2007年11月02日

Every Little Thing「キラメキアワー」

キラメキアワー
キラメキアワー
posted with amazlet on 07.11.02
Masafumi“Massy”Hayashi Yasunari“Nam-Nam”Nakamura Every Little Thing Kaori Mochida
�G�C�x�b�N�X�E�G���^�e�C�������g (2007/08/08)
売り上げランキング: 13867


<明確な意図に裏打ちされた表現で、我が道を行く>

 なんというか、もうあんまり大ヒットには興味がないのかなー、という印象です。こういうのやりたいから、好きな人だけついてきて、みたいな。

 Every Little Thingの新曲は、爽やかさを感じさせるポップなナンバー。ほぼ1年ぶりの新曲となりますが、近年のELTの変化を見て取るには格好の題材です。

 まずは曲。Aメロの大部分がコードの上にない音になっていますが、このことで聴き手にわかりやすさ/インパクトを与えるよりも、抜けのある響き/すっきりした雰囲気を作ろうとしています。これはサビ最後の歌い終わりにも共通することで、主音、いわゆる「ドレミで言うところのド」で終わっていないため、明確に「ハイ終わり」となるわけではなく、そのぶん先に続いていくような広がりを、余韻に持たせる形になっています。
 定型的な王道ラインを、少しずつ「あえて」外している感がありますね。

 90年代、五十嵐充がメンバーに在籍しシングルの作詞作曲を行っていた頃とは違い、サビと言えどもハイトーンに頼らない流れになっているのもポイント。当時の持田香織のハイトーンは、かなり粒がはっきりしていて、そのぶん耳に残るという点はありました。
 が、そうした発声はこの曲では使われていません。印象の強さよりも、後ノリ・シンコペーション多用の曲調に沿い、流れていく音楽を壊さないような、さらっとした雰囲気を重視したかったのかなと。
 …まあ、歌を聴いていると、単純に高音があんまり伸びなくなっているような気もしますが…

 言葉は、まず目に付くのは「ハイファイ メッセージ」で見せたような、普通は漢字で書くような語にもひらがなを用いているところ。ひらがなを多用して柔らかな感触を作る、というのは言語表現の定番ネタではありますが、かなりこだわって実践しているのがわかります。
 『どこにだってとべるんだ』『夏は あさやけと かがやきのアワー』など、普通は漢字で書くような語もひらがなに変えていたり、『そう みあげてごらん 御覧よ』というフレーズを見ると、ただひらがなにするというのではなく、明確な意図を感じますよね。まずはひらがなで優しく語りかけ、その後「御覧よ」と漢字で付け加えることによって「強さ」を出そうとしている…というところではないでしょうか。
 その他、「ほぅら」という言い方などからも、同じような方向の表現意図を感じました。

 持田香織は、歌い方も変わってきた感がありますが、合わせて詞のほうもあれこれと考えて工夫しているなあと思います。今回くらいになると、かなり肩の力が抜けて、幅も広がってきている気が。
 たとえば「キラメキアワー」というタイトルに対し、曲中では『夏は ときめきと きらめきの泡』と歌っていまして。「泡」と「アワー」をかけているわけです。こういう表現って、変に「カッコいい詞を書こう!」みたいな意識があると避けてしまいがちなタイプのものですが、その辺もさらっと入れられる遊び心があるわけで。

 そして、このフレーズ部分での「ときめき」「きらめき」の言葉選びについては明快ですが、実は冒頭でも『さぁ ゆこう ひらめきの空へ』とありまして。この「ひらめき」も、おそらくは関連させて選んだ言葉だろうと。部分ごとではなく、全体に気を配って詞を練り上げていることを感じさせてくれる箇所でした。


posted by はじ at 23:31| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(あ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。