2008年03月06日

Salyu「iris〜しあわせの箱〜」

iris~しあわせの箱~
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Salyu JONI MITCHELL 渡辺善太郎
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<同じものを共有しながら、別々の道を行く>

 前作より小林武史の手を離れ、渡辺善太郎プロデュースに移行しているSalyu。「LIBERTY」は抑制から解放されたかような迸るエネルギーに溢れた一曲でしたが、今回はしっとりとしたミディアムナンバーです。

 描かれているのは、別れの情景。『車窓』『鉄路』などのフレーズから察するに、鉄道でどこかを離れどこかへと向かう「私」は、「あなた」と『また会えることを信じて 約束もせずに手を振った』…どことなく寂しさは漂ってはいるものの、再開を信じていますし、決して何か不幸なことがあって二人が別れるというわけではないようです。別の道を目指すために、あえて道を分かつという印象が。
 なので、哀しい歌というよりは、離れて相手を思うことで二人の絆を再確認する…というような、清々しさを感じます。

 さて、この曲の気になるポイントは、以下の部分。
 『それぞれの想いで 同じ唄を愛した』
 『違う景色の中にも 同じ色が輝いてる ことを知ったの』
 ふたつのフレーズは、とても近い内容に触れています。すなわち、<別々でも繋がっている>というようなことです。それぞれ独立しながらも、共有するものを持てるんだ、という確信が、ここからは感じられます。
 そしてそれは、離ればなれになる二人というシチュエーションにも共鳴してきます。別々になっても、どこかで繋がっているから、心配しなくてもいい。そうした感情が、『背中合わせの間に ある 温もりをきっと感じていける』なんてフレーズに込められているわけです。背中合わせになっているということは、まったく逆の方向を向いていることになります。でも、背後はくっついていて、そこに温もりを感じられる。異なる道を行こうとも、確かに繋がっていることを信じている、ということなのですね。

 『あなたが置いた約束』を『私の箱にしまっていく』という表現で語るところも、上記の<別々でも繋がっている>という確信にかかっているように感じます。自分とまったく同じではない異質な「あなた」に属するものを受け入れ、内側に取り込むためには、「箱に入れてしまっておく」というやり方がちょうどはまっているなあと。


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2008年01月22日

Salyu「LIBERTY」

LIBERTY
LIBERTY
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Salyu 渡辺善太郎
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<衝動のままに、惜しげもなく注ぎ込まれるポテンシャル>

 2007年にリリースされたシングル曲の個人的ベストです。紹介が遅くなったので「2007年マイベスト」には入りませんでしたが…
 このブログを読んでいただいて感じている方もいらっしゃることでしょうけれど、八方美人な性格のため、これが一番!と選ぶのって苦手なのです。でも、それだけこの曲が印象深かったんだとご理解ください。

 デビュー以来(というか、Salyuとしてデビューする前のリリイ・シュシュ時代から)小林武史のプロデュースによって活動を続けてきましたが、今作からその元を離れ、渡辺善太郎プロデュースに移行しています。と同時に、これまではほぼ他人に任せていた単独での作詞も本格的に開始しています。
 そんな新しい出発のこの曲は、まずとにかくキーが高い。単純に最高点が高いというだけでなく、ハイトーンが続いたり下がったかと思ったらまたすぐに上がったりと、半端じゃない難易度をビンビン感じます。
 それを声量と特徴ある声質で、ねじ伏せるかのように歌い上げているので、とにかくパワフルな歌声が全編に渡り堪能できます。彼女の特徴的な声は好き嫌いの分かれるところですが、相当なパワーを必要とするであろうこのメロディラインは、この密度の濃い声でなければ映えないのではないかなと。
 がっちりと脇を固めているバンドサウンドも、力強さを加速。と思ったらふっと静かに緩やかになって、でまた一気にフルスロットルまで高潮する、という。サビよりさらにキーが上がるCメロなどの力押しをしてくる一方で、緩急のギャップもまたインパクトに繋がってきています。

 小林武史はどちらかというと、楽曲に独自の色合いを持った世界を構築しようとするタイプの人だなあと考えていて。自身が参加していたMY LITTLE LOVERなんかそうでしたよね。Saluyについても、当初からそうした形でプロデュースしていたように感じています。
 ところがこの曲は、緻密に世界を構築するのではなく、むしろ枠組みを吹っ切ろうとするかのようなパワーに満ちています。で、Salyuにはそれこそ思い切り突き抜けるだけの歌唱力があったわけで。そんなわけで、こんな怪作が生まれたのでしょう。

 楽曲からほとばしる突き抜け感は、また、本人による歌詞からも漂ってきています。続きを読む

2007年12月20日

柴田淳「カラフル」

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<初々しさと戸惑いが、成就した想いの強さを物語る>

 活動中にリアル引きこもり期間があったり、部屋に閉じこもって曲を作るというエピソードを持ち、それが納得できるような内省的・翳のある作風が目立つ柴田淳。前作「HIROMI」でも、その胸に迫る鬱っぷりを発揮していました。
 が、今回の楽曲では、「片想いが成就した」という、明る設定を歌っています。

 こういうシチュエーションって、意外とあんまり見覚えがなく、新鮮です。「告白してOKでハッピー」とか、「恋人として安定期」の狭間、付き合いだしてしばらくの初々しさが、フレーズの端々から漂っています。
 憧れの存在だったのに、『目の前にいるあなたが不思議/どうしてわたしと喋っているの?』と戸惑ったり、片想い時代を思い返して『あなたに片想いしてた日々/恥ずかしくなる』と言ってみたり。こういうのって、徐々に二人でいることに慣れてからはきっと、二人で過ごすことに違和感もなくなり、片想いの頃の想い出も薄れてくるのでしょう。まだ不安定な感情なのですが、でも「期間限定」なぶんもあってか、鮮烈な印象を残します。

 『好きになってもどうせ叶わない/そう思って諦めてきたの』と歌う「わたし」は、明らかに控えめな性格の持ち主です。しかも、突然の幸せにどぎまぎしたり、過去の自分を恥ずかしく思う一方で『あなたに出逢う前のわたしを/愛しくなる』と言ってみたり、かなり内向性の度合いが高い感じ。
 そんな「わたし」にとっての「あなた」の存在は、ただ恋人というだけでなく、精神的な拠りどころとして、ものすごく強い存在であるように感じます。「あなた」と気持ちが辻あったら、白黒の世界がカラフルになり、『生きる意味がわからなくて/歩かされてたみたい』だったのが『でも今は歩きたいの/あなたと…』と思えるようになる。「あなた」に寄せる気持ちの大きさを、ひしひしと感じる言葉が並んでいます。

 恋愛感情はもちろん、生きていく力を与えてくれた「あなた」への想い。その大きさ強さを描き出すために、まだ戸惑ったり信じ切れなかったりする「幸せへの慣れなさ」が効果的に作用しているなあ、と感じました。
posted by はじ at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(さ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月04日

柴田淳「HIROMI」

HIROMI
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<虚飾に満ちた別れの場面を冷ややかに見つめながら、それでも尽きない想い>

 別れの歌というと、ほんの少しのすれ違いなのに、まだ好きなのに…という切ない感情を描いたり、また幸せな日々の思い出を回想したりと、何かと美しく哀しく彩られがちなものです。
 しかし、この曲はまったく違うんですね。むしろ、そうしたある種「J-POP的な別れ」を演出しようとする相手を、醒めた視線でもって受け止めているんです。

 別れを告げる「あなた」は、哀しげな表情をしています。「私」のためなんだ、と自分の苦渋の決断をアピールし、さらには涙さえ流します。
 しかし、それはすべて『私のためなんかじゃない』のです。『見抜かれてないと思ってる/その程度しか通じ合えてなかった』なんていう、失望のため息が聞こえてきそうなきっついフレーズ。こんな言葉がさらりと出てくるほど、「私」にとっては「あなた」の嘘は前々から気がついていたことで、だから、「あなた」のこの『明日から気兼ねせず あの子に会うために』、キレイに決着をつけてしまおうとする「別れ」の演出は、出来の悪い茶番としか感じられないのです。

 何かとキレイに描かれがちな別れの場面には、往々にしてこうした冷ややかな視点が存在するものです。でも、あえてそこは見ないフリを決め込んで美しい面だけ描き、聴き手を浸らせるのも歌のひとつの切り口です。
 対してこの曲の場合は、相手の「嘘」を見抜いていたという設定を使って、冷ややかな視点からの生々しい感情をつらつらと綴っているわけです。その赤裸々ですっぱりとした本音は、別れ際に「嘘」をついた覚えがない身でも肝が冷えるくらいです。この淡々とした生々しさが、キレイに飾らない本音が、柴田淳という人の持ち味なのですね。


 さてこの曲、ただ相手の「嘘」を白々しく見つめるだけの歌ではありません。
 「私」は、「あなた」に思いきり幻滅しながら、しかし嘘を暴こうとせず、怒鳴りもせず、「あなた」の演出を壊すことなく付き合います。『微笑んであげたの』というのはむしろ激昂するよりも怖いですが、そんな態度にはちゃんと理由がありまして。

 『ステキな思い出にさえ させてくれなかったね』と、ここに「私」の偽りのない本心が隠れています。「ステキな思い出」にしたかったのに、バレバレの「嘘」をつかれたことでその願いは消えた、という。逆に言えば、「あの子」に「あなた」の気持ちが傾いているのを知っていた「私」は、せめて二人の日々を「ステキな思い出」にしたかった、ということになります。
 『見え透いた嘘ついて 嫌いにさせたって/思いたいよ 思わせてよ』なんかを見ると、いっそう顕著です。別れを告げられることを否定したいという気持ちよりも、むしろ、バレている嘘をつく「あなた」の無様さを信じたくないという気持ちのほうが強そうに感じるんです。
 つまり、ひどいフラれ方を体験しているこの瞬間にも、まだ「私」は「あなた」を愛しているんです。

 さらに、曲の最後に出てくるサイズの合わない指輪のエピソードも秀逸なんですが、長くなりすぎるのもなんなのでカット。とにかく、やたらと内容の濃い一曲です。
 嘘の演出に彩られた別れを表向きは受け止め、水面下では非難と幻滅を、そしてそれでも捨てきれない想いを、一人で抱えようとする。別れを一面的なキレイさでは描かずに、愛憎が入り混じる複雑な感情で満たしているわけですが、でも現実にはやはりこういう本音はあるのでしょう。冷ややかで生々しい、等身大の感情を描こうとしたからこそ、「HIROMI」という固有名詞がこの曲にはつけられたのではないでしょうか。
posted by はじ at 02:18| Comment(2) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(さ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月10日

Salyu「プラットホーム」

プラットホーム
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Salyu Takeshi Kobayashi
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<待ち望む二人の「再会」の時を、幻想的な風景に描き出す>

 前々作「Tower」前作「name」と作詞に一青窈を起用していましたが、このアルバム先行シングルではプロデューサーの小林武史がまた詞を書いています。

 一青窈は感情的かつ色彩感が強めな言葉を生みますが、小林武史の場合はどちらかというとどこか浮世離れしている透徹した視線で、透明感を感じさせる言葉になります。この曲でも『音の隙間を流れていく』とか『舞い上がる 木の葉のように切ない時』あたりでそれを感じることができますね。

 さてタイトルにもなっている「プラットホーム」。曲中では『二人のプラットホームは/きっと現れる』と、待ち焦がれる場所、見つけたい場所として描かれています。位置づけとしては「人と人とが出会う場所」。つまりは、クロスロード(交差点)に近い表現なのでしょう。
 でもクロスロードではなく、わざわざプラットホームという単語を当てたのは、ちゃんと理由がありそうです。単に使い古しではない表現を選んだということもあるでしょう。また、言葉のイメージ的に、単なる交差点よりも駅のホームのほうが、より明確な「スポット」であるイメージができます。そのため、「約束された場所」的な印象を強められているのではないでしょうか。
 また、「交差点」だと「道を歩いて到達する」という地に足のついた雰囲気を同時に喚起させてしまうので、それだと浮遊感のあるドリーミーな曲調に多少そぐわないかもしれません。ここでの「きっと現れる」という言い方も、そのあたりを意識した表現なのかもですね。

 さて、プラットホームで出会いたいのは当然「あたし」と「あなた」なのですが、詞を読んでいくとこれは初めての出会いを待ち望んでいるというわけではなく、再会を果たしたいという心情が込められているようです。『あなたを思い出したら』というフレーズもありますしね。
 『あの時 あたしが選んだ道の端は/途切れて 見えなくなってしまっても』という回想。「選んだ道の端」というのは、つまり分岐点のこと。そして、…おそらくはそれが「あなた」と道を異にした別れの地点のことなのではないかな、と想像することができます。
 二人離れた日がはるか遠くになってしまったけど、それでも再会するはずの「プラットホーム」が現れることを願い歌い続ける。ドリーミーで空想的な世界観で、でも芯のある独特のボーカルがそこに一本はっきりした芯を貫いているように響いてくるのが印象的です。
posted by はじ at 15:40| Comment(2) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(さ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月10日

Salyu「name」

name(初回限定盤)
トイズファクトリー
Salyu, 一青窈 , 小林武史 , GEORGE HARRISON

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<「あなた」を自らの内側まで深く受け入れようとする、強い強い呼びかけ>

 Bank Band with Salyu「to U」で櫻井和寿と共演したことで、一躍知名度を広げた彼女の続くシングルは、今度は一青窈の作詞で贈る楽曲でした。一青窈はかなり独特の質感と色彩を持った言葉を綴るタイプの人ですが、これが言われてみれば独特の声質と歌い方をするsalyuと合うんですよね。この組み合わせは、ただでさえ相性次第なところのあるsalyuのキャラクターからさらに好みをより分けているような気もしますが、個人的には面白かったです。

 『パパから言われた内緒話それはね/あたしの身体にすごく大事な/部屋があるということ』。パパが登場するあたりは一青窈らしいなあと思いつつ、「部屋」という言い方が与えるイメージが重要です。部屋ということは、そこに「誰か」が入ってくる場所だということですから。自分自身、あるいは「あなた」が。

 そんな「部屋」に「あなた」を呼び込みたい、それが『好きになってしまったの あなたを』という感情を表しています。さらに言えば、その欲求は『早くはやくはやくあたしのここに/心に名前をつけて』という呼びかけへとつながっていく。
 心の中まで入ってきてほしい、あるいは「名付ける」という、その人間を規定する根源的な行為を行ってほしい。それだけの多大な影響を「わたし」に及ぼしてもらいたい、そんなはっきりと強い感情がこの曲には渦巻いているわけです。
posted by はじ at 05:53| Comment(4) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(さ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月21日

柴咲コウ「invitation」

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<内面から出てくることはなく、しかし別れのあとにもきっと続いていくだろう感情>

 この夏、映画とドラマで大きな話題を巻き起こした作品「タイヨウのうた」。映画版での主題歌は主演クレジットが混じっているYUI for 雨音薫「Goodbye days」でしたが、そのあとを受けたドラマ版は柴咲コウ。すっかり当たり前のように自身が出ていないドラマ主題歌を歌うようになっていますが、これって珍しいケースですよね。むしろ最近は自分の出演するドラマは歌っていませんし。「世界の中心で、愛を叫ぶ」は映画版に出演してドラマ版は「かたち あるもの」で主題歌を歌う、というよくわからない事態になっていましたし…
 この人の書く詞は感情移入型ではなく、どこか客観的な視点から言葉を紡ぐフシがあるので、そういう意味では主演+主題歌とかにはむしろ向かないのかなあとも思いますが。

 ハイテンポで進む、ピアノがジャジーさを漂わせつつ、夏の海岸の情景を描いている一曲。タイアップ先のお話の舞台が湘南だということからか、『路面電車』も登場します。しかもサビ頭ですから、すごいインパクトです。
 この路面電車をはじめ、具体的な単語が多数登場しているのが特徴で、しかも夏っぽさを意識させつつ、ありふれた描きかたではなくわざと断片的に、ぼかして書いている感じ。これは『いつもの通り道で待ち合わせ みんなでしよう』とか『どうせ海岸かそこらあたり』とかの不明瞭な言い方とともに、≪自分の頭の中のよしなしごとをそのまま出している≫ような印象を与えられます。誰かに呼びかけている、いやその前に文章に書き出してはいるものの、そうじゃない、脳裏に浮かんでは消える取り止めのない思考の泡を取り出しているんだ、といったように。
 つまりこの詞は、誰かに届けたい言葉ではなく、ある夏のひとコマにおける自分の内面の自動筆記、という体裁なのですね。自己完結している、ということです。だからいまひとつ意味が通じないような部分もあり、「いつもの」「みんな」などに何の説明もなかったりするわけですね。

 『ボーダーか焼けた肌かワンピース/個性はないけれどかわいくてうらやましい』なんかには、夏に憧れつつも一歩距離のある立ち位置を感じることができます。「みんな」の輪の中にいながら、あれこれと思考は目まぐるしく移り変わります。その中で、『みんな前 見てるすきに/ぎゅっと手を引いてほしいんだ』『どこから恋になったのか…』と、仲間のうちの一人である「きみ」への想いが挟まれます。それとなくモーションをかけたりもするけれど、だけどやっぱりいまの関係も心地よくて、一線を越えることはできないまま。
 そして、『もしかしたら僕ら最後かもしれないけど』と、なんとなくではあるものの、別れを予感しています。しかし、「きみ」への感情も、別れの予感も、まったく口に出すことも表現することもないままで、そんな自分自身を「懐しのラムネ」の泡にたとえて『なんにも出来ない僕の気持ちの表れ』と言ってみたりもしています。
 言葉で「きみ」やほかの「みんな」に感情を表すことはないまま。でも、そんな思いを内側に抱えているからこそ、夏の湘南の情景のひとつひとつが胸に迫ってくる。きっと『「過ぎた夏の記憶」に収まる』…「過去にしたくない、後悔したくない」ではなく、「過去になってもただひとり思い続ける」そんな種のセンチメンタリズムがこもっている一曲です。

 にしてもこの人は、速い曲になると、やたら難しくセンスが必要な音楽になりますね。「Glitter」とかもそうですが、リズムがかなり崩されていて、一筋縄ではいかない感じ。一般的にはバラードイメージが先行している歌い手だと思うのですが、そうではない楽曲で他にない個性を出してうまくバランスをとっているのかなと。
posted by はじ at 22:51| Comment(4) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(さ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月12日

島みやえい子「ひぐらしのなく頃に」

ひぐらしのなく頃に
フロンティアワークス
島みやえい子, 中澤伴行, 高瀬一矢

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<ダークなサウンドとダークな言葉、そこに絡まる日本的な怖さ>

 テレビアニメ「ひぐらしのなく頃に」オープニングテーマ。
 このアニメ、もともとは同人サウンドノベルゲームが原作で、ものすごいブームを巻き起こしました。ちょうどこの夏のコミックマーケットにて、シリーズ8作目に当たる完結編がリリースされます。

 このゲーム、はっきり言って面白いです。オタク要素も多いのでそういうのに激しい抵抗がある人はちょっと不向きですし、正直言って文章自体はそんなに上手いわけじゃないんですが、かなり怖いです。…そう、ホラー&ミステリーなんです、この作品。絵柄に似合わずというか、この絵柄だからこそというか…
 お時間と興味のある方、第1作目が公式サイトで「体験版」として無料ダウンロードできるので、ぜひプレイしてみてくださいませ。後半から世界が一変する怖さ、これはぜひ体験してもらいたいところ。
 最近は漫画でも多面展開しているので、「同人ゲーム」と聞いて抵抗がある人は、そちらから入ってみてもいいかもしれません。…本当はゲームから入ってもらうのが一番なんですが。


 というわけで宣伝はこのくらいにして、アニメのほうのこの曲も、妖しげでダークな雰囲気に満ちています。浮遊感を感じさせつつノイズっぽいものが混じるバックと、何かの呪文めいたコーラス。そこに『雨だれは血のしずくとなって』とか『ひとりずつ 消されてゆく』というような、不穏な印象を与える言葉が乗ってきています。

 そしてそこに重なる、『鬼さんこちら 手のなるほうへ/どんなに逃げても 捕まえてあげる』という遊び歌をベースにしたフレーズ。この言い方と全体の雰囲気で、なんとも言えない不気味さ、薄気味悪さが漂ってくるのですね。
 『この指とまれ 私の指に/その指ごと 連れてってあげる』も同様。冷静に考えると、連れて行かれるなら「その指ごと」なのは当たり前といえば当たり前なのですが…でも、わざわざこういう言い方をされると、「えっ」とちょっと戸惑わされます。なんだか不安にさせられる響きですよね、これ。

 『ひぐらしが鳴く』夕暮れ、俗に言う「逢魔が時」の風景。遊び歌とひぐらしといった日本的なイメージを多用しつつ、あっちの世界に誘われているような「怖さ」を感じさせます。
posted by はじ at 16:00| Comment(2) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(さ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月24日

GTP「冷凍みかん」

冷凍みかん
フォーライフミュージックエンタテインメント
GTP, 大倉沙斗子, 友森昭一

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<ギャグとコメディの境目、みかん好きの女の子は果たしてどちら側?>

 煙田さんが紹介しているのを見て気になったのもつかの間、その後すぐに職場近所のコンビニで流れたのを耳にし、その瞬間に「この曲だ!」と思い至りました。それほどわかりやすいこの一曲です。
 「れ〜いとうみかん れ〜いとうみかん れ〜いとうみかん よ〜んこいり〜」と、およそフツーの歌らしからぬサビ。その冷凍みかんをチョイスしてくる突拍子のなさも手伝って、一発で頭の中に叩き込まれるメロディラインは、はじめて聴いた後でもすぐに空で歌えるほどです。チープな音色(きっと、わざと)の後ノリキーボードも中毒性があります。冷凍みかん中毒。頭がキーンとしそうだ。
 まあ実際、本当に冷凍みかん中毒なのかっていうくらいに冷凍みかんを賛美し食べ続ける歌なのです。初デートの待ち合わせに向かいながら、『駅のホームでまず1個 電車の中でもう1個/彼待ちながらもう1個』瞬く間に食べてしまいます。1個は「彼」に残しておくつもりだったのに、結局待っている間に食べてしまう。
 どうしよう、もう一袋買ってこようか…と思っているうちについに「彼」がやってくる、そしてその手には、なんと!冷凍みかんが!ギャー!…じゃなくって、めでたしめでたし、という。

 なんじゃそら、ってツッコミ待ちのコミックソング、と片付けられそうなこの歌ですが、しかし何から何まで(笑)がついているような喜劇ではないわけで。…もちろん、「冷凍みかんとは○○の象徴で、実はこの裏には深い悲しみが/鋭い社会批判が隠されているのではないでしょうか」なんて言うつもりはさらさらないのですが。
 たとえば、昨年けっこう話題になったりしたトンガリキッズ「B-dash」グループ魂「君にジュースを買ってあげる」あたりは、「面白さ」のみを追求して作られた、紛うことなき純粋なコミックソングです。対してこの「冷凍みかん」は必ずしもそうとは言えない。題材の選定や恰好はファニーではあるけれども、カッコイイ/ステキな恋愛ではないけれども、こんなほのぼのとしたカップルがあってもいいよね、くらいのスタンスでこの歌を投げかけているように感じるんです。
 この曲を気に入る聴き手は、きっと「こんなシチュエーションありえないよー」と笑いながらも、「でも、こういうのもいいなあ」と考えるのではないでしょうか。そういう受け入れられ方は、コミックソングとはまた違う種類のものです。漫画で言えば、「笑えるギャグ」ではなく「良質なコメディ」みたいな。そういえばこの曲のありえない偶然のハッピーエンドオチとか、少女漫画家の初期短編作みたいですよね、ノリ的に。

 歌っているGTPは女性3人組のガールズバンド。これが3枚目で、デビューは吉田拓郎「春だったね」のカバーだったりして、もともとユーモア路線ではないような。なんかこの曲の自由奔放さから見て、デビュー前に半分冗談で作った曲がライブとかで面白がってもらえていたので出しちゃいました、みたいなリリースのような気がしてなりません。狙ってこのノリは出せないんじゃと思いますんで、狙ったならそれはそれですごい。
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2005年12月23日

柴咲コウ「Sweet Mom」

Sweet Mom
ユニバーサルJ
柴咲コウ, 市川淳, 弦一徹, 華原大輔, REO, 井筒日美, Jin Nakamura

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<底のない愛情「母性」を描き出しつつ、ツカミも忘れちゃいない>

 この柴咲コウという人は毎回自ら作詞しているようなんですけれど、なんというか、自分のやるべき役割を把握してしかもそれを表現できる人だなあと、今作を聴いていると特に思ってしまいます。
 前作「Glitter」ではどこか病んでいる一面を見せましたが、今回は「Sweet Mom」とのタイトル通り、母性を感じさせる内容になっています。両者は一見そぐわなさそうな方向ですが、どちらも期待されているのは「深み」ですね。単純ではない、底の知れない感情…理解や常識から外れた位置にある、逸脱した思考/無条件の愛情。そういう部分で見ると、対極ではあるものの、相似形を成していると言えるのではないでしょうか。
 で、聴き手が彼女に望んでいるものは、そうしたミステリアスさであったり、深く受け入れてくれそうなキャパシティであったり、トリップさせてもらいたい「深さ」なのではないかなと。

 それにしても、ダブルミーニングとは行かずとも、「母性」を描く一方できちんとJPOPとしての配慮もしているんですよね。この辺、副業の一部としてだけ作詞をやらせておくにはもったいないんじゃないかって思うくらい。
 わかりやすい例はサビ『笑い合うそのとき 描きながら〜』というのは文脈的にはきっとは赤ん坊とのことを指しているんですが、そこだけ切り取って提示すれば、普通のラブソングのようにも思えるわけです。『あなたがいない昨日に/もう未練はないのよ』とかも、キラーフレーズとして通用しますよね。さすがに『突き出した愛の丘』は膨らんだお腹のことでしょうけれど、その後の『ソファに腰沈めて/また丘を撫でましょう』なんて言い回しは、どこかエロティックさを漂わせていますし。テクニカルです。
 方法論に基づいて詞を作っている感じで、非常に安定感がありますね。一貫性がありつつ、聴きをつかむための配慮もありで、よくできてるなーと感心してしまいました。

 曲は「月のしずく」っぽくてそれだけで少々退屈に聴こえてしまうところですが、けっこういろいろ細かく遊んであって、その辺きちんと聴くと面白いかも。
posted by はじ at 03:58| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(さ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月13日

SHAKALABBITS「LadyBug」

Lady Bug
アンリミテッドグループ
SHAKALABBITS, UKI, Chapman Michael Donald

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<ふさぎ込んだ気持ちを雨上がりの虹へと昇華させる、鮮烈な「てんとう虫」のモチーフ>

 タイトルは「てんとう虫」の意とのことで。今までのSHAKALABBITSのシングルからはずっと落ち着きの感じられる、ミディアムテンポの曲です。こういう曲にしてもやっぱりジュディマリっぽいよなーと思ってしまうのですが、詞世界はやや独自の方向に向いてきたような気がします。カラフルでポップな雰囲気は似ているんですが、ジュディマリYUKIがひたすらそうした言葉をきらきら全体に散りばめるのに対し、例えばこの曲では、雨→晴れ→虹、というひとつのストーリーの流れが存在しています。

 『雨の中でLadyBugを見ていた』という出だし。「天道虫」って名前からしてもあんまり雨のイメージがなく、なかなか新鮮ですし、雨空(灰色、青)とてんとう虫(赤、黒)の色合いのコントラストも非常に印象的です。
 この強烈な対比は、やはりその後の「晴れ」を予感させる導き手として「LadyBug」を出しているということでしょう。『何かをずっと忘れようとしていた』、『静かに零れて雨に混じる雫』(=涙)からして、辛い出来事があったのであろう主人公の気持ちが、「雨」という天気に象徴されていて。そんな曇った色合いの世界の中で、小さいけれど鮮やかな体でもって『雨上がりの虹を待って』いる「LadyBug」に勇気付けられ、曲ラストでは雨は上がる(=気持ちが晴れる)のですね。
 空の変化が内面を反映している、というパターン自体は王道も王道、ベタベタではありますが、この曲では「LadyBug」を用いることで、色彩的にとても印象深い内容になっています。
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2005年06月12日

ZARD「星のかがやきよ」

星のかがやきよ/夏を待つセイル(帆)のようにビーグラムレコーズZARD, 坂井泉水, 葉山たけしこのアイテムの詳細を見る


<ライトな共有感覚がどのくらい好まれるか、の「指標」としての役割>

 いつもよりも、少しだけアップテンポめかな(たぶん「名探偵コナン」のオープニングだからでしょう)という印象ですが、あとはもう、いつもと同じZARDです。もっとも、これまで「いつものZARDじゃない」なんてシングルがあった覚えもないですが。
 マンネリ…とは呼べない域ですね。これは。『君だけは変わらないでいてほしい』って、そっくりその言葉をお返ししてあげたいです。
 でも、「いつものZARDだ」で終わらせないために、ちゃんと目や耳を引かせる工夫もしているんです。『同じ臭(ひかり)を感じてた』なんていうツッコミどころとしての無茶な当て読み、『低空飛行をやめ エンジン全開で』などのカタめの言葉をぐぐっとメロディに詰め込む手法など…特に後者は、今回は特に多いです。「変わらないなあ」という一般イメージを崩さない範囲で、毎回、その曲その曲を印象付けやすくするテクニックを駆使しています。


 ZARDは変わりません。揺るぎません。
 多くのバンドは自らのやりたいことに合わせ方向性を変えたり広げたりしますが、ZARDは変わりません。
 ジャニーズやハロプロなどアイドルポップス業界は、受け手のニーズの変化を考え、時流に沿った曲やキャラを作り出していきますが、ZARDは変わりません。

 なので、ZARDの曲がどの程度ヒットするか、というのは、受け手側の変化を見るのにはちょうどよい「指標」になります。
 この「星のかがやきよ」は初登場2位。実に6年ぶりのトップ3入りだそうです。コナンタイアップによるところもあるのでしょうが、この結果は、一時期よりも受け手側が「ZARD的なもの」を受け入れやすい環境になっていることを示しているのではないでしょうか。

 では「ZARD的なもの」とはなんでしょう。
 タイトル=サビ、というわかりやすいキャッチーさ。清涼感ある声。アクの少なさ、聴きやすさ。
 そして、「ライトな」共感性。Dreams Come Trueやaikoが生々しさを伴う楽曲で深いシンクロを誘うのに対し、「うんうん、そういうのあるよね、わかるわかる」といった程度の、最大公約数的な共感。
 長々と展開される連続ドラマではなく、その合間に流れて一息つかせるCM的なもの。そんな、ディープではないライトな「共感」を誘うのが、ZARDの本分なんだと個人的には解釈しています。

 というわけで、またしても「ポップへの回帰」のお話でした。
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2005年04月12日

柴咲コウ「Glitter」

Glitter
ユニバーサルJ
柴咲コウ, 華原大輔, 田辺恵二

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<オシャレになったけど、やっぱりどこか病んでいる>

 さて、ずっとどこか日本的な雰囲気で、ゆったりしたバッキングの曲が多かった彼女ですが、ここへきて軽快なジャズセッション風味の三拍子です。しかも違和感ないですね。
 今まで「ちょっとどこかミステリアス」さを漂わせることで人気を獲得してきたところがあると思いますが、すっかり「世界の中心で、愛を叫ぶ」でメジャーになったので、今さらミステリアスもない、ということでしょうか。で、路線を、「トップスターのスタイリッシュな音楽活動」な感じに変更した、とか。

 ただ本人の作詞は、やや病んでます。部屋で恋人を待てどもやって来ない、夜はただ過ぎていく…そんな内容なんですが、ひたすら彼が帰ってくるのを待って料理を用意して笑顔になって、何日も待ち続ける、とか、かなりギリギリなシチュエーションです。しょっぱなから『生き急ぐ人達』とか、『くたびれた心 燃やして/残るホコリは純粋』とか、妙にマイナスの言葉を入れてきてもいて、この不健全な方向はきっと狙ってやっているんじゃなく、本人の資質なんでしょうね。
 まあ、そのおかげで「単なる雰囲気だけの音楽」にならずに済んでいて、自分なんかにはなかなか面白いです。曲だけ聴くと明るいパーティーの風景のようなのに、実は独りぼっちを紛らわすために明るくなろうと言い聞かせている、と。

 速い三拍子のスイングで、かなり歌いにくいと思うんですが、いい線いってるんじゃないでしょうか。こういうのは頑張ってリズムをとろうとしていると絶対にわかってしまう野暮ったさが出てくるんですが、けっこう自然に歌えてるんじゃないかなと。たぶん、いろんな方向でバランス感覚がいい人なんでしょうね。
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2004年10月23日

SAYAKA「水色」

水色 (CCCD)
SAYAKA, tasuku
ソニーミュージックエンタテインメント

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 松田聖子の長女って話題性のわりに、どうも最近は地味な活動のような。あんまり母親の名前出したくないんですかね。

 さて、曲は当たり障りのないさわやかめ透明な清純派アイドル路線・・・にしてはなんかちょっと微妙に、でも確かに、どこか暗いです。
 曲はday after tomorrowの北野正人ということで、確かにあそこの叙情系路線に共通するものがあるってのがひとつ。ちょっと変則的に2/4を混ぜてみたり、メロディラインもやや冒険しているのがひとつ。そのわりに/そのせいか、サビがいまいち盛り上がらないのがひとつ。転調してキー上げるのとか、この手のタイプの方ならやりそうなとこなんですが。全体的に、キャッチーさが足りない感じです。

 詞もねえ。救いがないんですよこれ。一途な君への想いが綴られてるんですが、『かかげた夢の跡 絶えずひきずっていても』『遠ざかるあの空に、手が届かない』『どうか叩き壊して』とちょっと鬼束ちひろっぽかったりするし、全体を通して泣きが入っているし、すごく報われなさそうな感じがぷんぷんします。最後には妄想に逃げ込んでいるみたいですし。暗い、暗いよ!いや、個人的にはこういうドロドロと暗いの好きなんですけど、彼女の方向性はこんなさわやかじゃない感じでいいのか。心配になります。これ本人作詞なんですけど、よくOK出たよなあ。

 出来の話をすると、女性素人にありがちな傾向で言葉がだいぶとっ散らかっているんですけど、『晴れすぎた朝』なんてフレーズはおっ、と思いますし(しかしこれも暗い視線だよな・・・)ちゃんと考えている印象があるんで、そんなにけなしたくないです。まだ考えた表現が空回りしている部分がありますが(句読点や「・・・」を過剰に使ったりしてるのとか)、やり方さえ飲み込めれば、もっとよくなるんじゃないかな。

 これで詞が上達して、でもなお暗いままだったら、きっとそれは彼女自身がどこか本質的に歪んでるんでしょう。今のレベルでは、鬼束ちひろが好きだからとか、別に暗くするつもりなかったのに「書いていたらこうなっちゃった」とか、ってな可能性もじゅうぶん考えられるんで、なんとも言えませんが。
 や、今回よりもっと明るいアイドルポップに乗って、よくできた暗い病的な詞を歌ったりするのとか、想像するとかなり狂っていて面白そうですし、期待します。はい。
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2004年10月11日

ソニン「ジグソーパズル」

ジグソーパズル
ソニン, THETA, 高橋諭一, 尾崎豊, 李承稿, 野村義男
ハーモニープロモーション

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 すっかりスレちゃったよなあ頑張ってほしいもんだ、とか、なんか境遇で売っていてあざといよなあ、とか、それぞれいろいろご意見はあると思います。が、この曲、普通に怖いです。アップテンポでシニカルな内容を歌っているわけですが、普通だったらいくら皮肉を利かせても一応「希望」めいたものを入れておくのがお約束なんですけど、この歌にはそれがないのです。それこそ、一ピースも。

 タイトルの「ジグソーパズル」を人生に重ねているわけですが、「ピースをはめ込んで完成させていく」のではなく、誰もが『どこかで失くしたピースを外したまま生きる』と、欠けていく方向で描いているって時点でまず暗い。で、例えば今のミスチルならば、そこからきっと「欠けたものは戻ってこないけどきっと代わりになるものがあるはずでそれを探しに行こう」という感じにまとめるんでしょうけれど(っていうかそんな曲が実際にあったような気がする)、そういう要素もまったくないです。
 さらに、『愛にすがって、夢にすがって、/繰り返し希望見出して』とあって、これで「思い通りにならないことが多いけど、それでも生きていくしかないんだ」というこの手のお定まりの結論に着地するかと思いきや直後に『失望を手に入れるんだ』ですしね。浮上する可能性を示唆することすらされてません。まさに泥沼。
 つんくも、悲惨な境遇に乗じてはいましたけど、でももっと茶化すような方向でやってきてたんですよね。それはそれで道化みたいで悲劇的だったんですけど、ひとり立ちし始めたら今度は笑いもない世界になっちゃって、さて彼女はどこへ行くんでしょうか。心配です。不安というより心配。

 ところでソニンは、巻き舌とかこぶしを、ちょっと勘違いしている気がします。それはむしろ独特の味になっている気がしなくもないんですけどね。早口でまくしたてるところとか、ちょっとだけ日本語から浮いた感じなのとかも、言葉を聴き取りやすくしてくれてますし。
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2004年09月29日

Sowelu「I Will」

I Will... (CCCD)
Sowelu, Shoko Fujibayashi, 千家和也, Toshinobu Kubota
DefSTAR RECORDS

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 気だるいR&Bかと思ったら、途中でビートの密度が上がり、サビはかなりアップテンポで疾走感ある曲調にガラリと変わります。個人的にはメロ部分の、落ち着いた雰囲気と割と特殊なコード進行の響きがいいなあと思って聴いていたんで、サビでポップになりすぎるのはちょっとなあ、と思ってしまうんですけど、盛り上がっていくのが好きな方にはいい構成だと感じられるでしょう。それに、アニメ「鋼の錬金術師」エンディングテーマというタイアップがあることを考えると、こうしたドラマティックな構成をとるのはよい判断だと言えると思います。

 詞は「失恋したけど立ち直らなきゃ」というまさに気だるいメロ→盛り上がるサビという構成を反映させた内容になってます。
 たとえばサビ始まり後の導入部の『そう、同じ気持ち感じてた/消去したメモリー 見つめてた』なんていうのは、描写も秀逸ですし、はじめの二行で「失恋」をきっちり暗示させるなど、実にうまい書き方をしてます。藤林聖子というプロの作詞家の仕事のようで、こういう点をさらりとさりげなく書けるのは、やっぱりその道のプロだなあと。

 最近は「自ら詞を書ける」ことがアーティストとしてのステータスのひとつのようになっていて、どんどん歌い手本人に自作させる向きがあるようですが、上の二行なんかはやっぱり素人ではちょっと書けないと思います。それはあくまでも「巧さ」であって、多少つたなくても本人作詞のほうが実感がこもっているとか独特のセンスがあるとか、そういう良さのほうが好まれがちですけど、テクニックある詞もいいもんですよ。
 作詞家の書いた詞は決して感情任せではなく、一見はそう思えなくてもきちんと聴き手を考えて練り上げてあるので、その辺歌詞カードとか見て探ってみるのも、けっこう面白いですよ。
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2004年09月09日

島谷ひとみ「ANGELUS」

ANGELUS/Z!Z!Z!Zip!Zap!Zipangu!(CCCD)
島谷ひとみ, BOUNCEBACK, 前嶋康明, 上田起士, コモリタミノル
エイベックス・ディストリビューション

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 熱くて激しい曲です。こういう情熱的な曲とゆったり穏やかな曲を交互に出して幅を出しているわけですが、どっちにしろなんとなく最先端のポップスではない感が漂ってくるのはどうしてなのでしょうか。歌はうまいと思いますし、ダサい、ってわけでもないんですけど。演歌出身だからなのか。うーん。

 さて、ラテンっぽさ全開で情熱的な今作ですけど、単に個人の、一対一の愛が燃え上がっているのももちろんあるんですけど、それにとどまらない。『あなたが変わり 世界が変わる』とあるように、壮大に広がっていきます。『空にはヒカリ 大地に水を/その心に 強さを』、こういうスケールの大きさを自分のものにして扱えるのは、やっぱりすごいことなのかなと。
 そうか、なんとなく現在ではない郷愁があったり、壮大なものを歌っていられるというのは、彼女の歌に母性的なものがあるからなのかもしれないですね。うん。
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2004年09月06日

柴咲コウ「かたち あるもの」

かたち あるもの
柴咲コウ, 山本成美, 華原大輔, 市川淳, 松井五郎, CHOKKAKU
ユニバーサルJ

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 女優と歌手の二つの顔、といいつつ片方ではまったく芽が出ないというのはよくあるパターンですが、女優上がりの方の場合、「出演していないドラマ・映画の主題歌を歌う」というのは、歌手としてもきちんと認められた証になるのではないかと。
 そこへ行くと柴咲コウは、もうなんか日本中を巻き込むヒットになった「世界の中心で、愛を叫ぶ」の映画版ではキャスト、ドラマ版ではこの主題歌と、まさに両方に両面で大活躍ですね。両業成立の契機になった「月のしずく」は、出演映画の役名でのリリースというあからさまな抱き合わせだったわけで、非常にわかりやすく伸びているなあと。

 前回も書きましたが、「本格派っぽいけど肩が凝らない」という点が親しまれるポイントになっていると思います。不思議系入ってるけど、それをあからさまには売りにしないとこもあると思いますが。とにかく、ストリングスがガリガリきいてるこの曲とかをMISIAあたりが歌ったら、っていうかメロディラインとかすごくMISIA的な曲なんですけど、いい出来にはなるでしょうが、たぶん一曲通すと疲れちゃうと思うんですね。でも柴咲だと、盛り上がるけどすっと聴けると。これは案外強みになってるはずです。

 アクがないのはつまり淡白だということでもあるんですが、その点は女優としての知名度やイメージでもカバーできるし、また「ちょっとミステリアス」さも漂わせることで味がつきます。今回本人作詞ですが、はじめに『鈍色の月』なんて単語を持ってくるあたり、自分に求められるものをわかっているなあと。
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2004年09月02日

ZONE「glory colors〜風のトビラ〜」

glory colors~風のトビラ~(CCCD)
ZONE, 渡辺なつみ, 渡辺未来, 山原一浩, 町田紀彦
ソニーミュージックエンタテインメント

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 これまでのシングル曲はほとんど町田紀彦という人が手がけているんですが、今回は別の方。でも、わりと大人っぽい声で、切ない曲を歌わせるっていう方向性は変わっていません。あんまりにも変わらなさすぎて、とりたてて書くことがなく困ってしまうくらい。
 強いて言えば、やっぱり女性の作詞らしいひたむきな感性があるかなと。こういう、歌い手が少女の歌を男性が書くと、どうしても外側から見る視線になってしまい、さらに外側からの視点を意識した、媚のような要素が入ってくるものなので。その点、今回は等身大で、内側から見つめる視線で書かれている感があります。女性ウケがいいんじゃないですかね、今回は。

 たまーに音程がズレて聴こえるのが気になります。上手い下手というよりは、そういうとこ目立ちやすい声なんでしょうね。
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2004年08月22日

SHAKALABBITS「GO」

GO☆SKIP IT(CCCD)
SHAKALABBITS, UKI, Hajime Okano
アンリミテッドグループ

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 えーっと、シングル初登場7位とかなり売れてきているわけですが、この人たちはまだインディーズ扱いなんでしょうか。なんかよくわかんないんですよね、もうメジャーとインディーズの垣根って。
 個人的には、二年前に175R(当時インディーズ)と居酒屋で出会って意気投合したとかなんとかで、「STAND BY YOU!!」って曲を共同で作って歌ってたのを聴いたのが初めでしょうか。あの曲好きだったんですよね。その後の175Rのライトなノリを見ていると、あの曲の太いギターとかのヘビーな部分はこっちのものだったんだなあと思ったり。

 疾走し重厚感ある音とパワーある女声ボーカルということで、90年代学�やっていた者としてはやはりどうしてもJUDY AND MARYを思い出してしまいます。歌詞とか読んでも、間違いなく少なからぬ影響は受けていると思うんですけどね。まあ、さらに元をたどればレベッカになるんでしょうけど。

 『どんな色も カラフルになって』とありますが、色彩感はジュディマリには勝ててないかな。その分、シャカラビはストレートさ、一本芯の突き抜けたところがあるかと。初期ジュディマリの標榜していた「ロリータパンク」なる方向性もあんまり感じられませんし。や、もちろんハードなノリに甘い声っていうこのアンバランス感は基調にありますけど、決して誘惑、扇情的ではなく、倒錯したフェチズムっぽい臭いはないです。まっすぐ歌っている。これはきっと時代性もあるんだろうなあ。

 また、シャカラビ独村の要素として、スカを取り入れているってのがあります。プロフが笑えるオフィシャルによると、バンド名には「SKA Love it」という意味も含まれているようですから、けっこうバンドの基本にある形式なんでしょう。このズチャズチャって前のめりに進んでいくリズムは、やっぱり、直球勝負!ってな方向性を補強してますね。

 この曲、実はライバルに片思いの人を取られちゃう歌なんですね。全力で落としにかかって、でも負けてしまって、全力でショック受けて。それでも止まらない勢いがあって、非常にパワフルで圧倒されます。
posted by はじ at 13:51| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(さ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年07月18日

酒井法子「天下無敵の愛」

天下無敵の愛 (CCCD)酒井法子, 斉藤由貴, 崎谷健次郎ビクターエンタテインメントこのアイテムの詳細を見る


 タイトルがこれで、内容はもう誰もやらないようなバリバリのアイドルポップスで、おいおい年を考えてくださいなと思ったら、これ、母から子への親子愛の歌なわけですね。なるほど、どうりで『なのに なのに 今日も私 笑顔ちょっとひきつりぎみ』とか『たとえ おんなじイタズラ 100回されても』なのか。これ恋人同士とかだったら、大塚愛でもさすがにやんないよ、ってくらい幼さのある言い回しだなあって感じですが、そりゃ子供に話しかけるんだったらそうだし、元気で若いママさんのための歌なら全然問題ないですね。アイドル全開な曲のノリが、こういうふうに使えるとは、と目から鱗が落ちた思い。
 作詞はやはり元アイドルの斉藤由貴。こちらは人気あった当時から自分で詞も書いていたりして、結構クリエイティブな方なんですね。
posted by はじ at 18:44| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(さ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年07月14日

Salyu「VALON-1」

VALON-1
Salyu, Takeshi Kobayashi
トイズファクトリー

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 何者だろうと思ったら、二年ほど前に岩井俊二の作品「リリイ・シュシュのすべて」という映画で、リリイ・シュシュとして劇中の歌をすべて歌っていた、なんて実績のある方らしく。なんかタランティーノも「キル・ビル」で使ってるらしいですよ彼女の曲。こちらソース
 どうして今になって出てきたのかってのがちょっとよくわからんですが。この曲は、四月にRIP SLYMEのILUMARIとコラボして出した「VALON」の一人バージョンということで、Salyuとして出すのは初めてだからデビュー曲になるということで、これもなんだか回りくどいし、どういう意図があるのか。売り出し直し、なのかなあ。

 歌うまいし声量あるし独特の響きもあります。問題はこの歌い上げ系女性ボーカル業界が飽和ぎみで目立ちにくそう、ということだけなんですが、小林武史がいい仕事しているのか、わりと曲自体に独特の味もあり、埋もれにくくはあるかなと。初期のMY LITTLE LOVERやYEN TOWN BAND(そういやこれも岩井俊二か)を思わせる、透明さドリーミーさ涼やかさが出てまして。これは歌詞のおかげもあって、空想的で、ことばの選びかたが実に初期マイラバっぽい。『壊れた街と それを見てる とりのこされた瞳』とかね。イメージビデオの世界に浸っているような、静けさや調和の心地よさがあります。個人的にこういうの好きなんで、小林武史はそろそろミスチルから離れてこういう音楽を作るほうに精力を注いでくれたらなあ、と勝手な願望を抱いたり。ミスチルがだめってわけじゃないですが、新しいプロデューサーと代わってみてもいいかと思うし。
 α波がそうとう出ている感じなので、安らぎたい方にお勧めです。
posted by はじ at 01:53| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(さ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年07月13日

ZARD「かけがえのないもの」

かけがえのないもの
ZARD, 坂井泉水, 小林哲, night clubbers, 池田大介
ビーグラム

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 しっかし変わんないですね。ちょっとしたホラーですよ。だって、いくつよこの人。いろいろ謎に包まれているけど、30超えてるのは確実で、下手したら40に手が届くくらいなわけで。なのに10年以上声も曲調も何も変わってないって、どうなんだろう。声が変わらないのは喜ばしいことですけど、アレンジはもうちょっと変化をつけてもいいだろうに、と思うんですが。だってサビとかのバッキングのシンセサイザーっぽい音とか、90年代にタイムスリップしたような気持ちになりますし。やっぱり当時の印象が強いもので。
 詞も変わらないですよね。作り方とか口調とか。毎回ちょっとした細かいシチュエーションの違いを最低限つけていたり、書き方や読み方や言葉そのものにけっこう遊び心を加えていたりする工夫も健在。そういう新しさ志向ってのはあくまでもアクセントで、スタイルの変化まではいかない感じなので、やっぱり総じて見たときには「いつものZARD」になります。まあきっと、もうずっとこのスタイルでいくんでしょう、それは中途半端に斬新さを狙うよりは賢明な判断かもしれません。
 でも、やっぱり10年前から変わらない音楽を貫いている人が『勝ち組』なんて最近の言葉を使うと、ものすごく違和感があるのですよ。しかもかなり無理やり使っているっぽいし。うーん。

 ここへきてまた活動が活発になってきたのは、どういう背景があるんでしょうか。おそらくは、真剣で重いメッセージの期間を脱しポップなサウンドへと再び回帰していこうとする時代の要請なのではないか、などと、自説に結び付けようとしてみたり。
posted by はじ at 02:23| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(さ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年06月23日

ZONE「太陽のKiss」

太陽のKiss (CCCD)
ZONE, 町田紀彦, 山原一浩, 吉岡たく
ソニーミュージックエンタテインメント

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 毎年この時期になると、夏を先取りしたような清涼飲料水あたりのCMでいっせいに流れ始める、そんな感じの曲。え?CMはCMでも、化粧品なの?失礼しました。まあ、とにかく「どっかで聴いたような」印象で、それを「王道」とみる人も「定番」とみる人も「独創性がない」とみる人もいるでしょう。
 夏のことを歌っているのに、ちょっと早い時期にリリースするのは、まあこの国ではクリスマスキャンペーンが一ヶ月前から始まったりするんで違和感はないわけですが、歌の内容があくまでも「イメージとしての夏」だということも、大きなポイントになってます。
 暑い陽差しの中海へ行って愛しいあなたと、っていう詞世界は、言ってみれば「期待」や「願望」なわけです。古今東西、夏といえば!と問いかけたら一番に返ってきてもおかしくない、ステレオタイプな「すばらしい夏」のイメージ。これが、まだ夏じゃない、だけどそろそろ近づいてきて、というこの時期、夏が待ち遠しくて気もそぞろな人たちの、「今年の夏は・・・!」っていう空想を、強く刺激するわけです。
 実際に夏が来てみたら、海に行く暇なんてないかもしれないし、行ったら行ったで砂浜は人でごった返している可能性は高いし、歌の中ではさわやかな太陽の光にも恨み言を連ねたくなるかもしれないし、肝心の『あなた』と呼びかけられる相手がいなかったりするかもしれません。でもまだ始まっていない段階では、いっくらでも期待を膨らませることができるわけで。
 自分なんか暑がりなので、実際にやってくる夏は四季の中で一番憂鬱な季節なんですが、イメージとしての「夏」ならば、断然に魅力的な季節でもあったりして。そうして「夏」を想像してわくわくする人っていっぱいいると思うので、この「太陽のKiss」みたいな世界は、まだ夏が来ていない今のうちに出しておくのがいいわけです。
posted by はじ at 20:38| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(さ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年06月18日

島谷ひとみ「Jewel of Kiss」

 相変わらず、聴けばこの人だとわかる旋律と声です。一歩間違えれば野暮ったく聴こえる、今のポップスの流れからはワンテンポは古い感じなんですけど、どうしてそう感じるのか?あるいは、感じさせようとしているのか?それでヒットチャートに安定させることができたのか?と考えてみたんですけど。

 この人の声は、「母性的な響き」なんじゃないでしょうか。だからなんだか古めかしく感じるのは懐かしさ、暖かさも同時にもたらしているんじゃないかと。だから割と幅広い年齢層の支持も得られたと。
 なので、聴いている分には、よほど反抗期な人でなければ、心地よく感じられるんだと思います。ただ歌詞まで考えていくと、今回なんかタイトルの示すとおり恋愛の歌で、そうなると途端に「母性的」だと感じていると、とてもむずがゆくなってきてしまいます。あれこれ考えすぎ?
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2004年05月30日

鈴木亜美「強いキズナ」

 覚えてますでしょうか鈴木あみですよ。彼女の現在までの経緯は割愛。いろいろもめていた末の新規スタート、って感じ、なのかな。ちょっと自分もよく把握してないので自信ないですけど。少なくとも本人が書いた詞は、そういう決意の表明みたいに受け取れます。
 なんだかメロディラインがありがちのようで独特に感じますね。あんまり好きな雰囲気じゃないですが、詞や伴奏に頼らずとも、旋律だけでも力強さを漂わせているというか。

 詞、自分の境遇や決意を込めているっぽいわりには、媚びがなく、さっぱりしていて好感持てますね。後押ししてくれるファンを振り向いて感謝するのではなく、声援を受け取って振り向かずに歩き出したという感じ。そうそう、そういう姿勢のほうがずっといいね。
posted by はじ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(さ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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