毎回そのときの気分で一曲選んで紹介するこのコーナーのバックナンバーから、新しいレビュー更新が滞ったとき、ちょこっとずつ抜き出して紹介していきます。メルマガを読んでいない人にはちょっとした暇つぶしに、読んだことのある人にも何か新たな発見があれば幸いです。
≪現代ポップス雑考。≫ Vol.034 2006/02/05
#坂本真綾「マメシバ」
『私なら愛しさだけでどんな場所へでも 迷わないで走ってゆける』
マイ「犬」が出てくる曲・その2です。出てくるというか、この曲は主人公自身が「犬」=「マメシバ」として示されているんですね。で、「君」のもとへ駆けていく…という。恋する女の子を「マメシバ」になぞらえたように解釈するのがオーソドックスですが、例えでもなんでもなく犬そのものとしてもあんまり違和感ないです。
犬って「従順」というイメージがあり、主人とペット、という構図になりやすいんですよね。一方的、あるいはちょっと倒錯した関係みたいな、ネガティブな意味を含んでしまいがちです。
でもこの曲のマメシバ君はそうではなく、すごく爽やかです。「君」のもとへ一身に向かっていく姿はとても献身的ですし、『だから大きな声で何度も私の名前を呼んで』と求めるのも、少しのマイナス感情が入る隙間もなく、純真さを感じさせてきます。
むしろ、「あなたを助けられるのは私だけ」という一途な気持ちがあって、それは「女の子」のままで歌われると、ちょっと重くなっちゃうと思うんですよね。むしろ「犬」になぞらえられているぶん、清々しく聴こえてくるというのもあるんじゃないのかなと。
坂本真綾 岩里祐穂 菅野よう子
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メルマガで、戌年にちなんで「犬」が出てくる楽曲を募集したときのもの。
最近、ペットショップの前を横切る機会が多いのですが、通りから子犬がじゃれあっている姿が見えるんです。自分はどちらかと言うと猫派だったんですけど、犬もやっぱりいいなーって思うようになりました。ええ。