2007年03月12日

DREAMS COME TRUE「もしも雪なら」

もしも雪なら/今日だけは
DREAMS COME TRUE 吉田美和 中村正人 AKON
ユニバーサルJ (2006/11/29)
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<切なさに感情移入するために、王道を外す選択>

 長い間トップアーティストとして活動を続けてきたドリカム。その楽曲は毎回バラエティに富んでいて、たいへん参考になるものばかりです。
 今回も、そのキャリアゆえの細かいテクニックを至るところに見つけることができます。

 たとえば、メロディ構成。『会いたい人に会いたいと言えないクリスマス』という印象的なメロディがありますが、これ、はじめに登場するときは『会いたい人には会えない』と、途中で切れた形で歌われるんです。残ったメロディ部分は歌われず、代わりに楽器でなぞられていまして。
 序盤では「…」と後を飲み込むかのような見せ方をし、次はちゃんと歌いきってそのままサビへと繋がる、効果的な構成になっています。

 サビのメロディラインは、それほどドラマティックではなく、淡々としています。しかし、『大人のほうが 恋はせつない』というフレーズと豊かな声が乗ることで、表面上は押さえた中にたぎる感情がある、というまさに「大人のほうが切ない」通りの表現になっているんじゃないかなと。
 シチュエーションとしては、『あなたはすでに誰かのもので』『はじめからかなわないことの方が多い』恋人がいる相手への恋という状況です。しかし、「大人のほうが切ない」というフレーズは、その状況に共感できない人も巻き込む大きく強い言葉ですね。


 クリスマスというと、想いが通じ合うハッピーな内容のもの、そして想いが届かなかった悲しく切ない内容のものに二分されます。ただ、悲しい曲にしても、クリスマス自体はその切ない感情ゆえに印象的に演出される場合が主流です。それを『クリスマスが 急にきらいになる』と否定することで、消化しきれない想いの深さを物語っているわけです。
 さらに、『もしも雪なら 雪になったら/あきらめないって ひそかに賭けてた』というフレーズ。何かと雪を降らせがちなクリスマスソングやストーリーが多いからこそ、雪が降る奇跡が起こらないこの曲の結末がよりずっしりと重くのしかかってきます。相変わらず感情移入度の濃い楽曲になっています。


posted by はじ at 01:56| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(た行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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