2008年07月02日

ジェロ「海雪」

海雪
海雪
posted with amazlet at 08.07.01
ジェロ 宇崎竜童
ビクターエンタテインメント (2008-02-20)
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<プロフィールだけではない「印象付け」>

 HIPHOPど真ん中、といったいでたちの黒人が、なんと演歌歌手デビュー!?と、世間の話題をかっさらった新人のデビュー曲です。

 作詞に秋元康。そしてビートはHIPHOP。しかし、曲全体としては確かに「泣き」の要素が詰まった演歌です。メロディラインやギター、そしてリズムが入るあたりはどちらかというと歌謡曲に近いような気もしますが、でも、歌いまわしにきちんと演歌らしい「こぶし」が入っているので、個人的にははっきり演歌認定です。

 その他にも、細かく考えられて作られているなあという点がちらほら。
 イントロからの歌い出し『凍える空から』の「こご えるぅ〜」というあえて音を切った流れとか、伸ばしの多いBメロから急に『あなた 追って 出雲崎』と言葉が短く速くなったりと、メロディラインは聴き手の耳を適度に刺激し印象付けるように
 緩急がついています。
 また歌詞は、一人称「私」の女性視点で、『ねえ いっそ この私/殺してください』とやはりショッキングなフレーズが差し挟まれているもの。ここにも、より「話題性」を強めようとする作り手側(作詞・秋元康、作曲・宇崎竜童)の意図を感じます。

 秋元康が関わっているから、てっきりそうした話題性優先のプロジェクトなのかと思っていましたが、もともと本人が演歌歌手志望で自らデビューするためにあちこちで活動を行っていたそうで。
 演歌という日本独自文化の閉ざされた業界にひとり乗り込んでいるのに、巷ではかなり好感度が高いようなのは、そうした経歴や、本人は流暢に日本語をしゃべり、誠実な性格をしているのもきっと影響しているのでしょう。 外国出身の歌い手は、歌はともかく本人はカタコトというパターンが歌謡曲時代から最近の韓流歌手まであって。で、それって、一生懸命さを感じさせ応援したくなる、という心理に繋がっていたんだろうなと。
 そこに、思いきり違和感のあるスタイルで登場しながらも、カタコトではなく流暢に日本語を話す黒人演歌歌手の登場。これは、「本格派」「しっかりした人」を応援したい、といった時代の要請なのかなあ、とも思います。


posted by はじ at 00:08| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー男性(さ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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