LAST ANGEL feat.東方神起
posted with amazlet on 08.02.13
倖田來未 東方神起 Negin Lira Gustafsson Kumi Koda Tomokazu“T.O.M”Matsuzawa H.U.B.
rhythm zone (2007/11/07)
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<イメージを生かした強い語調のメッセージ>
映画「バイオハザードIII」日本公開版イメージ・ソング。ということで、なのかはわかりませんが、韓国の歌手グループ東方神起が参加しています。
ちょっと前にはK×ET-KING「この歌を・・・・・・・・♪」なんてコラボも出ていて、隆盛がひととおり落ち着いてきた感のある韓流勢をテコ入れしていくムードが合ったのかな?とも思いますが、とりあえず楽曲を見ていきましょう。
デジタルで硬質なダンスチューンは、ズンズンと静かに迫ってくるような圧迫感。その中で、『失った理想 取り戻せるはず』『迷宮入りのStory 解いて見せるから』というような前に進む意志が提示されます。それは、『一緒なら越えて もっと向こうへ』と、パートナーの存在によってより強固なものになっている、という見せ方です。
恋愛的な要素を残しつつも、主となっているのは明確に「進んでいく」姿勢をはっきりとアピールするメッセージです。まあ今作では「立ち向かう」っぽい雰囲気ですが。正直、この流れだと『この愛を』なんて要らないんじゃないかなーとは思うんですが、恋愛要素もあったほうがリスナーを多く獲得できるんでしょうね、やっぱり。そういうテーマのごった煮加減は、良くも悪くもJ-POPの特徴です。
さて、詞世界の展開としては王道の作りなのですけれど、注目したいのはまず使う言葉の強さ。『当たり前の日常 繰り返すこと飽きた』など、全体的に素っ気ない口調で歌詞が綴られています。短めのフレーズが連続するメロディラインが制約になっている部分もあるんでしょうけれど、『ココにはもう要らない 消えて』なんてくると、ドキッとしますね。
これはやっぱり、倖田來未の挑発的・攻撃的なイメージがあるからこその生きてくるものでしょうね。
もうひとつは、英語の多用です。サビなんて『今すぐにCome on tonight/今なら間に合うかもBreak out alright』と、区切りごとに英語フレーズを差し挟んでいます。
この手の書き方って「いかにもJ-POP」という印象を持つ方は多いでしょうけれど、でも90年代に比べると00年代は圧倒的に少なくなった手法だったりします。歌詞は日本語で書くべき、みたいな風潮が広がっていましたし、倖田來未より前に女性ボーカリストとしてカリスマ的地位を獲得した浜崎あゆみも、英語はタイトルのみという書き方をずっと貫いていたりします。
英語はやっぱり日本語に比べると音へのはまり具合がよく、特にこうしたダンスチューンだとそれが顕著になってきます。自分も昔は言語の織り交ぜは嫌いでしたが、今は聴き手の耳に印象づかせるためのテクニックとしてアリだなあと思っています。
流行には波があるものですし、日本語英語織り交ぜ方のスタイルも、そろそろ再び広がっていくのかもしれませんね。
それにしても東方神起の影が薄いです。きっとダンスでは見事なコラボレーションをしているんでしょうけれど…歌詞も掛け合いになっていたりするわけではないですし。先のK×ET-KINGとは違い、「×」ではなく「feat.」なのもむべなるかな、という感じ。