清純派」王道>

 昨年は藤本美貴とのユニット「GAM」での活動を行っていましたが、個人のシングルとしては2006年2月の「砂を噛むように…NAMIDA」以来、1年以上の長いブランクを置いてのリリースとなります。

 しかし、以前までのしっとり系路線に変更はなし。初期の元気ハツラツ能天気系の楽曲で突っ走るイメージが未だに強い方も多いことでしょうけれど、実際のところは2004年1月「奇跡の香りダンス。」を最後に、「風信子(ひやしんす)」「YOUR SONG〜青春宣誓〜」「渡良瀬橋」「ずっと好きでいいですか」「気がつけば あなた」、そして「砂を噛むように…NAMIDA」と、ずっといかにも清純派な内容の楽曲が続いています。
 ただ、彼女の活動コンセプト自体は一貫しているように感じます。元気路線もしっとり路線も、「正統派アイドル」のスタイルを継承し、アイドルという存在の原点に立ち返る…という点では、とても似通っているからです。

 今回は、シンガーソングライター谷村有美が楽曲を提供。『生きてさえいれば 何かが生まれる』と、重めのメッセージが込められています。『だから負けないで/ひとりじゃないから』という非常に真っ当な呼びかけに落とし込んでいるあたりは、いかにも「清純派」らしい内容。アレンジの雰囲気、あるいは白くぼやけた光に包まれているような声でしっとりと歌い上げていくのも、古き良き女声ポップソングを思わせる素材です。
 あと、キーが高い箇所がとても多いのですが、その部分はかなりの頻度でファルセットを響かせています。これも攻撃的でない感触の柔らかい声にすることで、しっとり感が高まっているなあと。歌そのものも、なかなかうまくなったような気が。

 しっとり路線も悪くないのですが、元気路線を踏襲できるソロ適任者が他にまだいない状況。もう7作も続いたらさすがに元路線に戻るのは無理だろうと思いながらも、もっと脳天気なタイプもまたシングルでリリースしてもらいたいところです。
posted by はじ at 22:41| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(ま行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月12日

mihimaru GT「俄然Yeah!」

俄然Yeah!
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守尾崇 鈴木Daichi秀行 宮内和之 Masao Kuzuba mihimaru GT hiroko mitsuyuki miyake
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<打破するための「現状」を、ユーモアたっぷりに積み上げる>

 タイトルからしても「気分上々↑↑ 」の路線ということがよくわかる、ハイテンションな元気ソング。しかし、単にヒットシングルをなぞっただけの安全牌ではないなーと感じました。

 「気分上々↑↑」はディスコっぽい描写に現代語っぽい言葉を織り交ぜた、いかにもな「アゲアゲ」楽曲でした。今回もアゲアゲなのは間違いないんですけれど、そこに描かれているのは『いつもの通勤電車に揺られ』て毎日を送るOLの姿。
 なんというかこのユニットって、「気分上々↑↑」のインパクトもあり、もっと下世代向けのイメージがあったのですよ。行って大学生世代くらい、というか。なので、まずOLという素材を選ぶことにちょっとビックリしてしまいました。
 そうでなくたって、いま等身大の働く女性をはっきり取り上げるような歌って、あんまりありませんし。パッと思い浮かぶのは、後藤真希「今にきっと…In My LIFE」くらいです。

 90年代前半くらいまでは、OLの等身大な生活を綴った歌はけっこうあったような気がするんですが、するだけでしょうか?男性にしても、仕事がどうこう、みたいな内容の詞って、ユニコーン以来ほとんど皆無ですし。「忙しい日々」とかでたいていは済まされてしまいます。
 音楽というものは(特にポップスなんてものは)いっとき夢心地に浸るためのものであって、男性にしろ女性にしろ、生活感が出すぎてしまうと、トリップができなくてダメなんでしょうね。

 で、そこであえて『お茶汲み 書類コピー』という定番から『ゆるキャラの枕とおはよう。/週1度のブログ更新 溜まり溜まったグチを送信』なんて最近ぽいセンスまで、ものすごく現実的というか夢のない生活を描いているこの曲です。もうこれは、明らかに狙ってやっていて。あえてダレダレの生活を描くことで、『歌え Yeah! 俄然はりきってほら Dance!』みたいなサビの爆発力とのギャップを出しているわけです。
 本当にOLに感情移入して書いている…っていうよりは、そういう平凡で『でも何かココロが満たされない』日常を思い切り吹き飛ばそうとする明快な意志のために紡ぎ上げているんだろうなあと。あえてディテールにまでこだわってまで。

 前回の「パンキッシュ☆」なんかでもそうでしたけど、意図的なキャラ設定とか舞台設定とかが意外と考えて面白いことやろうとしているんだなあと感じました。
posted by はじ at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(ま行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月30日

モーニング娘。「女に 幸あれ」

女に 幸あれ
女に 幸あれ
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江上浩太郎 湯浅公一 モーニング娘。 つんく
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<マクロ路線を脱却し、ミクロな哀愁を届ける>

 このところ、明らかにソーシャルな楽曲からパーソナルな楽曲へとシフトしていき、それに合わせるかのように歌謡曲テイストも香ってきているモー娘。です。
 今回なんかは、『あなたの口癖/まだ耳に残る』『あの子といつから/仲良しなの?あなた』と、失恋しながらも忘れられないでいる具体的な主人公像が描かれてきています。一時期はもっと広く、多くの人に開かれたメッセージを発している内容のものばかりだったりしました。近年では「歩いてる」くらいで、あとは具体的個人的なストーリーのある曲ばかりです。

 そういう歌詞の方向性の変化に沿うかのような「歌謡曲」テイストの復活は、実にぴったりです。音作りもどこかレトロさがありますし。こういうタイプの曲調は、哀愁を感じさせ、主人公の哀しみに聴き手を引き込む効果が強いわけです。
 恋人を別の子に取られてしまうけど、心変わりを嫌いになれない…というシチュエーション設定も、なんだか実に歌謡曲的。『都会に憧れ/遮二無二暮らした』なんて言い方も、タイトルからしてもそういう懐メロテイストを意図してのものでしょう。

 にしても哀愁調といい、『バカね バカね バカね』なんて決めどころといい、つんくらしさが発揮される曲が再び多くなってきた(「笑顔YESヌード」なんかでも感じましたし)のは、決して悪くない流れだと思います。一時期のようにマクロな人気を回復するのはもう難しいと思いますが、こうしてミクロな個人にフォーカスした楽曲
をリリースしていくのは、選択として正しいんじゃないかなと。
posted by はじ at 00:54| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(ま行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月04日

モーニング娘。「悲しみトワイライト」

悲しみトワイライト (通常盤)
モーニング娘。 つんく 山崎淳 鈴木Daichi秀行
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<盛り上がりを織り込んだ曲展開と、戸惑う心理をコラージュしたような言葉たち>

 いろいろスキャンダル的な話題が世間を賑わせたりしましたが、ここではとりあえずそういうの抜きで楽曲を見ていきます。

 歌謡曲的な哀愁を醸しだしつつ、ダンスチューンの要素も併せ持った、つんくお得意の路線。『男なんてなんて信じない/だってだってウソばかり』と「なんてなんて」「だってだって」というように言葉を畳み掛けてくる手法は、少々形は違えど前作「笑顔YESヌード」にも共通するもの。
 一時期は手広く手広くいろいろやっていましたが、このところの楽曲は、けっこう的を絞って練ってきている感じです。初期っぽい雰囲気もあるような。

 この曲、全体を通してかなり考えられて作ってあります。その根拠は、メロディラインの形式です。
 まずはAメロとBメロを比べてみるとわかりやすいです。どちらも、出だしの2小節のリズムが同じ。で、Bメロのほうはやや音域が上がり、しかもハモリがついてくる…というように、ステップアップしています。
 そして、Bメロではこの2小節のリズムが連続して繰り返されているのに対し、Aメロでは連続しないのですね。一般的に1フレーズは4小節や8小節で構成すると収まりがいいのですが、この曲のAメロは6小節フレーズ。Bメロのように、フレーズを繰り返せば、ちょうど収まるはずなのに。これはおそらく、Aメロの要素をBメロでより盛り上げるように聴かせるため、意図的に間引いているんじゃないかなーと。

 ちなみにAメロは、<Bメロと共通の2小節フレーズ>+<四分音符を並べたやや緩やかなフレーズで始まる4小節>という構成になっています。この形は、実はサビにも繋がっていくのですね。
 サビは<「なんてなんて」など言葉の畳み掛けに繋がる前倒しのリズム2小節×2>+<四分音符を並べたやや緩やかなフレーズ>になっています。さらに、1小節の余白があるAメロよりもフレーズ自体が長く、流れが強固になっていたり。この辺、ただ好き勝手にメロディラインを繋げていくのではなく、きちんと全体を考えて構成していっているんだなあと推測ができるわけです。


 ちなみに、構成を練っている曲側に対し、詞のほうはけっこうバラバラという印象。続きを読む
posted by はじ at 11:35| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(ま行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月09日

mihimaru GT「パンキッシュ☆」

パンキッシュ☆
パンキッシュ☆
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mihimaru GT hiroko mitsuyuki miyake Hideyuki Daichi Suzuki 古坂大魔王 HIROTO SUZUKI
ユニバーサルJ (2007/04/04)
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<たとえダメダメとわかっていても、それでもこの恋以外は見えない!>

 「気分上々↑↑」でのスマッシュヒットも記憶に新しいですが、今回もタイトルに☆を付けるなど、若者言語っぽさを意識しているのかも…というmihimaru GTの一曲。

 バンドサウンドに軽快な展開、どこが「パンキッシュ」なんだ?と首を捻りそうになりますが…この歌詞、この生き方はかなりパンクです。なにせ『都合のいい女でもいいから「ギュッ」と抱きしめて!』ですから。ラップパートでも『類稀に見るだめんずハンター/何が欲しいのか/解らないけどつくしちゃうオンナ』呼ばわりです。これはパンクだ!
 『周りは大反対で』とあるのに『アタシ次第なの』と言っちゃっていて、これはJ-POPの文脈から考えて、もう止まる気はゼロだと判断してよいでしょう。周囲の忠告くらいは聞いておいたほうがいいような。

 つまりこの主人公、「わかっちゃいるけどやめられない」、それくらいに恋愛にのめりこんで、前向きに考えてしまうという性格なのです。そう考えれば、超ポジティブ志向ともとれる、恋愛のドキドキを強烈に後押ししてくれる歌ではあるのですね。
 かなり好みは分かれそうですが、1本さくっと突き抜けたという意味で、貴重な内容に仕上がっています。

 移動手段が(真夜中だからってのもあるでしょうが)自転車なところ、上での引用中にも出てきた「だめんず」、それから「着メロ」『軽く中毒!?』と、細かいところですが若者用語が頻出しているところも見逃せません。恋に暴走する10代女子のための歌、というスタンスが明確に見て取れますね。
posted by はじ at 01:04| Comment(2) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(ま行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月02日

mihimaru GT「かけがえのない詩」

かけがえのない詩
かけがえのない詩
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mihimaru GT hiroko mitsuyuki miyake Hidemi Takashi Morio Hideyuki Daichi Suzuki
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<一対一ではなく、一心同体となって進もうという想い>

 「詩」と書いて「うた」と読ませるタイトルは、音楽界ではちょくちょく見かけます。いちばん古いものがいつ誰の曲かはわかりませんが、少なくとも1970年にはすでに吉田拓郎「イメージの詩」がありますね。有名どころでは杉田かおる「鳥の詩」とか、Mr.children「名もなき詩」、Do As Infinity「真実の詩」などなど。最近でも、中村中「友達の詩」スキマスイッチ「アカツキの詩」といったタイトルがありますね。
 傾向として、「歌」ではなく「詩」を選ぶタイプの歌はどれも、特に伝えたいメッセージがあり、それを独白していく…といった趣向のものが多いように感じます。上のタイトルを並べてみても。詞の言葉が大事なんだ!と主張したいが為に、「詩」と書いておきたくなるのではないかなと。
 脇道の話ですが、あえて「唄」という字を選んでいる歌もまた意図があるだろう…というのは容易に想像できます。あえてひらがなで「うた」と表記する場合もですね。

 そんなわけで、このmihimaru GTの新曲もまた、大切なメッセージを込めているからこその「詩」なのでしょう。『そばにいて そばにいて そばにいて』と3回繰り返すサビからも、気持ちの強さを感じます。
 詞を読んでいくと、「二人」の絆の強さを振り返り改めて愛を伝える、というような流れになっているようです。どうも『一緒に描いた 宝探しの地図』という辺りを見ると、幼馴染みの二人なのかなという気もします。そうすると、『お互いの違い感じながらも/奇跡をくれた「Perfect World」』なんてフレーズは面白いですね。小さいころは何もかも一緒だったけど、成長するにつれて少年と少女の違いが生まれて、異性として意識するようになって…みたいなストーリーが想像できます。幼馴染みなのかも?という推測がなければ、単に個性を認め合うみたいな意味になるところですけれど。

 『もしも哀しみで言葉なくしても/私が詩にして伝えるから』と、「詩」がでてくるフレーズがあります。この一節も、単なる恋愛感情を超えたものを感じますよね。一心同体、二人で一人として生きていこう、みたいな。
 たとえばこれが、「言葉がなくてもぜんぶ感じ取ってあげる」みたいなフレーズだったとすると、「君」と「私」で完結する世界になります。そうやって関係を閉じてしまうほうが、恋愛関係をアピールするには強くなります。他の誰も入ってきませんから。
 でも、「詩にして伝える」と言うからには、そこには伝えようとする第三者の存在があるわけです。世界は愛し合う二人だけではなく、他の誰かにも向かって開かれているんですね。そんな開かれた世界に向けて、「君」の言葉を「私」が伝えようとする。そこにはただ恋愛感情だけではなく、ともに歩んでいこうという「二人で一人」な考え方があるのだろうなと思うのです。
posted by はじ at 14:33| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(ま行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月12日

モーニング娘。「笑顔YESヌード」

笑顔YESヌード
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モーニング娘。 つんく 松井寛 BANANA ICE 鈴木Daichi秀行
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<曲と内容のギャップ・「モーニング娘。文法」>

 ひさびさに、でしょうか。どこか仄暗さも漂うディスコチューンに乗せた、アダルト路線のナンバーです。
 個人的には、この前に誕生10年記念隊として選抜メンバーで歌った「僕らが生きる MY ASIA」そしてその前「歩いてる」等々の毒気のない優等生的な歌よりも、こういった挑発的な雰囲気のほうが好きですね。そもそもつんく♂の得意分野だし、聴いていて刺激的だし、レビューで書けることも多いし…

 さて、この曲のもっとも大きな特徴はもちろん、3音/拍子1拍分という短いスパンで、メンバーが入れ替わり立ち替わり一言ずつ歌いつないでいくところですね。『あなた;だけの;私;だから/遠慮;せずに;強く;してよ』と畳み掛けてくる手法はなかなか新鮮です。
 グループユニットの常として、大勢で歌わざるを得ないために1対1の恋人関係を描くとどうも感情移入しにくかったり焦点がブレやすかったり、という問題点が出てくるもので。まさに上のフレーズにもある「あなただけの私」という主人公をみんなで歌うというのは、よくよく考えれば不自然なわけです。
 そこをあえて複数で、ガンガン廻して歌っていくというのは、違和感を覚えさせる前にガツーンとインパクトを与えてしまう力技。多人数グループであることを逆手に取った作戦と言えます。
 まあ、たまに流れに違和感があったり、二人でひとつの区切りなのはどうなんかなーと思ったり、吐息までリレーするのはやりすぎじゃ…と思ったりもしましたが。

 ところでこの曲、雰囲気はアダルトなのですが、中身は意外とそうでもなく。歌い方なんかは、非常にハロプロ的なお色気歌唱法をとっているものの『あなたの胸で/笑顔で眠る』『どうしてこんなに楽しいの』『願い事を唱える前に/手を強く握ったの』と、セクシーな女性というよりも恋する少女然としています。
 もちろんこれは詞と曲の組み合わせミスではなく、やっぱり狙いが「アダルトな雰囲気も出せるかわいい女の子」というイメージで行きたいからなんでしょうね。求められるのはあくまでも「オトナっぽさ」であって、オトナの色気ではないのです。少女性がなくなってはいけないんですね。

 そもそもモーニング娘。は、組み合わせのギャップを売りとするアイドルグループなわけです。女性アイドルには少女性は必須ですが、その理解のうえであえて逸脱したパフォーマンスをして、そこが受けたんですよね。
 まず、ストレートな清純派路線の曲「モーニングコーヒー」よりもむしろ「サマーナイトタウン」で注目を集め、やたら明るい「LOVEマシーン」でブレイクしたという歴史が根底にあります。ダンスのコンセプトにもたまに「あえてヘンな動き」を混ぜているように感じますし、バラエティでの面白キャラクター披露もそうですね。また、ツッコミどころの多い歌詞もそう。イロモノ認定されない微妙なバランスで、イロモノ的な演出を随所で行ってきたわけで。
 そういうグループのコンセプトが、妖艶さのあるトラックに『でもね(でもね)でもね(でもね)/LOVELY(LOVELY)LOVELY(LOVELY)』というフレーズを乗せちゃうんですね。吐息混じりに「ラブリー」て。だいたい「でもね」も、前からの繋がりがおかしいし!…でもね(でもね)、これが「アイドル文法」の中の一カテゴリ、「モーニング娘。文法」なのですよ。続きを読む
posted by はじ at 17:14| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(ま行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月26日

モーニング娘。誕生10年記念隊「僕らが生きる MY ASIA」

僕らが生きる MY ASIA
僕らが生きる MY ASIA
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モーニング娘。誕生10年記念隊 つんく 高橋諭一
アップフロントワークス(ゼティマ) (2007/01/24)
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<原点に回帰しつつも、なお広がっていこうとする意志>

 10周年。もちろん多くの入れ替わりはあったものの、女性アイドルグループの寿命としては相当に長い年月です。まずは10年もの長きにわたり一時代を築き上げたことを賞賛しておきましょう。

 アイドルという存在は、商業的に多数の人々を巻き込むことを想定して生み出されるものであり、つまりは時代を映す鏡なのです。だからこそ、時代が変わり人々の趣向が変われば、おのずと飽きられてしまう。賞味期限が短いものなのです。
 その点、男性アイドルの大御所ジャニーズ事務所は、ただ「カッコいい」だけの存在から「親しみやすさ」も付与し、さらには多人数多グループを揃えて、そのつながりを強固なものにするという戦略をとっていると思われるわけで。そしてハロプロもまた、バラエティへの積極的な進出や大ファミリー化など、同じ道をたどりました。

 で、10周年に歴代メンバーも加わり、精鋭によってドリームチームが結成されたという。わざわざ新旧5人の選んだのは、結成当初の13歳〜24歳の5人メンバーを意識してのことだとか。
 正直、ジャニーズにおけるJ-FRIENDSのように、一家総出でリリースしたほうが話題も売れ行きも好調だったと思うのですが、原点回帰という意味ではまあいいマイルストーンになったのではないでしょうか。あんまり多くて大合唱になるのもなんですし。

 10年という歳月は上で述べたように、この手のグループとしてはかなりの長さではあるわけです。その10年の記念に、あえて『万年行き交うこの道に』と、桁の違う数字をあえて入れているのは、これからも末永く続けていこうという意志の表れととるべきでしょう。
 「日本」にとどまらず「ASIA」としたのも、まだまだ広がっていこうとする決意めいたものを乗せたかったからかもしれません。まあもちろんアジア友好の旗手になろう!みたいな意図も大きくて、『シルクロード進もう』『こんな近くに歴史もある』などはちょっと露骨すぎてどうだかなーとも感じます。

 どうしても、記念ソングとか、豪華キャストとかになると、視点の大きくて優等生的な内容になってしまうもので。こうした曲を歌わせるのは「国民的アイドル」としての矜持からなんでしょうけど、やっぱりアイドルにはもっと個人的な歌のほうが合うんじゃないかなあと。
 ま、とりあえず、「歩いてる」やこの曲など決して派手じゃない楽曲もレパートリーとして組み込めるようになったのは、ひとつユニット全体としての(今回はまあ特別ですけど)成長かもしれません。
posted by はじ at 03:08| Comment(2) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(ま行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月16日

MY LITTLE LOVER「り・ぼん」

り・ぼん
り・ぼん
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My Little Lover akko tetsuhiko and other 鈴木雅也
エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ (2006/11/08)
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<基盤にあるイメージから、透明感清潔感を押し出しメッセージも込めて>

 90年代に一世を風靡したユニットMY LITTLE LOVERが、AKKOのソロとして活動再開でございます。

 とりあえず主観に基づく解説をしておきますと、もともとはプロデューサー小林武史が生み出す楽曲世界とAKKOの透明なボーカルによる独自の味わいを醸し出していたユニットでして。小林武史が関わらなくなり、しかもレコード会社もavexに移籍ということで、今までとはまったく違った音になっていくんじゃないかとも考えていました…
 が、ふたを開けてみるとそんなこともなく。むしろ古き良き時代のマイラバへと回帰したかのような雰囲気を持った楽曲になっています。

 ま、細かく見ていけば、もちろん完全に同じだということはなく。かなり近づけてはあるものの、たとえばメロディとコードの回しかたを見ると、一般的な進行の中にちょっとひとひずみを混ぜてくる小林武史の作り方まではコピーしていない模様。清廉さという面では、Akkoの声がびっくりするほど変わっていないこともあってかなり近いんですけど、たとえば「Hello,Again〜昔からある場所〜」にあったような、どこかセピアにくすんだかのような雰囲気はあんまり感じられないなと。
 ただ、それは取り入れようとしてできなかったのか、それともあえて切り捨てたのか、と一考の余地があります。なかなか真似できるところではないですし、そもそもAkkoの清々しいボーカルを清く明るく際立たせたいのであれば、このくらいの密度を上げすぎない爽やかな曲のほうが合っていますから。

 詞の言葉選びも同じような方向を感じます。星とか夢とか空想的な表現も多いですけれど、抽象的なイメージのみで作りこむのではなく、『大切な仕事まかされるけど』『寂しさ埋める衝動買いで』と、わりと現実的な内容も普通に混ざっていたりして。
 『ルラ 赤いリボン 冬の街に 輝きだす』という一文も、かなり鮮やかなイメージを描いてはいるものの、「リボン」という非抽象的なものですしね。

 さてこの赤い「リボン」ですが、タイトルの区切り点から考えても「Re-born」の意を含ませようとしているんでしょうね。詞からは、全体としてポジティブな姿勢が感じられます。
 生まれ変わっていこう!と主張する歌でも、込められたメッセージによっていくつか細分化はできて。ただ前向きになればいいっていうんじゃないんですね。それは実は一度『乗り越えられない 壁はないとか あり得ないのに』と、見事にばっさりと否定しちゃっています。これは面白いなー。
 それを踏まえると、この曲の場合にもっとも重要なのは『そして弱さ 受け入れるため』ということでしょうか。これは「あなた」がそうやって生きているんだと想像している部分なのですが、おそらくはその裏に「わたしもあなたのように…」という気持ちが隠れているのではないかなと。
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2007年02月10日

モーニング娘。「歩いてる」

歩いてる
歩いてる
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モーニング娘。 つんく 鈴木Daichi秀行 平田祥一郎
アップフロントワークス(ゼティマ) (2006/11/08)
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<強い主張ではなく、ふとしたときに何気なく願う幸せを形に>

 今回はぐっとシックなメッセージソング。シックといってももちろん賑やかなアレンジではありますが、派手派手しいというほどではなく、「歩いてる」のタイトルに沿って、ヘンに広がりすぎたりせずまっすぐな印象を抱かせるくらいには控えめかなと。

 つんくにしては珍しく歌謡曲っぽさのない、いかにも爽やかなアイドルポップス調の旋律。クセのない、非常にオーソドックスでシンプルな流れ。濃いインパクトがあるわけでも大きく盛り上がるのでもなし。そして全体としてはメッセージソングに分類できるだろうものの、そこまで強力な主張をしているわけではなくて。

 でも、それこそがポイント。派手でない雰囲気、ほんのささやかな言葉だからこそ、伝わることもあるわけです。特にアイドルである立場からすると、変に大きく強く主張をするのはウソっぽく取られてしまいがちで。また、このくらいのほうが普段とのギャップも魅せることができる。等身大サイズで、あんまり真剣ぶらず、楽しげに歌うこのスタンスはとてもいいと思います。わりとウケがいい声があがっているのも、そのあたりが影響しているんじゃないかなと。

 繰り返される『歩いてる』も大きなポイント。聴き手に「一緒に」進むという印象を与え、等身大さをより強めているなあと。歩くにしてはちょっと遅めのテンポになっているのも、『「遅い」なんて/決めつけなど/耳を貸さずに』というフレーズを地で行っているかのようです。
 何より、最終的に「○○しよう」「○○しなければ」という自論を一番に掲げるのではなく、「歩いてる」が何よりも一番前に出てきていることで、重たさ、押し付けがましさを
薄めているわけで。
 正直言って『いつの時代も/正義がある』とか『切に平和 願って』とかいったフレーズには抵抗がありますが、そこが最終地点ではなくそんな想いを抱いて「歩いてる」というのが着地場所になっているおかげで、抵抗感がだいぶ軽減されているような。
 こうだ!と決め付けるんじゃなく、主義を押し通すのでもなく、「歩いてる」中でなんとなくこうだったらいいな、そんな程度の感覚なんですね。で、日常の中で浮かぶそんな思いをそっと支える、この曲の位置づけはそのあたりなのではないでしょうか。

 「Na Na Na」など言葉でない部分が多いのも、強く何かを主張するんじゃないスタンスには合っているとも言えます。…が、やっぱりちょっと多すぎるかな。前半はもうちょっと言葉を費やしても良かったのでは。
posted by はじ at 16:33| Comment(6) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(ま行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月15日

mihimaru GT「気分上々↑↑」

気分上々↑↑
ユニバーサルJ
mihimaru GT, hiroko, mitsuyuki miyake, Genki Hibino

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<「新しい言語層」へのアピール、新しい「ヒップホップ世代」への移行>

 さて、一気にその知名度を伸ばしたユニットmihimaru GT。スマッシュヒットとなったこの曲は、非常にテンション高くてノリノリのアッパーチューンとなっています。

 タイトル「上々」に「↑↑」がついていたりするあたり、DJ OZMA「アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士」にも登場する「アゲアゲ」というワードを思い起こさせます。
 また、こうした記号は、昨今の顔文字文化の影響も感じさせますよね。実際、中高生の間ではこうした上向き/下向きの矢印や、とか(表示されない方ごめんなさい、○の中に上とか下とか入っている記号です)を文末につけることによって、文章の気分やテンションを表現するような書き方が広まっているようです。
 そのあたりを踏まえて「あえて」こういうタイトル表記にしたのでしょう。それは、歌詞の中身もまた現代のティーンエイジャーの文化を汲み上げているように思えるからです。

 まあ、たとえば『再起動のボタン クリック!』という言い方も「現代的」と言えなくもないし、「リセットしてオンとオフを切り替えて、楽しむときは楽しもう、とするのが今の若者の…」とかって方向も広げられそうですが、ここはもっと別のところに注目してみましょう。それは『ピーポー』『ファンキーナイ』など、各所に差し挟まれる略語です。ええと、『パーリナイ』は「Party night」でしょうか。ちょっと考えないとわかんないですね。
 矢印付きといい、この「無理やり略語」といい、乱れた若者文化の象徴だ!美しい日本語が…なんて憤慨する方も、そりゃあいらっしゃると思います。でも、どんなことでもそうですが「崩す」ということはただ「すでにあるもの」をなぞるだけではない、そこからさらに働きかけを行っていることには違いないわけです。この曲なんかでも『シャシャれ』なんて言い方は新しいなー、とちょっと感心してしまいました。「しゃしゃり出ろ」だと当然はまらないし、ちょっともたつくし、「シャシャれ」だったら何か新しい感覚がその裏に生まれているっぽい感触もするし。こういうのを見ると、「言葉を破壊している」んじゃなく、「アレンジを加えている」といったほうが合っているんじゃないかな、と思ったりもします。
 ま、それで世代の断絶が起きてしまうのは間違いないところなんで、なかなか一概にいいことだとは言えないのですが…とりあえず、この辺りは新しい時代の言語感覚をうまく取り入れ反映できていたんじゃないか、それがヒットにつながったんじゃないか、と思いましたと。


 それに、『ピーポー』『パーリナイ』とかって、ヒップホップが認知され始めた最初期から頻出していたような単語ですが、こういうカタカナ表記は絶対に主流ではなかったはずだと思っていまして。なぜなら、当時は英語表記にしておくのがカッコよかったから。「Check it up」とかなんとか、英語をガンガン混ぜて行くのが、本場から直輸入しているみたいで、それが一番それっぽかったわけですね。
 で、そのうちに変化が起きます。日本人なんだからラップも基本的には日本語でやるべきだ!という流れができ始める。そういう流れがそのうちに、ケツメイシなどの哀愁美メロ系ヒップホップという独特の路線を生み出していくわけで。
 そしてここに出てきたこの曲。英語も日本語も混ぜ混ぜで、しかも一部の英語は噛み砕かれてカタカナになり、極めて日本語的になっている、と。これはつまり「英語か日本語か」とスタンスを決めるべき時代ではすでにないこと、ヒップホップの英語フレーズがすっかり日本に定着していることを示しているのではないか、と感じます。
 この曲を支持している層にとっては(おそらくはかなり若い層ですが)すでに、ヒップホップは新しい輸入モノだ!という感覚はないのでしょう。「新しい、スゲエ!」とか、「いや、今まで培ってきたものを疎かにするな!」とか、そういう葛藤をすっ飛ばして、飲み込んでしまっている感覚なんじゃないかな、と。


 とりあえず、DJ OZMA「アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士」でこれからのアッパーチューンは「ディスコ」ではなく「クラブ」に移行していくのではないか?という心配をしましたが、この曲を聴くと、そんなに急激に進むでもなさそうですね。DJのスクラッチ音がかなり大きく取り入れられたりしてはいますが、きらめくストリングスとかはまだディスコ、その背後のギラギラ歌謡曲路線もまだまだ背負っているようですし。
posted by はじ at 00:28| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(ま行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月06日

モーニング娘。「直感2〜逃した魚は大きいぞ!〜」

直感2~逃した魚は大きいぞ!~
アップフロントワークス(ゼティマ)
モーニング娘。, つんく, 鈴木俊介, 鈴木Daichi秀行

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<「恋愛」の曲を「お茶の間」へのメッセージへと広げる、その意味とは>

 なんで「2」なのかなーと思って調べたら、やっぱり「1」があったようです。6thアルバム「愛の第6感」収録の「直感〜時として恋は〜」の歌詞を変えアレンジを変えたバージョンということで。
 で、そっちのオリジナルバージョンの歌詞を読んで、疑問に思っていたことがだいぶすっきりしました。

 『逃した魚はおいしいぞ/またこの次なんてあるわけないじゃん』と煽りまくり、『そうだ そうだ そうだ 全く その通り』と男臭い掛け声を入れ、「ヘンな曲」にしながらも、『真心は届くよ』などと突然ストレートなメッセージを投げかけてくる…というのは、それこそ今までに何度もやってきたつんくの黄金パターンです。
 なのに今回はどうも今ひとつ求心力がないような…と感じたのは、「恋愛」の歌じゃないからですね。もちろん『「振られた」が その次の/恋の始まりです』と、恋愛に積極的になれって面もありますが、大筋は生活一般での「考えすぎないでまず行動、チャンスをつかめ」というメッセージです。その一環として恋愛がある、という形。おちゃらけな要素を抜き取ってみれば、シンプルなメッセージソングになるわけです。「恋愛」に絞られた曲だと詞世界が狭くなるぶん、聴き手の深くまで届きやすい。しかし「世間一般」に広がってしまうと、どうもそのぶんメッセージが薄まってしまいがちなのですよね。

 で、なんで「恋愛」色をもっと出せる曲なのに出さなかったのかなーと思っていたら、実は原曲があって、その原曲のほうでは「恋愛」についてに絞って「考えすぎないでまず行動、チャンスをつかめ」と歌っているんですよね、実は。
 原曲の方が自然だし、求心力も高いように感じます。でも、あえてそこを世間一般へのメッセージに変え、シングルカットしたのは、つまり「それがつんくの考えている、モーニング娘。の目指す方向なのだ」ということなんだ、と考えるのが自然ではないでしょうか。
 つまり、「恋愛」に終始する曲だけを歌ってファン一人一人に擬似恋愛世界を与える(イヤな言い方だな…)よりも、お茶の間の家族全員に楽しんでもらえるようなハッピーな曲をやっていきたい、という姿勢なんだろうなと。
 その姿勢って、言ってみれば「LOVEマシーン」を出したときと、ほぼ重なるものですよね。あれも「日本中すべての人に愛を届けましょう」って曲なわけで。あの曲以来の「国民的アイドル」としての矜持があるのかもしれません。手を変え品を変えてのエンターテインメント性に徹するのは、そもそもメンバー入れ替えというグループそのもののスタイルからしてそうなのですし。

 まあ、「人気失速中」というイメージが定着してしまった今、そんな風にこだわる余裕があるのか…というところをツッコみたい人は、きっといっぱいいると思いますが。
posted by はじ at 01:40| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(ま行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月07日

松浦亜弥「気がつけば あなた」

気がつけば あなた(CD+DVD)
アップフロントワークス(ゼティマ)
松浦亜弥, つんく, 鈴木Daichi秀行, 名越由貴夫

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<あっさりすぎもしつこすぎもしない、隠し味としての「泣き」のさわやかさ>

 CMで話題になって、なんだか妙に評価が高い1曲です。そんなに今までと違うかなーと個人的には思いつつ、確かに最近はあんまりパッとした印象はなかったなあとも考え直しつつ。

 ひさびさのつんく作詞作曲なんでしたっけ。いわゆる「泣き歌謡」な部分がどの歌にも根っこには必ずあるつんく曲ですが、この曲はそれがしつこすぎず、基本はさわやかにさわやかにできていて、「泣き」がちょうど隠し味くらいの程よいスパイスとして入っている感じが、よかったのかもしれません。

 内容としてはホントに王道というか、清純派アイドルイメージそのものといった曲。
 で、つんくはこういう曲作るとき、必ず相手の男性のことをホメるんですよね。今回は『わざと泣いてるふりしたけど/すぐにバレちゃった かなわない人』ってところ。ただ「いつもそばにいてくれた」と言うよりも、ずっと血の通った「あなた」像を提示するわけです。これが、王道路線のまっしぐらの歌詞の中に、うまく印象付けとして機能しているなあと。
 『さりげない声で 包んでくれた』ともありますが、こっちはちょっとステレオタイプな感じかな。


 でも、出来云々はともかく、ずっとおしとやか路線が続いているので、ハジけた歌はもうないのかなーとちょっと不安です。
posted by はじ at 19:09| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(ま行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月16日

松浦亜弥「ずっと好きでいいですか」

ずっと好きでいいですか(初回)
アップフロントワークス(ゼティマ)
松浦亜弥, つんく, 鈴木Daichi秀行, 小西貴雄, 鈴木俊介

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<女の子アイドルの歌う、「男性向け」の切ない感情>

 ずっとバラード系、しっとり方面のリリースが続いています。「風信子」から「YOUR SONG〜青春宣誓〜」「渡良瀬橋」ときて、これでちょうど丸一年ですね。もしかしたら、大人びたイメージを打ち出す長期的戦略期間だったのかもしれません。いい加減、次はアッパーなものが来るとは思いますが。夏のちょっと前くらいに。

 さて、この曲のテーマは『永遠の片思い』です。正直言ってそれ以外の部分、細かい設定はよくわかんないところがあって、『この恋は 卒業ね』とあるし時期的にも「告白できないまま卒業で別れ別れになってしまう」状況なのかと思いきや、『恋人と呼び合う/私達 なのに』とあって、じゃあ付き合ってたのがダメになったのかな、とか。たぶん後者で、「あなた」は「わたし」から心が離れているけど「わたし」はそれでも諦めきれない、という状況なのかなと。「卒業」うんぬんは、きっと発売時期を利用するためにあえて使ったのかなと。

 ところで、『永遠の片思い』という心理は、どちらかというと女性よりも男性のメンタリティに近いものではないでしょうか。
 特に、新しい相手と出会ってからも、昔の恋心がどこか特別な位置にあるまま、なんていうパターンは、男性特有であるように思うのですが。で、これは別に「やり直したい」とか思っているわけではない場合がほとんどだったりするんですが、女性としてはその辺りがよくわからなくて喧嘩になったりする、みたいな。女性って、新しい恋に出会ったらその前はさっぱり消去するっていう人が多いと思うんですが、それって偏見でしょうか?

 こういう種の議論を「こうだ」と決め付けるのはいろいろとアレなので、まあここでは、「今回歌われている『永遠の片思い』という心理は、男性の共感を得ることができるテーマである」とだけ言うにとどめておきましょう。言い換えれば、男性ファンを想定して書かれた、アイドルらしい切り口の歌だ、というわけです。「もしかしたら」同じ女性にはピンと来にくいタイプの心理かもしれませんが、それでもいいんですね。その方々は、メインターゲットではないわけですから。

 『永遠の片思い』という心理そのものもポイントですが、それが松浦亜弥=女性によって歌われることで、「一途な女の子」という、これまた男性好みな設定になっていたりもします。男性ファンの「共感」も「萌え」も得られるように、この曲は作られているわけです。
posted by はじ at 16:29| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(ま行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年11月25日

モーニング娘。「涙が止まらない放課後」

涙が止まらない放課後
モーニング娘。, つんく, 鈴木俊介, AKIRA
アップフロントワークス(ゼティマ)

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 うーん。力押し感が漂ってます。
 自分はメンバーの動向とかには特に興味がなく基本に「楽曲」を見る傾向があるんで、そういう視点からすると、ボーカルを絞ったのは正しい判断だと感じますね。サビの大合唱って、けっこう聴きづらいですし。曲的にも大人数でがやがや歌うものじゃないし、かと言って、ピンの人が歌うような感じでもないですね、どことなく。まあある種王道的な内容なので、一応押さえとかないと、っていうところですかね。

 今回の歌詞のツッコミどころは『はずいから』ですが、これはちょっと外し気味かなあ。あーでも男性ファン向けでなく、女子小中生向けならありなのかも。そういう言葉を使うのに憧れちゃったりする世代には。こうした言葉遣いがまったくの日常になってしまうと(たぶん女子中高生?)歌であえて出されるのはちょっと冷めちゃったりもしそうで。で、こうした言葉遣いを下の世代に見ている人には男女問わずアウト、聴いているほうが「恥ずかしい」と。
 ごまかした鼻歌について聞かれた、とか、ベタっぽいけど案外なくてちょっと面白いんですが。いかんせんそこ以外と、さすがに鼻につくわざとらしい歌い方が、ファン以外にはかなりキツイと思われます。
posted by はじ at 18:13| Comment(0) | TrackBack(1) | J-POPレビュー女性(ま行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年11月13日

松浦亜弥「渡良瀬橋」

渡良瀬橋
松浦亜弥, 森高千里, 馬飼野康二, つんく, 平田祥一郎
アップフロントワークス(ゼティマ)

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 森高千里の有名曲のカバー。確かに松浦亜弥って森高千里と共通する何かがありますよね。といっても、男性ファンはともかくとして、女性ファンの予想される年齢層はたぶん森高を知らないだろうと思いますが。こう、「私はアイドルです」って堂々と正面きって活動しているところとか。中高生の頃は森高千里大っ嫌いでしたが、こういう人はなんだかんだいって貴重な人材なんだなあと最近は思うようになりました。

 ちなみにというほどマイナーな話じゃないですけど、渡良瀬橋というのは、群馬県足利市、渡良瀬川にかかっている橋です。
 関連情報のページは探せば簡単に出てくるので、興味ある人はどうぞ。
  googleイメージ「渡良瀬橋」
  google検索「渡良瀬橋 足利」

 さて、曲自体についてですが。アレンジだのボーカルについてはこれといって注目すべきものがなかったりしてます。小ネタとしては、このサビと同時に
平井堅「思いがかさなるその前に・・・」のサビが歌えていってしまう(や、厳密にコード見るといろいろ違うんですけど)とか、そういうどうでもいいことはありますけど。
 ポイントなのはやっぱり「ご当地ソング」であるというところですよね。渡良瀬橋はもちろん、歌詞中に出てくる「八雲神社」も『床屋の角にポツンとある/公衆電話』も実在するようですし。
 こうした記名性は当然、聴き手に現実感を与えてきます。ただ「橋」とか「街」とかだけ言うよりも、ずっとリアリティがあるわけで。
 ただ特にモデルを持たない(あったとしても表に出ていない)大半の曲に比べると、状況が思いっきり限定されるぶん、イメージがしにくかったり、主人公に同調するのが難しくなったりする、という欠点も考えられます。
 しかしこの「渡良瀬橋」の場合、基本的な風景は「河原にかかる橋と夕日に沈む街」という、どこにでもありつつ日本人の心をくすぐる景色だったり、詞が物語的に読めるようになっていたりする点で、うまい具合に収まっているように思います。

 しかし松浦亜弥、今年は「風信子」「YOUR SONG〜青春宣誓〜」と、ずいぶん大人しめの楽曲が続きますね。まあ後浦なつみはハイテンションでしたけど。
 このバラード寄りの流れは、お茶の間的なイメージアップを図っているんでしょうか。まあ今回のカバーにしても、高年齢層からの好感度上がりそうですよね。冷静に考えると、どうしてなのかわかんないですけど。
posted by はじ at 18:14| Comment(1) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(ま行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年08月15日

モーニング娘。「女子かしまし物語」

女子かしまし物語(初回)
モーニング娘。, つんく, 鈴木Daichi秀行, 小西貴雄
ゼティマ

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 もう何名か脱退、じゃなかった卒業が決まっている段階で、こうしたメンバー紹介ソングを出してくるってのは、どういうことなんでしょう。そんなこと言ったら、今までも入ったり抜けたりでいいタイミングなんてなかったとは思いますが。

 でも、やや民謡風でとても覚えやすいシンプルなメロディなので、これから増えたり減ったりしても、その都度、楽に追加削除できそうな感じです。
 替え歌にもしやすそうで、カラオケなんかで名前と設定ちょこちょこ変えて、とかできそうです。こんな人数集まることってあんまりないと思うんで、歌があまってしまいそうですが。

 まあ、変に社会的メッセージ(しかも噛み砕きすぎて原型わからない)込めたような曲よりも、こうしたお気楽な歌のほうがいいんじゃないでしょうか。
 新しい人たちは全然わからないんでなんともいえないですが、矢口真里の『本当のセクシービームはいつ頃出るんだ!』には不覚にも笑ってしまいましたです。くそう。
posted by はじ at 14:55| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(ま行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年08月03日

松浦亜弥「YOUR SONG〜青春宣誓〜」

YOUR SONG~青春宣誓~(初回生産限定盤)
松浦亜弥, つんく, 湯浅公一, 鈴木俊介
ゼティマ

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 上記が初回限定盤なのは、別に自分がそっちを買ったとかそういうんじゃあなくて、単にアマゾンさんのほうにパッケージ画像あるのがこっちだけだったからということです。

 宣誓、と銘打っている割には、おとなし過ぎるような。曲調がそもそもバラードだし、内容もどちらかというと「みなさんいつもありがとう」って感じで。それを踏まえて青春を生きていきますってことなんだろうけど、やっぱり宣言ってほどのことは歌ってないですし。ほんと、当たり障りのない日常賛歌に終始しています。まあ大事なことではあるんですけど、松浦亜弥ファンというほどでもないし、ドラマ主題歌とのことですがドラマ見てないし、という人にはやっぱりジーンと来たりはしないというか。
 つんくって、たとえば『世界中が 晴れの日だって/チョコがおいしい』(安倍なつみ「だって生きてかなくちゃ」)みたいな、狙っているにしては微妙なツッコミどころを、いつも一曲中に作ってるイメージあったんですが、それも今回はなく。いや、細かく見れば『偶然という/成功へのヒント』なんておかしなこと言っていたりしますが。でもこれは改めて抜き出せばともかく、全体の流れを止めるほどのフレーズではないです。抜き出してあれこれツッコむのも揚げ足取りみたいになるので、深くは触れません。こういう、意味合い的にや文法的に首をひねってしまうフレーズってのは、手抜きなのかそれともわざとなのか。

 つんくが「青春」って言葉が好きなのは以前からわかっていることですが、この曲にあえて青春と名づけるのは、いったいどういうつもりなんでしょうか。一番メッセージ投げかけているっぽい『愛を繋げよう/人にやさしくなろう』ってのが「青春宣誓」なのか。だとしたら、ずいぶん優等生なメッセージだなあと。モーニング娘。にも「愛と平和」みたいなこと歌わせたりしているし、最近のつんくのこういう傾向はどうも嫌ですね。「国民的アイドル」になるにふさわしい曲を、とか、余計なことを考えちゃってるんですかね。
 モー娘。はもう身動き取れなさそうだし、松浦亜弥にはそのぶん軽いフットワークでいってもらいたいんですが。もっとハジケていいんじゃないかと。

 そうそう、なんだか歌い方に独特さが出てきてません?一音一音を息入れっぱなしじゃなく、微妙に区切っているような。それとも、前からでしたっけ。正しい歌唱法といえるのかは疑問ですが、普通にのっぺり歌うよりは声が印象に残りはするでしょうね。
posted by はじ at 22:39| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(ま行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年07月26日

MISIA「名前のない空を見上げて」

名前のない空を見上げて(CCCD)
MISIA, Tohru Shigemi
エイベックス

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 三拍子。ハネたリズムだけど落ち着きがあります。
 作曲が玉置浩二だったりします。穏やかで力みのないメロディラインは彼らしい、という印象なんですがでもあんまり玉置浩二知ってるわけじゃないんでなんとも。ただ言えるのは、このメロディが終始穏やかで、力みどころがないため、歌唱力がウリのMISIAにはちょっと物足りないかな、みたいな感じがします。サビとかもっと声張り上げてくるもんだと思って身構えても、そこまで音域も上がらないですし。
 で、本人もどうやら物足りなかったと見えて、間奏部でのフェイクが盛り上がり過ぎて、明らかにサビの温度を超えてます。こんだけ盛り上がるんなら、ここにこういうCメロというか大サビをきちんと入れたほうがドラマティックになったんじゃ。短いとこにぎゅうぎゅうに歌を入れてる感じで、窮屈ですし。

 歌詞は、この人の場合なぜか、悪いとこはないけど面白くないんですよね。無難にすぎて。特に、「EVERYTHING」路線のこういう恋愛の歌は、声とあいまって壮大っぽいんだけど今ひとつ突き抜けてこないんですね。
 自分の声や「ラブソングとはこうあるものだ」っていう観念に影響されすぎな気がします。もっと自分の言葉で書いたほうが結果的にいいとは思うんですけど。って、なんか偉そうだな。
posted by はじ at 18:43| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(ま行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年07月03日

melody.「Believe me」

Believe me(Japanese Version)
melody., MIZUE, 河野圭
トイズファクトリー

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 Japanese VersionとEnglish Versionの二種類で発売しているんですけど、Japanese Versionでもたくさんの英単語が混じっています。『明日は always 変わるよ』とか『教えてよね to feel free』とか、こういう日本語英語混合というのはどうも一昔前のセンスみたいに思えてしまうんですが、聴いているだけならまったく違和感ないんですよね。
 やっぱりこうしたリズムのハネたダンスチューンなんかだと特に、一音に詰め込める英語のほうがハマるわけです。だけど全編英語だととっつきにくいので、基本的には日本語で、メロディの要所要所で英語を使うというスタイルは、節操はないものの、理にかなっていると言えるかもしれません。
 「英語日本語まぜこぜはかっこ悪い、日本人なんだから日本語にこだわるぞ!」という流れがここ数年なんとなくあって、日本語しか使わない歌の比率が高くなっているっぽい印象があります。なんで、混合タイプはどうも下火になってきているように思えていたんですが、なんだかんだ言ってもこうしたR&B系(だかなんだか)では、もう定着している感じで。こういう言い方はなんですが、宇多田ヒカルもやってるし。やっぱり、上に挙げたようなメリットとかがあるからなんじゃないかなあと思うわけです。

 曲の紹介になってませんが、正直この手の曲ってそんなに違いがわからないもので。どれもいい雰囲気だなあって聴けてしまうんですよね。三連のリズムが微妙に混じっているのがけっこう好みとか、細かいのでそのくらい。
 あ、公式サイトのプロフィールによると、本名らしいです。melody。えーっ!?
posted by はじ at 21:03| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(ま行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年05月21日

モーニング娘。「浪漫〜MY DEAR BOY〜」

 うわー。オリジナリティ溢れるコード進行とメロディ、どこかサイバーな、乾いた疾走感ある曲、せっかくこんな挑戦的でスリリングな音楽なのに、歌詞ですべてが台無しですわ。あーあ。曲だけならすばらしかったのに。

 『地球が微熱らしい 正義を掲げなきゃ』なんだよ『正義』って。どんな文脈だよそれ。タイトルが「浪漫」でなんで『正義』だの『平和』だのが出てくるのか、まったく理解できません。いや、そういう言葉を使う意図はわかるんですが、わかりたくないです。
 ポップスにおいて、大衆の共感を誘うというのは欠かせない要素です。で、某事件以降の世界的な政情の不安定とか「戦争」とかなんやかんや、まあそれに長引く不景気だのそういう社会のムードがあって、モーニング娘。の大人気だとかメッセージソングの台頭だとかそういう邦楽関係の流れにしても、大衆の共感する内容がそうしたものの中にあるからこそ隆盛があるんだと自分は思ってます。その辺を分析しようという意図もこのレビューにはあるわけですし。

 こういう不安定な社会背景に、『正義』『平和』なんて言葉は良く響くんですよ。でも、同時にその言葉は、その言葉の内容を述べなくとも(正義であると主張する根拠は何か、どうやって平和を生み出すのか、など)「それが悪いものであるはずがない」と、人の思考をそこでストップさせてしまう危険な単語なんです。この曲なんかまったく内容なんて述べられてなくて、本当に単語の聞こえのよさだけを利用した感じです。(他の『愛』『真実』『浪漫』なんてのもそうだし)
 「個対個」の世界であるラブソングとかなら、「愛」とは無条件で素晴らしいものである、なんてのも通用していいとは思うんですが(個人的には好きじゃないですが)問題の『正義』『平和』はもっと大きな集団を巻き込んで使われうる単語ですから、もっと考えて使ってほしいものです。いくらなんでもこれじゃ安易過ぎる。
 曲だけならすごく好きなんだけどなあ。
posted by はじ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(ま行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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