2007年01月22日

ゴスペラーズ「Platinum Kiss/陽のあたる坂道」

Platinum Kiss/陽のあたる坂道
KRE
ゴスペラーズ , 安岡優 , 黒沢薫 , 妹尾武 , 野崎良太

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<壮大なバックに合わせた「白銀」色/夕暮れに伸びる影の方向は、未来か過去か>

 同時リリースされた27・28作目のシングル。2007/01/01に両方入っているバージョンが発売されています。

 「Platinum Kiss」はまさにゴスペラーズの真骨頂、メンバーの声(と指)のみのアカペラナンバー。ソロ回しからハモリに移っていく展開が実に心地よいです。彼らの場合、ハモリももちろんいいんですが、裏で動いているハーモニーが耳に優しくてステキなんですよね。すごく厚いのに重たくない。

 曲ですが、『プラチナ色のくちづけ』を「あなた」に捧げる愛の歌。そのキスで『あなたが目覚める物語さ』とあるのは、童話になぞらえているのでしょうか。『大地を目指す流星』「運命」『果てしない未来』などの壮大な言葉が展開されていますが、コーラスの厚みと歌唱力がその世界観をゆるぎなく支えています。
 「プラチナ」なのもそのあたりの壮大さに通ずるところからでしょう。で、曲全体が暖かいという響きではないので、暖色系等ではなく白銀を選んだのかなと。 もう片方は、こちらはストリングスもピアノも加わり、全体に暖かみもある「陽のあたる坂道」。同名の作品というのは音楽でもそれ以外でもいろいろありまして、どれもそうなのかはわかりませんが、この曲に関しては明らかに「夕陽」が照らす坂です。

 『もう あなたの肩を抱き寄せる紅のドアが/背中越し影法師 だけどもう少し』という描写。ふたりは夕暮れの情景の中で、坂を上っています。…影が「背中越し」ということは、夕陽は前方、坂の上から照らしているってことになるのでしょうか。「陽のあたる」というから、坂の全面を照らし出す下側のほうに沈んでいくのかなと漠然と思っていましたが、そうではないようです。
 でも確かに、影は後ろに伸びたほうが絵になりますよね。特にこの曲の場合、夕暮れという時間の節目を意識させる場面で、過去と未来を感じ、その上でふたりで未来を進んでいこうという趣旨なので、進んでいくほうに影があるのは、演出上あんまりよろしくないわけですね。

 あと『永遠をやがて時が奪い去っても』というフレーズが面白いです。「この幸せが永遠に続く」と無邪気に信じるわけではない。でも「時が流れても」とただ言うのでもなく、「この永遠のような素晴らしい二人の時間」がたとえ終わってしまうことがあっても…!というような強い思いが、この何気ないフレーズの裏には込められているんじゃないでしょうか。
 ただ言葉をキレイな響きに組み合わせるだけじゃ生まれない表現だよなあ、と思わされました。複数のメンバーが楽曲を生み出していくゴスペラーズでも、作詞に関しては今回の2曲も手がけている安岡優が一番巧みだと思います。


posted by はじ at 01:12| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー男性(か行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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