2008年01月04日

中島美嘉「永遠の詩」

永遠の詩
永遠の詩
posted with amazlet on 08.01.04
中島美嘉 CHINO 勝手にしやがれ 森俊也 STEPHEN McGREGOR 宮沢和史 Cole Porter
ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ (2007/10/03)
売り上げランキング: 9190


<言葉の有機的な繋がりが、広さと深さを作り出す>

 レゲエのゆったりと広いグルーヴの中、いつもの中島美嘉の線の細いボーカルが乗っている、映画「サウスバウンド」主題歌。
 彼女は、2006年には「CRY NO MORE」「ALL HANDS TOGETHER」となんだかやたらと壮大でグローバルな作品を歌っていました。ただ、こちらはもっとなじみやすい緩やかな雰囲気。

 でも歌詞は『暗闇へ旅立つ/勇気があれば/終わりのない愛に辿り着く』と、壮大で深い「愛」の形を歌っています。ただ、繊細なバラードでひとつの恋人達のエピソードを描いた「雪の華」や、ひたすらシンプルに想いを伝える「愛してる」の例もあるように、彼女の声や音楽性は、壮大なサウンドよりも繊細な音の中で深い内容を歌うというほうが合っているような気がします。
 しかもこの「永遠の詩」は、シリアスなサウンドではなくてレゲエのゆったりした調子。変に感動を煽るのではなく、じんわりと響いてくるような感覚を受けます。

 歌詞の特徴としては、1コーラスと2コーラスで、ほとんどが対句的に対比して表現されているという点があります。
 たとえば「あなた」をどこまでも追おうというサビのフレーズの中で、1コーラスは『たとえ夕陽が沈まなくても』2コーラスは『たとえ朝日が昇らなくても』と、夕陽/朝日の対比。これだけならわざわざ抜き出すようなほどではないですが、他でも「空/海」「『永遠の彼方』/『終わりのない愛』」「風/雨」「明日/あなた」などなど、歌詞のほとんどが孤立せず有機的に繋がっているのです。
 こうした繋がりから、それぞれの言葉からだけではないイメージやメッセージの広がりが生まれてくるのですね。

 ただ『たとえすべてを失くしても』とだけ言っても、陳腐に感じてしまう人もいることでしょう。そこをこうして構成や表現をきっちり整えて示すことで、言葉に深みを持たせて聴かせようとしている工夫が感じられます。


posted by はじ at 22:34| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(な行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月20日

中島美嘉「素直なまま」

素直なまま
素直なまま
posted with amazlet on 07.06.20
中島美嘉 RYOJI YANAGIMAN John Davenport Eddie Cooley 島健 SUGIURUMN
ソニーミュージックエンタテインメント (2007/03/14)
売り上げランキング: 38914


<今までにない暖かみと、素直なフレーズ作り>

 彼女にしては珍しく、ふんわりした柔らかな雰囲気のスローバラードだなあと思ったら、ケツメイシのRYOJIが作詞作曲なのですか。どういう繋がりなんだろう。
 中島美嘉って、「STARS」「雪の華」とこの前の「見えない星」と、芯の一本通ったというか、背筋の伸びたというか、そんな透徹した雰囲気が主流だったので、こういう暖かみのあるサウンドはちょっと違和感があります。とはいえ、変なわけではないですね。このところ、もとの方向性からより歌唱力を身につけていこうというような動きも感じられるので、その一環なのでしょうか。

 『本当はすごく強がりで 泣き虫な私でいいかな』と、弱さをこぼしたいと本音を漏らす「私」。失った恋を思い返す内容でありながら、どこかかわいらしさも感じさせるこの言い方もあって、切なさもありつつも穏やかさを感じさせる内容になっていますね。
 『今のあなたに 今の私を 見て欲しかった 素直なままの私を』と投げかけるこの部分が詞の核になているようですが、そこには未練もありつつ、自分らしさを取り戻した安堵感のようなものもあるように感じるのです。

 あとは、さすがヒップホップ畑の人というか、1コーラスと2コーラスのほとんどすべて、フレーズが共鳴しています。『窓ガラス見て あなたをふと思う』と『空のグラス見て あなたをふと思う』とか、『それが大事な事と思っていたけど』と『今も大事な事と思っているけど』とか。
 全体を見ても、実にすっきりしています。
posted by はじ at 02:05| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(な行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月26日

中島美嘉「見えない星」

見えない星
見えない星
posted with amazlet on 07.05.25
中島美嘉 長瀬弘樹 羽毛田丈史 尾崎豊 Tomi Yo
ソニーミュージックエンタテインメント (2007/02/21)
売り上げランキング: 14348


<再会を心待ちにする、切なくも甘い「寂しさ」>

 映画「NANA2」主題歌「一色」でNANAとしての活動に区切りをつけた中島美嘉、再び原点とも言えるシンプルなバラードに戻ってきました。

 彼女のバラードは「WILL」だったり「雪の華」だったり、なんだか壊れそうな雰囲気があるものが印象深いですが、今回もその系統。昔はかなり危なっかしいな…と感じていましたが、最近はこれが味なんだとわかったこと、そしてもっと安定して聴こえるようになったので、繊細な音楽として耳に入ってきます。
 この不安定さは、少なくともこの曲に関しては、メロディラインとコードの対応の不安定さに一因があります。彼女の曲はセブンス以上、4音以上ある深い響きの和音構造になっている率が高く、さらにはサビ頭の『立ち止まり見る星のない空』の前半なんかは、その深いコード構成からも外れた音でメロディが動いていて、なんともいえない浮遊感が生じていたりします。リズムはそこまで砕けてはいませんが、響きだけならジャズに近いセンスがあるんですね。

 で、詞も今回はなかなか面白い。
 『寂しさ共感(わか)り合えた人より/こんな寂しさくれるあなたが 愛しい』
 現代J-POPにおいては、「孤独を分け合う」という関係が何かと描かれがちです。傷ついていた自分に手を差し伸べてくれたとか、あなたといると不安な気持ちが溶けていくとか、まあそういった類のフレーズを、きっとどこかで聞いた覚えがあるはずです。
 「寂しい」気持ちをダシに使うのではなく、あえて肯定してみせる。共感できる関係が何かと持てはやされるポップス界隈にぽんと放り込まれたからこそ、斬新さを感じさせられます。
 安心でなく、不安をもたらしてくれるからこそ、大事な相手と感じる。心を揺さぶられているのだから、と思えば、確かに説得力があるように感じます。実際、よく考えると、安心も不安も両方とも抱えるものなんじゃないかなあという気もしますが、かなり印象的なフレーズになっているので、これは素直に見事です。

 そんな、会えない間の不安を表現するのに、「星の見えない夜空」を持ってきているわけですね。
 確かに輝いているはずなのだけど、闇の中に紛れて見えない。…それはとてももどかしいものではありますが、でも、「そこにある」という感覚が前提にあることを忘れてはいけません。何が言いたいかというと、この曲の寂しさは、片想いの寂しさではなく、両想いゆえの寂しさなんだ、ということですね。
 すでにパートナーである二人。離れている間も心は繋がっている(=星は空にある)のだと思えはするけど、姿が見えないとつい寂しくなってしまう…そんなバランスが、実は背後にあるんです。
 「星が見えない」といっても、そこにある寂しさは絶望感に繋がるものではありませんし、孤独に打ちひしがれるわけでもないのです。「私」が『どれくらい会えない時間を/また埋められるだろう』と考えているとき、その想像は、やがて必ず訪れる再会の瞬間を思い描き、甘い感情に包まれているはずなのです。
 この曲の寂しさは、どこか心地よくすらある、スイートな寂しさなんですね。
posted by はじ at 03:09| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(な行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月11日

中村中「友達の詩」

友達の詩
エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
中村 中 , 浦清英 , 四家卯大

このアイテムの詳細を見る


<気持ちを打ち明けるという選択肢ははじめから存在しえない、絶対的で悲しい決断>

 離れることができない相手、しかし胸のうちにある恋心を伝えればきっと受け入れられない…だからこそ『大切な人は友達くらいでいい』と言い聞かせる。その悲しい決心を滔々と歌ってみせるのがこの楽曲です。
 思いを打ち明けられず、最後には今以上の関係にはならなくていい、そうやって人知れず感情を押し殺した経験のある人はきっと多いはずで、そんな人には少なからず揺さぶられるものがあるのではないでしょうか。

 さて、歌い手の中村中は、その女性的な容姿とは裏腹に戸籍上は男性であること、GID(性同一性障害)であることをカミングアウトしました。ただ、自分自身を女性だと考えているわけでもなく、まさに名前が示すとおり「どちらでもない」中性的な感覚があるということらしいです。そういえば、柔らかく澄んだハイトーンボイスは、「もののけ姫」の米良美一のような、カウンターテナーのような雰囲気を醸し出しています。
 この事実を公表したことを売名行為と感じる人もいるようですが、しかし彼女の場合は、製作する楽曲と密接に関わってくる事実であるために、公表することは正しい判断だったのじゃないかなと思うのです。

 たとえばこの曲も、彼女自身のことと照らし合わせてみると、より理解しやすい部分があるし、同時にこの楽曲の唯一性を証明することにもなるなあと。
 ただ打ち明けるよりも友達同士の関係を選ぶ歌なら、それほど数は多くないにせよ他にもあります。その中でこの曲は、恋愛関係を捨てて選んだ友人関係にも、居心地のよさ、安らぎを覚えていないのですね。
 『手を繋ぐくらいでいい 並んで歩くくらいでいい/それすら危ういから』というフレーズなどからは、少しでも抱いている恋心がばれてしまったらその場すべてが終ってしまう、というような切迫した危機感が透けて見えます。『見えていれば上出来』とまで退いてしまうのです。
 「今のままでも幸せだから、告白しないでもいい」といった思いは、どこにも見当たりません。「勇気が出ないから言えない」のではなく、『触れるまでもなく先のことが 見えてしまう』と言い切るくらいに、主人公に気持ちを伝えるという選択肢は存在しないのです。

 この点は、やはり作り手である中村中自身のコンプレックスに拠るものだと考えられるわけです。そうでない人よりも圧倒的に叶う確率の低い恋心。その辛さを知っているからこそ、こんなに厳しくて悲しい決意を描く歌が生まれたのではないでしょうか。


 とはいえ、思いを打ち明けられずに悩んでいる人というのは、打ち明けることで生じる関係の変化をひどく怖がっているケースが多いわけで。それこそコンプレックスなどなくても、この曲くらいに思い詰めている人はじゅうぶんに共感できるでしょう。シンプルな旋律と静から動へとダイナミックなアレンジ、透明な中にも時に気迫すら押し寄せてくる歌い回しなど、音楽の完成度も共感を深めてくれています。
posted by はじ at 00:04| Comment(0) | TrackBack(1) | J-POPレビュー女性(な行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月31日

中島美嘉「ALL HANDS TOGETHER」

ALL HANDS TOGETHER
ソニーミュージックエンタテインメント
中島美嘉, SOUL OF SOUTH, 河野伸, George David Weiss, G.Douglass, Dr.kyOn

このアイテムの詳細を見る


<かつての繊細な歌姫は、チャリティのため熱いメッセージを届けられたのか>

 昨年、猛威を振るったハリケーン「カトリーナ」によって大きな被害を受けた都市、ニューオーリンズ。ジャズ発祥の地とされるこの街へのチャリティとして歌っているのだそうです。
 というわけで、曲調はいかにもなゴスペル。しょっぱなから声を張ったフェイクで始まったり、コーラスやハンドクラップも多用されていたりします。とりあえず去年くらいから「アメイジング・グレース」を歌ったり、NANA starring MIKA NAKASHIMA「GLAMOROUS SKY」を歌番組でアコースティックアレンジで歌ったり、前曲「CRY NO MORE」もゴスペル風味だったりと、歌唱力を磨いて発揮したい!みたいな方向性があるようですね。
 昔の彼女は細い声で繊細さのある曲ばかりを歌っていて、それが(危なっかしさ含め)魅力なんだと思っていたんですが、この急激な転換はいったい何があったんでしょうね。180度くらい違うのに。まあ、何事も体当たりでチャレンジすること自体は悪くないと思いますが。

 で、今回はチャリティの側面もかなり色濃いです。共に手をとり音楽の都に音楽を届けよう、というメッセージが基本ですが、それだけにとどまらず『メンフィスから 行きつけば/憧れの ニューオーリンズ』『東から贈る歌』などなど、「今回のチャリティのため」の歌なんだということをはっきり定義する内容になっています。固有名詞とか出さずに、普遍性の高い理念のみを歌い上げるパターンが多いこの業界ですが、はっきりと『ニューオーリンズに音楽を!』という姿勢を歌っているのはなかなか好感が持てます。
 ただ、それだからいい曲かというとまた違うところが音楽の怖いところで…や、まっとうなこと歌っているんですが、今ひとつ感動にかけるような気がするんですよね…声がやっぱり向いていないような気が。まあミスマッチもひとつの味なんですけど、熱いメッセージ性とはやっぱりなかなか相容れないような。やりたいことなのかもしれないけど、自らの良さを生かしていないんじゃないかと心配です。
posted by はじ at 23:49| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(な行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月29日

中島美嘉「CRY NO MORE」

CRY NO MORE
ソニーミュージックエンタテインメント
中島美嘉, 康珍化, 河野伸, Lori Fine(COLDFEET)

このアイテムの詳細を見る


<力強い祝福のサウンドに、力強さではなく、繊細さ弱さを込めて>

 昨年はNANAとしてロックテイストの「GLAMOROUS SKY」を出したりしてましたが、またいつものスロー路線に戻ってきました。今作はゴスペル風味の壮大さを感じさせる一曲になっています。本人的にも「アメイジング・グレース」を歌ってみたりするなど、実力を磨いて難しい壮大な歌を歌っていきたい、みたいな欲求があるのかなとも。パンチ力はそこまでじゃないけど、声質を生かした歌いこなし方で悪くないかも。

 『I don't wanna cry no more』と『あとどのくらい』と韻を踏んでいるわけですが、どちらも「強さ」を感じさせる言葉ではないです。むしろ、「弱い」自分だからこそ口にするタイプの言葉ですよね。『矛盾ばかりの 自分を生きてる』『この淋しさに/いつか終わりはあるの?』などからも、この歌から発せられている感情/メッセージは、弱さゆえの辛さ苦しさの吐露、また強くなりたい(=「泣きたくはない」)というものだと言えるわけですね。

 ゴスペルというのは本来賛美歌から来ているもので、生きる喜びとか祝福とか、本来はハッピーな内容と結びつきやすいもの…なんだったかと。ただ、そこに「弱さ」と「強くなりたい」気持ちを歌うというのは、むしろ彼女らしいんじゃないかなとも感じます。荘厳な曲調で幸せに満ちた歌、力強さに溢れた歌を歌うというのは、中島美嘉の声とはちょっとそぐわない気がしますし。そういう意味で、彼女らしくゴスペルサウンドを取り入れている、という印象を受けたわけです。
posted by はじ at 13:41| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(な行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月16日

中島美嘉「桜色舞うころ」

桜色舞うころ
中島美嘉, 川江美奈子, 武部聡志
ソニーミュージックエンタテインメント

このアイテムの詳細を見る


 階段状に登っていくピアノとメロディの音形が印象的な一曲です。同じ「桜」をテーマにすえてヒットした森山直太朗「さくら(独唱)」のイントロが、上昇でなく下降とはいえ、同じ階段状の音形ですね。まあ、ピアノ伴奏の基本手法といえばそうなのですが、この動きはどこか「和」を感じさせるところはあるのかなと。

 タイトルが「桜色」ですが、詞の中では春夏秋冬とぐるり一周しています。GLAY「春を愛する人」など、こういう類の曲はそれなりにあり、なかなか人気も高いものが多い気がします。
 この曲では、四季を通しての木々と恋模様の移り変わりを描いた内容になっていまして。春に片思い、夏に告白、秋に愛を深めたけれど冬に別れが訪れる、そしてまた春が来ても、まだ忘れられない…という流れです。ドキッとするような表現は特にないですが、非常にきれいに、ソツなくまとまっている印象。恋人同士でいられた間は『ただひとつだけ 確かな今を/そっと抱きしめていた』と思っているのが、別れの後は『「永遠」の中ふたりとどめて』となっているのが、なかなか切ないですね。
posted by はじ at 00:34| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(な行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年11月10日

中島美嘉「LEGEND」

LEGEND (CCCD)
中島美嘉, COLDFEET, 冨田恵一, 宮崎歩, CHOKKAKU
ソニーミュージックエンタテインメント

このアイテムの詳細を見る


 すっかり歌が安定してきたようで、以前の不安定さにハラハラするのが楽しみだった自分としてはちょっと楽しみが減ったような。まだ微妙に音程が怪しいですが、それはもうなんというか完全に味になっている感じです。今回の曲とかに漂う浮遊感は、サウンドメイクと声質以外にも、そのせいがあるような気がしますし。
 コンピュータで徹底的に演出された幻想的な音世界が面白いです。ただ、メロディラインは意外にもけっこう和風な唱歌っぽい動きをしているんですよね。そのおかげか、バーチャルな宇宙空間みたいなオケの中にもほのかな暖かみがあるように響いてますね。ただ、2コーラスからのリズムトラックはちょっとうるさすぎな気がします。

 で、えーと、歌詞のほう。
 ちょっとよくわかんないんですけど、『君は夢で泳いでる 人魚になれたから/眠りに落ちた私を案内してよね』ということは、「君」は女性ですよね?一人称も「僕」じゃなく「私」だし、こちらも女性ですよね?ということは、すごく失恋ぽい内容なんですけど、そうじゃないですよね?じゃあ、友人との別れの歌なのかなあ。そうすると、『あんな大切な未来を/どうして簡単に奪ってしまうの?』は、恋人との甘い未来が崩壊したんじゃなく、「君」と死別したってことなんでしょうかね。
 まあとにかく、夢でしか会えない人魚の「君」、というちょっとファンタジックな描き方をしているわけですが、それは和風の旋律と合わさってタイトル通りの物語っぽい雰囲気になっていて、意図的なのかはわかんないですけど、いい具合にマッチしているんじゃないかなと。
posted by はじ at 22:12| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(な行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年10月10日

中島美嘉「朧月夜〜祈り」

朧月夜 ~祈り
中島美嘉, 野崎良太, 加藤まさを, Satomi, 葉加瀬太郎
ソニーミュージックエンタテインメント

このアイテムの詳細を見る


 バイオリニスト葉加瀬太郎とのコラボレーション。
 みなさんご存知の唱歌「朧月夜」に、メロディを葉加瀬太郎が作り中島美嘉が詞を乗せたオリジナル部分を加えた構成になってます。もともとの箇所がメロで、加えたとこがサビのような役割になってますね。贅沢だなあ。アレンジも大陸的な壮大さがあり、だいたい葉加瀬太郎呼んでくるところからしてずいぶんゴージャスな印象があります。

 ところで「朧月夜」って、知名度のわりにヘンな曲じゃないですか?音楽の授業でやった記憶あるんですけど、リズムが取れなくてすごく苦戦した覚えがあるんですけど、自分だけでしょうか?そういう経験と苦手意識があると、中島美嘉はちゃんと歌いこなしてて偉いなあと思ってしまいます。でも『見渡す山の端』の「は」のとことか、違和感ないようにさらっと歌うのってかなり難しいですよ、これ。汚くなったり、リズム感を失ってしまいがちなとこなんで。

 アレンジのほうも、そうした原曲の不思議なリズムを利用して、変にビート感を出さないとろとろ流れる雰囲気になっていて、悪くないです。
 でも曲の入りのとことか、マイナーコードの響きですけど、これってわざと変えてますよね?たぶんシックさ、壮大さを出すために、コードをいじってある部分が見受けられます。っていうか付け足し「祈り」の部分なんかそうですよね、広がっていくイメージで出来てますし。どっちかというと原曲はのほほんとした響きだったと思うんですが、まあこういう幻想的な解釈も面白くていいですね。

 バイオリンは当然葉加瀬太郎が弾いてるんですよね?これ。まっすぐで強靭な音してますね。個人的にはもっと艶っぽい音が好きなんですが、バイオリンに限らず。でもまあ太くて翳ることなくしっかりと響いて、存在感ありますよね。ちょっと存在感ありすぎて、中島美嘉の細い声質に勝ってしまっている向きもあるような気がしますが。最後のほうの一緒にやってるとことかね。
posted by はじ at 12:01| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(な行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年08月07日

夏川りみ「愛よ愛よ」

愛よ愛よ (CCCD)
夏川りみ, 宮沢和史, 京田誠一, 辛島美登里
ビクターエンタテインメント

このアイテムの詳細を見る


 「あいよあいよ」じゃないですよ、「かなよかなよ」です。「愛(かな)」とは「いとしい人」を指す沖縄方言(ウチナーグチ)です。
 THE BOOMの宮沢和史の提供曲です。すっかり島唄、沖縄民謡を得意とするようになってますが、彼自身は山梨出身ですから誤解なきよう。

 曲自体は、ちょいと面白味に欠けるくらいにいかにもな和風、どこかわらべ歌のような感じですが、尖りのないふんわりしっとりした声がいい雰囲気を作っています。声を飛ばそうとするポップスとも朗々と歌い上げる演歌とも違う、押し付けがましくない声の響かせかた。なんていうんですかね、子守唄を歌う母親みたいな感じでしょうか。
 詞を見ていくと、『急いで行けば短い命/のんびり行けば長い道のり』なんてのはいかにも宮沢和史らしい、道の先遠くまで注がれる視線が見て取れたりしますね。

 総じて、ゆったり穏やかな心地になれるいい曲です。が、楽曲的な面白さだとやはり「涙そうそう」のほうが上かなあ、と。あっちは、旋律のリズムに揺れがあって、そのぶん豊かな声に味わいが出るんですよね。それに比べると、こちらはちょっとばかり平坦です。安定感はありますが、個人的にはもうちょい揺さぶってほしかったかなと。
posted by はじ at 13:16| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(な行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年06月22日

中島美嘉「火の鳥」

火の鳥 (CCCD)
中島美嘉, 湯川れい子, 冨田恵一, 久保田利伸, 島健
ソニーミュージックエンタテインメント

このアイテムの詳細を見る


 NHKBSアニメ「火の鳥」のエンディングテーマということで、壮大な雰囲気を漂わせてます。彼女はバラードのイメージが強いですけど、今まではどちらかというと「シンプルに繊細に」を意図して編曲なされているものばかりだった気がします。今回は、繊細さを残そうとしつつも、効果音だとかかなり複雑なアレンジだとかで、相当手が込んでいる印象を受けました。
 メロディラインも、わざとコードに乗っていない音(厳密に言えばテンション・ノートに当たるのかな)を使って、単純でない深い響きを出そうとしたりもしてます。
 と、まあ、曲は聴いていて面白いんですが、バックがどっしりと作られているぶん、中島美嘉自身の持ち味(だと自分が勝手に考えている)歌の危なっかしさがあんまり感じられなくて、ちょっぴりつまらないかなと。この旋律歌うの難しいだろうに、今までで一番安定しているような。また詞もちゃんとした作詞家がついていて、堂々とした内容になっていることもあって。まあ、こういう曲も合わないってわけじゃないんですけどね。
posted by はじ at 16:52| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(な行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年05月15日

中島美嘉「SEVEN」

 毎度言ってますが、やっぱりこの人の歌を聴いていると、あるべき旋律から音がぽろっと外れそうでそわそわしてしまいます。ただ逆に言えば音を外しているわけではないのだし、こちらは心を揺さぶられているんで、これは彼女の魅力であるのかもしれません。
 今回のジャズっぽい軽くシャレたナンバーを、気だるげにでもなんだか真面目に歌っているところを見ると、その辺やっぱり意識してやってるのかもしれませんね。歌にしても曲にしても詞にしても、不安定さをいろいろな部分で見せて聴き手を惹きつける、みたいな部分があります。
posted by はじ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(な行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。