2008年02月26日

ケツメイシ「聖なる夜に/冬物語」

聖なる夜に/冬物語
聖なる夜に/冬物語
posted with amazlet on 08.02.25
ケツメイシ NAOKI-T YANAGIMAN
トイズファクトリー (2007/11/21)
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<隙のないクリスマス感/叙情性より感情を主体に>

 両A面で送るケツメイシ初の「冬」ソング。片方はゆったりしたテンポに幸せなクリスマスの一幕を描き、もう一方は4つ打ちで迫るリズムの中で失った恋を嘆き続ける切ない感情を投げかけてきます。

 「聖なる夜に」が描くのは、初々しさも感じられる恋人たちのクリスマス。二人で『迎える 初めての冬であっても/大した事など 出来ない』と、平凡ではあるものの、確かな幸せを感じていたい…という内容です。ハッピーさに溢れているのですが、恋人の二人が揃っているのではなく、描かれているのは実は「僕」が「君」に会いに行くまでだったりします。
 1年でも、大きなイベントの日であるクリスマス。その日に二人で過ごせることに浮き立つ気持ちをひたすら語っているんですね。
 『朝から何も手につかず』な状態で、『弾む足取り こらえて笑う』し『もうすぐで 君と手を繋ぎ笑う』という想像に浸る…これが、聴いているほうも何だか嬉しくなってしまうような心地にさせられます。。

 一方では『大事な夜 派手に飾りたい』と期待を膨らませながら、でも『平凡だけど』『僕の言葉で メリークリスマス』なんて、特別じゃなくても自分らしく、みたいなフォローもしっかり。サンタやイルミネーションやジングルベル、聖歌、そして雪まで、とにかくクリスマスらしい単語も大量投入してあって、実に隙のない作りになっているなあと。 一転して、「冬物語」は切なさが吹雪のように吹き荒れる一曲。『いや 未だ消せない 無くせない/君の手のぬくもリ 今も忘れない』と、失った恋をなお想い続ける心情が、ひたすらに歌われています。

 4つ打ちのリズム、サビを盛り上げるストリングス、重なる各パート…と、曲の構成は、彼らの代表曲となった「さくら」とかなりかぶります。歌詞の内容も、別れた相手のことを季節が来るたびに思い返す…と共通していますね。
 ちなみに、「さくら」は「舞い散る」でしたが今回は『白い粉雪舞い降る』と歌っています。どちらも、ただ「散る」「降る」と言うよりも情感を感じさせる雰囲気を醸し出しています。
 叙情的かつ中毒性のあるこうした曲構成は、もはや「ケツメイシメソッド」とでも名付けたらいいんじゃないでしょうか。

 ま、ただ冬バージョンを作ってみた!みたいな、単なる焼き直しってわけではないので、そのあたりをフォローしておきましょう。

 まず、テンポが速い。そして、重低音がかなり重く響きます。
 そんなのちょっと差を付けてみた程度だろ、と思うかもしれませんが、個人的には、ちゃんとこうするべき意味がこもっているように思えるのですね。
 そして今回の「冬物語」は、とても感情が色濃く出てきています。『そこにいるはず無い 君の姿/さがす僕は 今 過去に逃げる 雪の中に 君を重ねる』と、はっきり過去へ戻りたい、「君」のいた頃をやり直したいという感情を見せています。
 ここまでの激しさは、「さくら」にはないものでした。

 「さくら」は、どちらかというと花びらが舞う風景がメインで、その鮮やかさを「君」との記憶が引き立てている、という感じ。その点、「冬物語」は、間違いなく「君」を忘れられない狂おしい感情がメインになり、それを粉雪が舞う風景が引き立てているというか。
 迫ってくるような早いテンポとズンズン響く低音は、そうした感情を表したいからこそのものなのではないかなと、そう考えるのです。


posted by はじ at 21:54| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー男性(か行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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