2008年07月23日

山下達郎「ずっと一緒さ」

ずっと一緒さ
ずっと一緒さ
posted with amazlet at 08.07.23
山下達郎
Warner Music Japan =music= (2008-03-12)
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<短い中に過不足なく詰まった言葉>

 4分音符での刻みが繰り返される、オーソドックスなピアノバラード。派手な印象こそ与えないものの、力強さを感じる楽曲です。

 言葉は、難しい言い回しや珍しい技法などは使われていません。
 特にサビは、『昼も夜も 夢の中まで/ずっと ずっと 一緒さ』と非常に平易で、かつまっすぐな愛のメッセージです。サビ入りの『あなたと』などは、サウンドが一瞬ブレイクするのも合わさって、非常に印象的。

 そして、全体を通して、一音ずつ噛みしめるように歌っています。よく、英語は一音に言葉を詰め込むことができるので、日本語よりも耳馴染みがよい…という話を聞きます。が、この歌はまったく逆を行っている、と言えるんじゃないかなと。
 メロディラインに音を詰め込んで印象的に響かせるのではなく、一音ずつに力を込めて発することで、その言葉を聴き手へと染みこませるように届けている感じ。まあ、この人の歌声だからこそ、ということもあるかと思いますが。

 そんな歌い方だと、必然的にフレーズごとの文字数は少なくなります。だけど、ここもベテランのテクニックを感じるところ。語数が少なくても、語りたい表現を巧みにまとめ、不要な部分をそぎ落とし、かつ平易にわかりやすく語っているなあと。

 たとえば、Aメロ。ずっと「〜して」という語りかけで繋いでいく中の『こびりつく/涙を融かして/冬はもうすぐ終わるよ』。これだけで、傷ついた過去にとらわれないでほしいという思いを、冬から春への移り変わりの情感を合わせて語ってしまっているわけです。
 『つないだ手の温かさが/全てを知っている』
 こちらも、あれこれ説明せず「全て」と言い切ってしまっていることで、短い中に力強さを出し、サビのまっすぐな愛の語りかけに繋がっているわけで。こうしたさりげない巧さは、やはりベテランならではといったところでしょうか。 さて、こちらはドラマ「薔薇のない花屋」の主題歌でした。2008年第1期は、米米CLUBや、またちょうど奥さんの竹内まりやが主題歌を手がけていたりしました。近年、ドラマ主題歌にベテランを起用されるケースが一定数あるようですが、これって、ドラマの想定視聴者層にも拠ってくる気がします。

 いわゆるトレンディドラマって、若い女性を主役にして視聴者層もそこに絞っているような流れがありましたが、最近は、30代40代女性をターゲットにしていると思われるドラマも多いように感じています。
 そういったドラマの内容では、またそれを観ている視聴者層にとっては、近頃のニューカマーの新曲よりも、馴染みのあるベテラン勢の楽曲のほうが心地よく響くのかな?なんて思うのですよね。


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