2007年05月22日

大塚愛「CHU-LIP」

CHU-LIP
CHU-LIP
posted with amazlet on 07.05.22
大塚愛 愛 Ikoman
エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ (2007/02/21)
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<フシギなこともわざわざ悩まないお気楽さ>

 すっかり楽曲のサイクルが決まってきつつある感じの大塚愛。今回は「さくらんぼ」「SMILY」といった脳天気系アッパーソング。陽気なホーンセクションと肩の力の抜けた歌、こういうタイプのイメージが一番強い人も多いのではないでしょうか。
 とは言っても、こういうアッパーなのが聴きたい!という人、メロウなバラードだけならいいのに…と思っている人、どちらもいそうな感じです。まあ、どっちもやっちゃうからこそ、彼女の独自性が出てくるんだろうなあとも感じるのですけどね。

 花のチューリップと「CHU-LIP」、つまりキスを掛け合わせているわけですが、そういう駄洒落のしょーもなさ、キスではなく「チュー」という言葉をあえて連発するのって、まあ上品にまとめようとするとなかなかできないことです。大塚愛というキャラクターだからこそ歌うことができる、という意味では、見事に個性を獲得できているなあと。
 そんな中で『チューすれば気付く運命のお相手』というお気楽な主張が中心にあるわけですが、これ、明確な「私」というキャラクターが登場するわけではないです。ひとつの主観的な恋のストーリーを描くんじゃなく、恋する人々を見下ろす客観的な視点から、恋愛全般における考えを述べていくというスタイルです。で、それが恋における『謎』だと言っているわけですね。

 「パパ」や「ママ」が登場したり、『彼と暮らすと 癖が似てくる/ユニゾったりする』と言ったり。近しい人と惹かれあいながら、繰り返し恋愛を続けていく人間という存在の不思議…なんて言っちゃうと堅苦しいところを、『なぞ 遺伝子』でもう潔くばっさり片付けてしまう。恋愛というもの、遺伝子というものがどういうメカニズムなのか…みたいな深い洞察は、恋してハッピーな人にはちょっと疑問に感じこそすれ、そこに明確な回答はいらないわけです。
 「チューすれば気付く」から問題ないし、「なぞ」のままにしておけばいい、という。

 「CHU-LIP」というタイトルの目の付けどころは面白いので、もっとそちら関連を掘り下げてくれてもよかったかなーとは思います。花のほうのチューリップを入れる、とか。両親を持ち出しての遺伝子のフシギも、それはそれでいいんですけど、「CHU-LIP」というタイトルとはちょっと違うところに行っちゃっている感じなので。

 歌詞の内容にしても、またメロディの作り方にしても、今回はちょっとアラが多めかなー。アレンジが相変わらず多種多様で飽きさせないので、かなりカバーしている感じ。
 ま、そういう細かい部分は『理屈も理論もいらないわ』ということで。


posted by はじ at 01:48| Comment(2) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(あ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ようやくこの曲のレビューですか。この曲が出てからすでに3ヶ月も経過しているのに(笑)。
それにしても、大塚愛が売れた理由の半分くらいは、実は「印象的な言葉を乗せるテクニックの上手さ」ではないかと個人的には思いますね。あの「さくらんぼ」だって、「♪隣りどおし あなたとあたし さくらんぼ〜」の部分が一度聴いたら耳から離れないわけですからね。この「CHU-LIP」だって、「♪チューリップの恋模様〜」と「♪なぞ 遺伝子〜」の部分がちゃんと耳に残るような作りになっているわけですね。
Posted by 金魚花火 at 2007年05月22日 12:10
>金魚花火さん
お待たせしていてすみません。すっかり3ヶ月遅れが定着してしまっています、はい。

大塚愛は、語数を揃えるとかはまったくもって無頓着ですけど、キメどころは確かにわかっているなあという感じがあります。だから賛否両論も生まれるのでしょうけれど。
Posted by はじ(管理人) at 2007年06月07日 23:36
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