2006年12月17日

GAM「Thanks!」

Thanks!
アップフロントワークス(ハチャマ)
GAM , つんく , 西田昌史 , 橋本由香利

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<そのメッセージ、そのセクシーさは誰に向けられたものなのか>

 松浦亜弥と藤本美貴により結成されたこのユニット、「GAM」というのは英俗語で「美脚」を意味するのだとか。
 松浦亜弥が主演した映画「スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ」の主題歌だそうですが、じゃあなんでソロじゃなく二人なの?とか、後藤真希も一緒だった「ごまっとう」からなんでわざわざ二人になったの?とか、そもそも何でいまさら…みたいな印象をどうしても抱いてしまうわけですが。ま、「単なる抱き合わせ」と処理してしまうのもなんですし、ここはきっと意図があるんだろうということでいろいろ考えてみましょう。

 そもそも衣装とか、派手めな楽曲とか、あるいはダンスとか見ていると、ピンクレディーを意識しているのかな、という気がします。振り付けとか、ちょっと「UFO」みたいなとこもありますし。
 こっちも「美脚」というだけあってセクシー路線ですが、後藤真希のほうはさらになんというか淫靡でエロティックな雰囲気の方向に固めていっていますし、同じセクシーでも棲み分けをさせている感もあります。

 そして触れておきたいのは、このユニットが醸し出す「百合」っぽさです。説明しておくと、百合というのはまあ女性どうしの恋愛関係を指す用語だったりします。その向きはこの次のシングル「メロディーズ」で(特にPVで)より顕著なんですが、この曲の内容もまたどうもその感じを匂わせているように感じるのです。
 タイトルにもあるとおり「ありがとう」と相手に呼びかけてお別れするという場面の歌なのですが、この相手はフツーであれば「恋人」なのが一般的です。でもこの曲はそうじゃない。『恋人にさえ話せず/困っていること全部』を叫んでいたり、『抱きしめたあの夜の/約束が気になる友情』とあるくだりを読むと、はっきりと「恋人」ではなく「友達」へ向けているメッセージだということがわかります。
 そしてこれもフツーに考えれば「男友達」と考えるところですが、でもこの相手が男だという証明になるような描写はひとつも出てきていません。「そのたくましさが」…とかあれば男なのかな?というイメージが付きそうですが、この相手に関する具体的な描写は唯一『孤独なのを/忘れるほど/美しい瞳だった』だけ。「美しい瞳」…もちろん男性にも適用できる表現ですが、どちらかというと女性っぽいですよね?

 百合というジャンルは、馴染みがない人にはまったくわかんないかと思いますが、サブカル界隈では最近それなりに一定の支持を集めていたりします。もともとは80年代に根付いたものらしいですが、近頃はまた隆盛しているようで。
 現代はどんな分野でもマイノリティ層がだんだんオープンになりつつありますし、性のボーダーレス化も進んでいます。そこに「百合」が受け入れられやすい下地が形成されつつあるわけですね。音楽でも、ピュアでプラトニックな恋愛が受け入れられやすい雰囲気もあるからか、女性が一人称「僕」で歌ったりすることも非常に多くなっていたり。
 そんな時代背景も受けて、ピンクレディーにもWinkにもPUFFYにもWにもなかった「百合」の要素を盛り込んでみた、という意図もあるのかもしれないなあと。ま、去年くらいに男性デュオのブームも起こったので、じゃあ女性で!というとこもありそうですけど。


posted by はじ at 13:19| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(か行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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