転がる岩、君に朝が降る
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ASIAN KUNG-FU GENERATION
キューンレコード (2008-02-06)
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<なすすべなく転がっていくその姿に悲壮感はない>
かっちりしたリズムとその上を疾走するメロディライン、「アジカンらしさ」をきっちりとなぞったかのような一曲です。
「アフターダーク」から続く…のかどうかはわかりませんが、前作が「夜明け」で今回が「朝」。音の作りも明るくなってきている気もしますし、今までどおりの中にもなにか吹っ切れて新しい息吹を感じさせるものがあるのかなあと。
歌詞に関しては、むしろ『何を間違った?/それさえもわからないんだ』『初めから持ってないのに胸が痛んだ』など、悲観的な言葉も目立ちます。「朝」にしたって、『君の孤独も全て暴き出す朝だ』という言い方になっていますし。
ただ、これは悲観的退廃的なメッセージを発しようとしているわけではないようです。原因もわからない喪失感にさらされながらも、『凍てつく地面を転がるように走り出した』とあるように、なすすべもなく進んでいく。否応なしに前進せざるをえない状態になっていながらも、悲壮感はありません。むしろ爽やかなくらい、鮮烈な印象を与えてきます。
ところでタイトルの「転がる岩」ですが、これはいわゆる「like a rolling stone」からなのでしょう。たいていは「石」と訳されがちなところ、「岩」としたのはあえてなのでしょうか。