2007年09月23日

ギャルル「Boom Boom めっちゃマッチョ!」

Boom Boomめっちゃマッチョ!
ギャルル つんく 守尾崇 鈴木Daichi秀行 田中直
TNX (2007/06/20)
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<異なるふたつの文化を結ぶカギとは>

 ぁみみ(時東ぁみ)、そねね(ギャル曽根)、あべべ(安倍麻美)をメンバーとする女性アイドルグループ、ギャルルのデビューシングル。
 会社を設立し「ギャル社長」としてギャル文化に根ざした事業を行っている有名人・藤田志穂がプロデュースに絡んでいたりと、ユニット名どおりとにかく「ギャル」にこだわっているようです。

 しかし、時東ぁみは視力がいいのに伊達メガネまでかけて「メガネっ娘」として売り出すなど、どちらかというと「アキバ系」をターゲットにした活動を行っていましたから、ここで急に「ギャル」になるのは違和感が。ギャル曽根は名前どおりまさにギャルですけど、大食いタレントであってアイドル活動や歌を発表するのはこれが初めてですし、安倍麻美は新参。ということで、「ギャルを代表するアーティスト」と言うには心もとない部分があります。
 そもそも、ギャル文化とアイドルというのはなかなかにして合致しない点が多いような。ギャル文化はその輪の中にいる女性が作り上げるものである一方、女性アイドルは男性ファンが主軸。ギャルたちからもアイドルファンからも支持を得られないんじゃないか?とも考えられるわけでして。

 なので、このユニットを結成するに当たっての意図としては、
1.とにかくメンバー各人のネームバリューと、ユニット結成の話題性で押せばそれなりに売れるのでは
2.ギャル文化を広く知らしめたい、男性にも浸透させたい
3.逆に、女性アイドルを同性にも共感される存在にしていきたい
4.ギャルというより、トランスがやりたかった
 というあたりが考えられます。
 1だけってことはないでしょうが、要素としてはやはりあるでしょう。2、3のような、各ジャンルを拡げていきたいという意図もまた考えられるものです。
 4ですが、トランス、およびパラパラは90年代に隆盛を誇りましたが、今もまだ死滅したわけではなく、トランスは音楽の一分野として、またパラパラはギャルの「サークル」などの中で、しっかりと残っているようです。そこに目をつけて、開拓していない分野に手を伸ばしてみた、という内幕もあったのかもしれないなあと。

 そういうわけでトランス&パラパラです。内容は非常につんく的な散漫さとユーモアに満ちていて、一見ナンセンスなくらいに思えます…が、完全に意味を放棄しているわけではありません。
 『もりもり食べる デカマッチョ』『最後のシュート DOKI DOKI FIRE/捨てないで』あたりは、貪欲になんでも吸収し、諦めないでいよう…というように受け取れます。強くタフに生きること=「マッチョ」として、自らや周囲を鼓舞している、といったところでしょうか。
 「もりもり食べる」(ギャル曽根)あるいは『パラパラ踊る 細マッチョ』と、自らの活動を思わせる内容を「マッチョ」、この曲で目指すべきものに重ね合わせる一方、「MENS」や「GALS」もにも呼びかける。自分たちを含むすべての人へのメッセージとして歌っている、そんな構図になっていますね。

 また、ギャルとアイドルファンってかなり水と油な関係のような気がしますが、そう言えば…と思った共通項がひとつ。
 アイドルの歌って、松田聖子の昔から、ファンによる掛け声的なものが自然と発生します。歌のフレーズの合間で「エル・オー・ブイ・イー ○○!」と言いながら腕を振る、みたいなやつですね。近年では、これがだんだんとブラッシュアップされ「オタ芸」なんて呼称されるようにもなってきています。
 これって、みんなで曲固有の振り付けを覚えて踊るパラパラの文化と、けっこう親和性が高いのではないかなと。パラパラを通じたアイドル側とファン側のコミュニケーションを図り、盛り上げていく…もしかしたらそんな意図もあるのかもしれません。


 ところでこのユニット、周知の通り、元々は辻希美がつじじとしてリーダーを務める予定だったのですが、諸々あって急遽脱退、そして代わりに安倍麻美が呼ばれたという経緯があります。
 それにしてもデビュー発表から約半月でメンバーチェンジという事態で、関係各所はおおわらわだったことかと思います。タレント事務所の枠を超えたユニットという形でしたし、ものすごく大変だったことだろうと推察します。この騒動を乗り越えた舞台裏のみなさまこそまさに「マッチョ」な精神力だよなあ…と。お後がよろしいようで。


posted by はじ at 23:03| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー企画もの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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