2008年01月12日

K×ET-KING「この歌を・・・・・・・・♪」

この歌を・・・・・・・・(音符記号)
K×ET-KING K NAOKI-T VINCENT FORD
ソニーレコード (2007/10/03)
売り上げランキング: 41512


<意外なコラボの組み合わせが、メッセージの強さに華を添える>

 はじめにこの組み合わせを聞いた時はギョッとしましたが、実際に聴いてみると意外とあんまり違和感がない、不思議なコラボレーションで生まれた楽曲です。

 かたや韓国出身、韓流アーティストが一時期続出した中でも特に声で勝負しようという意気込みがあったシンガーソングライター・K。かたや、ハートウォーミング系ラップの新星、「総合司会」担当がいることからしてもパフォーマンスに力を注いでいるヒップホップユニット・ET-KING。
 あまりにも遠すぎて、なんというか裏側の意図なんかも読みたくなってしまうような組み合わせですが、仕上がった楽曲はきっちりと「コラボ」していますね。

 全体のノリはET-KING寄り。明るいテンポの中で、『人は誰でも うまくいかない時もあるから/悲しまないで その手の中は 未来があふれている』とサビで歌っているように、多くの人に向けて暖かく力強いメッセージを発そうとしています。哀愁を感じさせるバラードを得意とするKらしい要素は、あんまり楽曲には反映されていません。
 なので、ET-KING featuring Kみたいな感じではあります。ただ、featuringだと、楽曲は迎える側ではあるにせよ、わりとゲストのパートが前に出てくるものです。が、今回はメロ部分をK、ラップがET-KING、サビが双方…と公平に分け合っているので、確かに×で表現されるようなコラボ、ではあるのかなと。

 面白いなあと思ったのは、『それでもきっと 明日の朝には 新しい世界 待っているから/泣きやんで』のフレーズ部分。ここまでがひとつの文章なんですけど、最後の「泣きやんで」だけ、KからET-KING側にパートが移り変わっているんですね。メッセージを、双方で歌い継ぐことで双方から送る…というような形になっているわけです。
 ほか、『忘れないでほしい 一つになれた友とこの歌を//走り出したら また別々の道を行くけど』と、コラボそのものに言及し「友」と呼んでいるのも面白いです。このコラボの後はきっともう一緒に歌う機会はないだろう(傍目から見てもなさそうではあります)けれど、それでもこの歌を思い出して!と続くこの部分は、コラボしたこと自体をメッセージに取り入れていて、実に爽快です。
 たとえ一時だけでも同じ場所に立ち、ひとつの曲を作り歌った「友」同士からのメッセージ。こうした背景をきちんと曲中に明示することで、『お前一人じゃねぇぞ』という呼びかけが強さを増して感じられる…そう思いませんか?

 それはそうと、爽やかで明るいサウンドに、けっこうKの声が合うのです。これは新鮮な驚き。バラードもいいですけど、こうしてポップなサウンドでたっぷりと声を響かせていたりすると、やっぱり歌上手いなあ、と感じますし。
 ソロワークの中でこういう曲にチャレンジしていたら、もしかするとファンには期待ハズレ、ファン以外には印象なし…という事態になる危険性も考えられる中、コラボという形で新機軸を打ち出せたことはプラスだったのではないでしょうか。
 ET-KINGも、まさかの相手を自分達色に染めて見せることで、懐の広さを見せることはできましたしね。総じて、これはすごい楽曲が生まれた!というような爆発力はあんまりなかったですけど、お互いにとって利はけっこうあったコラボだったんじゃないかなあと想像します。


posted by はじ at 23:58| Comment(2) | TrackBack(0) | J-POPレビューコラボもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ぜひkのアルバムやライブでの演奏を聴いて欲しいと思いました。
彼は韓流アーティストではなくj-popとしてがんばっています。とても才能を感じます。
Posted by はじめまして 通りすがりの者です at 2008年01月15日 00:21
>通りすがりさん
コメントありがとうございます。
韓流というくくりで考えてほしくない、という趣旨でしょうか?それともそうではないのでしょうか。
確かに、Kの楽曲を聴き込めば、もっと彼個人の特性からの視点で語ることはできるかもしれませんね。時間があれば、KもET-KINGもその他のみなさんもより深く考察できるんですが、なかなか難しいところです。頑張ります。

「J-POPとして」という点がちょっとよく把握できなかったのですが、とりあえず韓国出身のみなさんは、総じて今の日本人アーティストよりもJ-POPにこだわって活動している印象を受けます。
Kの場合、古き良き男性ボーカリストの系譜を感じますしね。
Posted by はじ(管理人) at 2008年01月22日 23:58
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