2007年07月30日

ザ・クロマニヨンズ「紙飛行機」

紙飛行機
紙飛行機
posted with amazlet on 07.07.30
ザ・クロマニヨンズ 真島昌利 甲本ヒロト
BMG JAPAN (2007/04/25)
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<熱をあえて抑えたスタイルの裏には、変わりのない初期衝動>

 THE BLUE HEARTS、ザ・ハイロウズの甲本ヒロトと真島昌利が結成したニューバンド、ザ・クロマニヨンズの2ndシングル。
 「タリホー」に続き、またもガンガン前に突き進む感じのロックサウンドが味わえます。ブルーハーツ後期からハイロウズ時代は、わりとミディアムテンポの作品も多数残しているのですが、少なくともこのバンドに関しては、まずは突っ走っていきたい!という思いがあるのではないでしょうか。

 かと言って、ブルーハーツ初期に戻ったかのような疾走感!というわけではありません。「リンダ リンダ」や「TRAIN-TRAIN」など往年の名曲と違うのは、シンプルで勢いのあるバンドサウンドを打ち出しつつも、当時のような「熱気」を持っていないこと。そして、明確な「メッセージ」を打ち出していないこと。この2点が挙げられます。
 こう書くとなんだか批判的に感じられるかもしれませんが、そうではないのです。

 音楽活動を開始して間もない、年齢も若い時期というのは、初期衝動をそのまま形にして行こうという「熱気」がバンドにはあるものです。地道なライブ活動をひたすら展開していることが多いのも、そうした傾向の要因になっているんじゃないかなーとも思います。しかし、年を重ねていく間に落ち着いてしまったり、考え方が変わったり、ヒットした代償として目標を見失ってしまったり、同じような作品ではなく新しい要素を求めていったり…などなどで、失っていくことも多いのですが。
 ヒロトとマーシーの二人はデビュー21年目ということもあり、クロマニヨンズの場合は、そうした「熱」はあまりこもってはいないように感じます。また、社会に対する不敵さ、自分の生き方を貫き突き進んでいこうとする強い意志と衝動を感じさせるメッセージもありません。『揺れて 乱れて 紙飛行機』と、もちろん空を進んでいきながらも、もっと砕けた生き方を乗せているように感じるのです。

 でも、それは悪いことだというわけではなく。
 むしろ、彼らの持っていた初期衝動そのものは、今も強く残っているんじゃないかなーと感じます。『団地の窓から 飛べ紙飛行機』といった何気ない一節も、管理された建物である「団地」を用いることで、それとなく現代社会からの脱出を想起させるフレーズになっていたりします。また、『明日とかわからないし/別にいい』みたいなシンプルな言葉にも、彼らの当初からのスタンスは滲んで表れてきているのではないかなと。
 決して「このくだらねえ窮屈な街から抜け出すんだ!」なんて高らかに言ってはいません。けれども、より身近な、何気ない言葉で、熱を帯びずに歌うようになった…と見るべきではないかなと。『スーイ スーイ スラララ』なんて擬音を持ち出しているのも、それ自体には意味のない響きだけの言葉を多用し、あえて直球ではメッセージを投げつけないように構えているのかなーとも。「タリホー」もまたそうでしたしね。

 新バンドを結成することで気持ちを新たにしようという思いも当然あったでしょうし、初期衝動を忘れずにいよう!という姿勢は間違いなくあると思います。ただ、それがより方肩の力を抜いた表現方法になった…ということなのかなーと。


posted by はじ at 23:37| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー男性(か行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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