2007年03月15日

WaT「ボクラノLove Story」

ボクラノLove Story (通常盤)
WaT 華原大輔 前嶋康明 小松清人
ユニバーサル・シグマ (2006/12/06)
売り上げランキング: 53366


<初々しくも的確に、女の子の理想の男の子像を体現するしたたかさ>

 前作「Ready Go!」に続き、矢継ぎ早のペースで出した2枚目のシングル。最近の芸能界への定着具合を見ていると、もうだいぶポジションを確立してきたなーという感があります。

 曲としてはストリングスも鳴り響き、いかにも「冬のあったかバラード!」なポップソングの体裁ですが、歌詞を見ると彼らの持ち味が出ているなあと。
 というのは、ここまで甘いか!っていうくらいに理想的な恋物語、素敵な「彼」像が描かれているのですね。もはや少女漫画の世界(にも、ここまでベタなキャラはいないか)。

 もちろん甘いささやき、純粋な気持ちを訴える歌はあまたあります。ただこの曲の場合、さらに一歩踏み込んでいるというか、痒いところに手が届いているというか。
 サビ頭『もう離さないよ』。これだけだと、はじめの長い伸ばしが逆に印象的ではあるものの、メッセージとしては普通です。でも、その後に『今までの僕とは違うから』と入るんですね。これがポイント。「離さない」だけどだと、自分の想いを一方的に投げかけるだけなところを、今までとは違う(から、安心して)と、「君」に対してさらっとフォローを入れているんですね。

 これだけなら偶然そうなっただけなのかも…とも考えるところですが、この「今までの僕とは違うから」という、「君」の存在を通して強くなった、的なフレーズが他の部分にもあれこれとあるんですね。
 まず、『僕の鼓動が君に伝わりそうで/繋いでた手を/慌てて離した…』という一節。付き合い始めの初々しく微笑ましい雰囲気が漂っていますが、実はこれで終わっていない。『…離したけど君の目を見て/思わず握り返した』まで続いているわけでして。握り返した!これはドキドキです。一文長すぎるよってツッコミが野暮になるくらい。
 さらに、『両手で包んで頬寄せたら』といい感じの体勢に入ったところで、「ダメ」と言う君に『僕は聞こえないフリ 黙ってキスをする』ですからね。ちょっと強引な面も見せちゃう、と。

 こういうの、男からするとこう、解説しているだけでかなーり恥ずかしくなってしまうんですけど…でも、女の子がこの種の初々しい恋愛エピソードに求めるのって、こういう世界なんだろうなあと。彼らの詞は、なんというか、女性にとっての「萌え」な感情をくすぐっているんじゃないかなーという気がします。
 フツーの男だったら、照れがどうしても先に来て、こういう初々しいシチュエーションだとうまくふるまえない、不器用さが出てしまうもんだと思うんですよ。そういう描き方をする歌は山ほどあって、それは「わかる、わかる」と男性陣の共感も得られる。でも、この曲は巧すぎるなー。弱気なようで大胆になれる、照れているようでポイントは外していない、と実にうまい。だから男はあんまり感情移入できないかも。
 でも、それを彼らは平然と歌ってみせます。女の子の理想を満たそうとするパフォーマンス魂、そして歌っても許されるアイドル性。ふたつが揃っているこの状態は、かなりすごいと思います。


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