2008年03月06日

Salyu「iris〜しあわせの箱〜」

iris~しあわせの箱~
iris~しあわせの箱~
posted with amazlet on 08.03.05
Salyu JONI MITCHELL 渡辺善太郎
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<同じものを共有しながら、別々の道を行く>

 前作より小林武史の手を離れ、渡辺善太郎プロデュースに移行しているSalyu。「LIBERTY」は抑制から解放されたかような迸るエネルギーに溢れた一曲でしたが、今回はしっとりとしたミディアムナンバーです。

 描かれているのは、別れの情景。『車窓』『鉄路』などのフレーズから察するに、鉄道でどこかを離れどこかへと向かう「私」は、「あなた」と『また会えることを信じて 約束もせずに手を振った』…どことなく寂しさは漂ってはいるものの、再開を信じていますし、決して何か不幸なことがあって二人が別れるというわけではないようです。別の道を目指すために、あえて道を分かつという印象が。
 なので、哀しい歌というよりは、離れて相手を思うことで二人の絆を再確認する…というような、清々しさを感じます。

 さて、この曲の気になるポイントは、以下の部分。
 『それぞれの想いで 同じ唄を愛した』
 『違う景色の中にも 同じ色が輝いてる ことを知ったの』
 ふたつのフレーズは、とても近い内容に触れています。すなわち、<別々でも繋がっている>というようなことです。それぞれ独立しながらも、共有するものを持てるんだ、という確信が、ここからは感じられます。
 そしてそれは、離ればなれになる二人というシチュエーションにも共鳴してきます。別々になっても、どこかで繋がっているから、心配しなくてもいい。そうした感情が、『背中合わせの間に ある 温もりをきっと感じていける』なんてフレーズに込められているわけです。背中合わせになっているということは、まったく逆の方向を向いていることになります。でも、背後はくっついていて、そこに温もりを感じられる。異なる道を行こうとも、確かに繋がっていることを信じている、ということなのですね。

 『あなたが置いた約束』を『私の箱にしまっていく』という表現で語るところも、上記の<別々でも繋がっている>という確信にかかっているように感じます。自分とまったく同じではない異質な「あなた」に属するものを受け入れ、内側に取り込むためには、「箱に入れてしまっておく」というやり方がちょうどはまっているなあと。


posted by はじ at 03:12| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(さ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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