2007年05月27日

クレイジーケンバンド「てんやわんやですよ」

てんやわんやですよ
てんやわんやですよ
posted with amazlet on 07.05.27
クレイジーケンバンド
サブスタンス (2007/02/21)
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<悩みをコミカルに描けるのは、「オトナ」ゆえの余裕から?>

 クレイジーケンバンドを取り上げるのははじめてですね。ボーカル横山剣を中心とした、大人の魅力溢れるバンドでございます。なんでも横浜市のゴミ清掃車がBGMに使っているとか何とかいう噂もありますね。なんにせよ、横浜の港町を根城にしているような、昭和レトロの香りがぷんぷんする音楽をしています。

 彼らのファン層は比較的年齢が高めです。それはレトロな雰囲気があるせいかというと、必ずしもそれ自体が一番ではないんじゃないかなと。だって今の30代、また40代くらいでも、こういう歌謡曲サウンドよりももっとポップな音楽になじみがあるんじゃないかと思うのですよ。だからルーツを感じたり、懐古趣味というわけではないんじゃないか、と思うわけです。

 ポイントは、このバンドの持つユーモア、諧謔味なんじゃないかと。
 最近登場した若い世代のバンドって、基本的にみんなマジメです。恋愛のすばらしさを歌い上げたり、真剣に悩みながら答えを探したり、生きていく為のメッセージを投げかけたり。もちろんそれはそれで素晴らしいことなんですが、やっぱりあれこれ人生に悩むのは思春期とか、思春期/学生時代の特権的なものでもあるわけですし、そればかりだと疲れてしまうものでもあります。
 この曲もまあ『もうやんなっちゃうよ Everyday』とあるように悩んでいる歌ではあるんですが、最近の若い世代のそれと比べればもっと現実的/即物的ですし、どこかしらユーモアがあるんですよね。

 『だから結局あれだな』から『もうなんなんだよこれ』、そして『もうてんやわんやですよ』って、具体的には一体何がどうなっているんだかさっぱりですが、これはわざと説明しないようにしているんでしょう。パニクっている様子はこのほうが伝わりますし、頭の中が混乱している男の姿を、意識的に情けなく、面白おかしく描こうという意図があるんだろうなあと考えられます。
 客観的な視点からユーモラスに悲哀を描いてみせるやり方、特にこういうリアルに取り乱した姿を描く手法は、やはり10代20代だと難しいですし、やりたいと思う人もそういないものでしょう。だから、彼らの存在は貴重でかつ重要です。主観的でマジメな歌だとちょっとお腹に溜まる…という人にとっては、こういう肩の力の抜けたスタンスがちょうどいいんだろうなあと。


posted by はじ at 10:30| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー男性(か行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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