2007年10月10日

KREVA「くればいいのに feat.草野マサムネ from SPITZ」

くればいいのに feat.草野マサムネ from SPITZ
KREVA 草野マサムネ
PONYCANYON INC.(PC)(M) (2007/06/20)
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<コラボパートナーを選んだ意図と意義>

 KREVAのニューシングルは、なんとスピッツのボーカリスト・草野マサムネとのコラボレーション。これはかなり意外な組み合わせでした。

 KREVAは、「音色」のように印象的なトラックを生み出したり、かと思えば「国民的行事」のように思いっきりクラシックをサンプリングする無茶さとユーモアがあったり、何かと面白い活動をしている人で。インパクトのあるトラック作りにしてもユーモアにしても、きっと本人の中にエンターテイナー精神が息づいているからなんだろうなーと思ったりします。

 今回なんかまさに、彼の持ち前のエンターテイナー精神が発揮された内容。
 まずビッグネームとのコラボという話題性。そして、「くればいいのに」なんていう、自分の名前にかかったタイトル。そして哀愁の漂うトラック…
 彼はどこか歌謡曲的なセンスもあり、マサムネパートのメロディラインなんかは、実に日本的な哀愁メロディだと感じます。

 HIPHOP系の人のコラボ楽曲って、女性と組むパターンのほうが多いイメージがあります。ここに考えられる理由はふたつ。ひとつは、男性視点と女性視点の掛け合いができて、多層的な歌詞世界を作ることができるという利点があること。そして、ラップで畳み掛ける/滔々と語っていく男声ボーカルと、起伏あるメロディラインに乗って豊かに歌う女声ボーカルという対比を際立たせ、楽曲のトーンのバランスをうまく配分することにも役立っているということです。
 草野マサムネの声は、ハイトーンでも決して熱を帯びすぎない特徴があります。なので、低めの声で淡々とつぶやくようなKREVAの声と、とても鮮やかな対比になっていまして。そういう点では、女声ボーカルと同様の対比効果が得られているんではないかなと。

 そのマサムネパートに乗る『逢いたいと思うその時には あなたがいない』という心情は、KREVAと同じ男性視点です。ラップパートでもひたすらにつぶやき積み重ねている「逢いたい」という心情を、思い切り出している印象になりますね。

 これが女性とのコラボであれば、ここにくるのは主人公が「逢いたい」と願う相手の女性からの「私も逢いたい…」というような返答、が妥当かつ効果的なところでしょう。しかし、同じ男性である草野マサムネが歌っていることで、別視点からの見せ方ができない代わりに、同じ視点からの同じ感情を別の形で表すことができているわけなのですね。

 ということで、草野マサムネの起用には、女声ボーカル的な対比効果+同じ男性としての視点の共有、という二つの効果があるわけなのです。


posted by はじ at 02:00| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビューコラボもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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