2007年10月26日

大塚愛「PEACH」

PEACH/HEART
PEACH/HEART
posted with amazlet on 07.10.26
愛 Ikoman 大塚愛
�G�C�x�b�N�X�E�G���^�e�C�������g (2007/07/25)
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<収束しないまま詰め込む連想モチーフ>

 「CHU-LIP」に続き、今年2発目の脳天気系アッパーチューン。夏リリースということで、季節も意識したかなりノリ重視の速いテンポで展開していきます。
 「桃」=「おしり」という発想だけだとベタですが、この曲では「ハートマーク」の逆さまの形とも見立てているところがポイント。確かにそうだ。「CHU-LIP」のときもそうでしたけど、こうしたちょっと面白いネタを拾ってきますね。

 で、この発想を中心に据え、そこから広げていくように(+夏っぽさ陽気さを加えつつ)詞が綴られています。ハートの形は『一点で不安定だからすぐ一転する』=桃の形になる、『だけど返してみるよ』。つまり、カッコよく言えば<愛ってとてもアンバランスなものだけど、たとえ何度つまづこうとも、私はあなたへの想いを貫いてみせる>といった感じでしょうか。
 真面目なことをあえて真面目に書かず、あえてユーモアを交えて軽く書いてみせる…というよりは桃→ハートの発想から単に広げてみたという感じでしょうけど、結果的には脳天気でポップな楽曲にそういうメッセージを織り込み、ちょっと深みを持たせているわけですね。
 あと、「おしり」への連想も入ってます。2コーラスでは「PEACH」を「BEACH」にして、『お尻だらけの誘惑/少しくらい心配したっていいじゃない、信じてるけど』…と、バランスを崩した状態=誘惑が多い、と合わせている、と。

 そういうことで、脳天気な中にもあれこれ意味が織り込まれているわけですが…ただ、あんまり設定を詰め込もうとするあまり、字余りや字足らずが多くメロディラインが安定しないのが気になるところ。相変わらずキャッチーなことはキャッチーなんですけど、言葉がうまく乗っていない点があるため、ちょっと間延びしたような印象を受けてしまいます。
 また、あれこれイメージを広げていくのはいいんですが、中身がとっ散らかっている感はぬぐえません。桃やハートの一節と『夏だねぇ!』という季節設定および「お尻の誘惑」にはあんまり繋がりが見えないですし、『機嫌直して 楽しもうよ』というのも唐突で、あれ?ケンカしてたの?みたいな。まあ「PINCH」って言ってますけど、状況説明があんまりうまくないなーと。
 前回「CHU-LIP」でも、というかずっと前から感じていましたが、彼女の詞の乗せ方はあんまりうまくないのです。それが今回は特に気になってしまいました。また、「フレンジャー」なんかもそうでしたが、歌詞にあれこれ詰め込みすぎて、中心がぼやけてしまいがちな傾向もそうですね。まあ、これはこれでバラエティ豊かでいいんじゃないか、とも言えそうではありますが。

 そういう素っぽさと、だからこそのわかりやすい言葉や音、そしてマイナス面が気にならないくらいにカバーするアレンジ力が彼女のアッパー系楽曲の特徴でして。今回も、手拍子の合いの手や『愛しちゃうから』のキメ部分なんて、実にうまいですよね。
 ただ、そうしたあれこれでカバーできない部分で息切れし始めてしまっているような気がします。だからリリースラッシュさせずにゆっくり育てるべきだ、って「金魚花火」の時点で言ってたんですが…

 アッパー⇔しっとりの往復だけでなく、新しい方面に挑戦したり、誰かに曲を提供してもらったり。あるいは充電期間を置くという選択もあるかもですが、とにかくちょっと次の段階に移る時期なんじゃないかなーという気がします。


posted by はじ at 23:52| Comment(4) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(あ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
アルバム出たばかりなのにまた新曲出しますね…
デビューして3年経つわけですし、確かにそろそろ新基軸を打ち出してほしいです
Posted by 垂 at 2007年10月27日 16:11
>垂さん
個人的には、クオリティが保てるのであれば、今のアッパーとメロウの交互でもいいんですが。彼女の立ち位置にいる人はまだ新しく出ていないということもあるので…
ただなかなかそうも難しいですし、本人の成長を考えると、ゆっくりやらせるとか、新しいことを始める必要はあると感じます。
Posted by はじ(管理人) at 2007年11月01日 02:25
>管理人さん
>前回「CHU-LIP」でも、というかずっと前から感じていましたが、彼女の詞の乗せ方はあんまりうまくないのです。それが今回は特に気になってしまいました。

 確かに、「♪癒しの朝用意するね」の部分は、「♪いやしの朝酔いするね」という具合に聞こえてしまいましたね(笑)。

 ところで、今年9月には大塚愛の4thアルバム『LOVE PIECE』
http://www.avexnet.or.jp/ai/discography/AVCD-23396.html
が発売されましたが、個人的にはシングル曲より『未来タクシー』『クムリウタ』『星のタンゴ』といったアルバム曲のほうが好きですね。僕がプロデューサーだったら、『PEACH』より『未来タクシー』のほうをシングルとして出しましたね。とにかく、アルバムのほうも聴いてみてください。
Posted by 金魚花火 at 2007年11月07日 17:23
>金魚花火さん
ファンにとっては、シングルよりアルバム曲が映えて感じるという傾向はありますよね。多分実際、シングルは広くたくさんの人に届けるべきものなので、そのぶん当たり障りないキャッチーさ、みたいなところに落ち着いてしまいがちになるんでしょうね。
アルバム曲のほうが、本人らしさが濃く出るものなのかなあと思います。
Posted by はじ(管理人) at 2007年11月16日 00:02
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