2007年11月27日

桑田佳祐「風の詩を聴かせて」

風の詩を聴かせて
風の詩を聴かせて
posted with amazlet on 07.11.27
桑田佳祐 山本拓夫
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<余情をたっぷりと漂わせる「死別」の歌>

 今年は「明日晴れるかな」に続くソロ活動2枚目のシングルとなる桑田佳祐。今回は、ずいぶんと毒気がなく、シックさを感じさせるA面が続きますね。ドラマタイアップだった前作に続き、今回は映画「Life 天国で君に逢えたら」の主題歌として使用されています。

 タイアップの影響か、『波に舞い 帆揺れてた/人はもう亡い』と、死別をテーマに据えています。アコースティックな響きの中で、張り上げることなくかすれる独特の声は、哀しみを漂わせる雰囲気に満ちていますね。
 夢の中、『ひとりぼっちの世界で/かりそめの逢瀬』を求めてしまう寂しさと哀しさ。真夏の海辺の風景描写が、その感情をいっそう浮かび上がらせています。まさに、桑田が多用する「慕情」という言葉がぴったりの雰囲気。

 個人的には、雰囲気的にも内容的にもサザンの40thシングル「BLUE HEAVEN」に似ているなあと感じています。ただ、あちらは空想の「君」が舞い降りてくるのに対し、こちらは『天使のような翼で/空を翔べたなら/逢いに行きたい』と、ちょうど対照的になっているのが面白いです。
 また、『守ってくれたら/悲しみにはもう負けない』とあるように、ちょっと前向きな面も。相手のことを忘れるのではなく、胸に刻み付けることで、前に進んでいく…という流れは、このブログでも何度か取り上げているように、現代の失恋ソングの王道パターンですね。

 また演出のポイントになっていると感じたのは、サビの終わり方。これ、歌われているメロディラインだけ追っていくと、きっちり終わっていないような印象を受けるはず。これはちょっと聴けばわかりますが、その後に入ってくるソプラノサックスへと引き継がれ、そして最終的に着地するような流れになっています。
 問題はなぜこういう形にしたのか?ということですが、それは余韻/余情を漂わせる効果を狙っているんじゃないか、と推測できます。あえて歌いきるようにしないことで、その後の言葉のない部分で聴き手に想像の余地を与えているんじゃないかな?と、考えてみたのです。


posted by はじ at 23:14| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー男性(か行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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