2007年06月30日

GAM「LU LU LU」

LU LULU
LU LULU
posted with amazlet on 07.06.30
GAM つんく 大久保薫 湯浅公一
アップフロントワークス(ハチャマ) (2007/03/21)
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<「離ればなれになる二人」の描き方>

 松浦亜弥・藤本美貴のユニット3枚目のシングル。
 今回は、「メロディーズ」で見られたような百合っぽさは薄れ、一般的な切ない系アイドルポップスといった雰囲気です。

 『I LOVE YOU FOREVER/でもサヨナラ』というフレーズがはっきりと明示しているように、「今も好きだけど別れる」という場面を描いています。
 この手のシチュエーションは、今更言うまでもなく、J-POPの世界では「切なさ」を容易に醸し出すことができるため、とにかく死ぬほど多いです。現実には、そんなキレイなパターンはそう多くないはずなんで、斜に構えて見るとあれこれツッコミどころがいっぱいあるものです。が、まあ現実ではなかなか味わえないからこそ歌で揺さぶられるという面があるので、あれこれあげつらうのは野暮というものですが。
 で、そんな「今も好きだけど別れる」という状況をすんなりイメージしやすいように、「遠く離ればなれになる」「死別(消える)」というような設定や書き方をすることが、歌詞の世界では多いのですね。

 今回の場合は、『嫌われちゃうほどに/あなたを/好きになってしまった』とあるように、「自分のほうが好きすぎてダメになってしまった」という形なのですね。
 これだと、相手の気持ちが冷めてしまったというkとになるので、「両想いだけど別れる」という悲恋の様式に当てはめることはできません。でも、相手から別れを切り出されても自分はまだ好き、という諦めきれない一途さを印象付けることになります。

 あと、すごく未練があるのに『今度はもっと良い恋を/絶対するのよ』とあったりしますが、これは『泣き尽くします』というフレーズが先にあるから生きてきますね。『何もなかったような顔で/ひとりで寝るわ』というのも、忘れようと懸命に頑張っている」という受け取り方を誘っています。
 好きだった気持ちはそのままに、きちんと次の幸せを探しに行く…そんな、過去も未来もポジティブに考えている歌は、これに限らず最近の主流です。これが今の時代の流れなのかなあと。
 現実的に考えると、昔好きだった人のことをずっと忘れないというのは、その次の恋人にとっては複雑に思われるパターンも多い気がします。それは、もしかすると元カレや元カノとも仲がいい人が増えている!みたいな話に繋がってくるのかも…ともちょっと妄想しますが、まあ歌で切り取っているところで盛り上げるには、やっぱり「ずっと忘れない」と言ったほうがずっと響くものですから。 サビの最後が『LU LU LU…』で締めてあります。こういうのは手抜き/ごまかしなんじゃないか?とか思われがちで。まー実際そうなのかもしれませんが、「言葉にし尽くせない気持ち」とかを表現するのには、変に言葉を費やすよりもいい場合があります。「余情」とでも言いますか、今回なんかはそのパターンなんじゃないかなと。

 ちなみに、「ルルル」じゃなくて「ラララ」だったと考えてみてください。ちょっと「別れの歌」のイメージには明るすぎますよね。
 ここには母音の違いが表れているんじゃないかなー、と思うのです。母音が「a」だと口を大きく開けるのに対し、「u」は閉じて発音します。だから、「ラララ」と歌うと明るく開放的な響きになり、「ルルル」だともう少し上品だったり、物悲しく聴こえてくるという差が出てくるのですね。


posted by はじ at 14:32| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(か行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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