2008年05月16日

GReeeeN「BE FREE/涙空」

BE FREE/涙空
BE FREE/涙空
posted with amazlet at 08.05.16
GReeeeN
NAYUTAWAVE RECORDS (2008-01-16)
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<別れから強く歩き出す際の涙/辛さを洗い流すための積極的な涙>

 「愛唄」のスマッシュヒットから支持基盤をしっかりと固めた感のあるGReeeeN。今回は両A面で、どちらも大きく「涙」がフィーチャーされています。

 「BE FREE」は映画「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」主題歌などトリプルタイアップという快挙。その理由は、おそらくはキャッチーな楽曲の響きが大きいのではないかと。印象的なループトラックが強く鳴るなかに、オリエンタルな色合いのメロディライン。とても覚えやすいサウンドを展開しています。
 そして、『春夏過ぎて秋冬が来て 時は戻らない刹那の中』というフレーズ。時間は戻らない、そんな感傷を漂わせることで、オリエンタルな響きに切なさを醸し出しています。その手前の春夏秋冬の部分、はっきり言ってなくても意味は通じるんですけど、これ、NEWSに提供した「weeeek」のときと同じですね。つまり、春→夏→秋→冬と並べていくことで聴き手の意識に流れを植えつけ、知らず知らず歌に引き込んでいく効果があります。

 そんなふうに感傷に浸らせる一方、『もしも世界が嘘だらけでも僕ら2人ならばいける』という強いメッセージがあったり、夢や愛しさに涙を流したり、いろいろと詰め込まれています。「人」ほどのことはないですが、やっぱりごちゃ混ぜ気味かなーという感じ。どれもいいこと言ってるんですけど、触れ幅が大きいのでついていくのが大変です。

 こちらの「涙」は、出会い別れの時に置いていくもの。対して、もう一曲の「涙空」での「涙」は、ひとつ成長するために必要なもの、という位置づけです。こぼしたごとに強くなれる、という点では一緒ですね。 『言葉に出来なくても ありのままに 声枯れるまで』泣いてみよう、という語りかけが、曲の中心になっています。
 泣くことは精神衛生上いい、すっきりできるから泣きたいときはしっかり泣こう…というような言説は、やっぱり現代的な考え方だよなーと。
 「涙」というのは弱さの象徴で、ぐっと我慢するか、どうしようもなく流して「しまう」ものだったのは昔の話。自分の中にある弱さを否定せず、むしろ『「泣けない心」捨て』と涙をこらえるほうがよくない、と暗に主張しているわけです。

 心のケアとして「涙」をためらわず流す、というのは社会的にはすっかり浸透してきているようです。感動映画やドラマも流行しましたし。
 こうしたタイプの楽曲だと、2004年のケツメイシ「涙」を想起します。内容や主張としても、あと曲調もだいぶ近いものがありますが、ケツメイシ「涙」がただ溢れこぼれる涙を静かに受け入れる姿勢をとっているのに対し、「涙空」は『そしたらリセット 明日への架け橋 駆け出し』と、涙の後のポジティブなアクションまで見込んでいる、という点が異なっているかなあと。「泣いてもいい」から「泣いたほうがいい」へと、涙についてより積極的な姿勢を感じます。


posted by はじ at 02:41| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー男性(か行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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