2006年10月27日

SEAMO「ルパン・ザ・ファイヤー」

ルパン・ザ・ファイヤー
BMG JAPAN
SEAMO, Naoki Takada, Shintaro “Growth” Izutsu, Takahito Eguchi, LEMS

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<憧れの存在と自らを混ぜあい奮起させ、そこから紡いだ生きざまを投げかける>

 前作「マタアイマショウ」がかなり息の長いロングヒットとなっていたSEAMO。静かな話題となっていた彼が、続くこの曲で誰もが知っているルパン三世のテーマをフィーチャーし、その話題性を表にまで拡大してきました。今年の台風の目となった一人と言えるでしょう。

 ルパン三世のテーマが満遍なくたどられていて、かつ各キャラクターの声も入ってきたりと、かなりルパン色を出しています。それは歌詞の端々にも表れてはいるものの、完全にルパンをリスペクトし称えているのではなく、ラッパーである自らにも重ねるように描いています。この曲の主人公は『狙った獲物は逃がさない それがなんだろうと 大泥棒』であり、『ファイナルステージだ天王山 お前と勝負の演奏だ』とライバルを名指しするミュージシャンでもあるわけです。
 SEAMO本人もルパンへのリスペクトの念があってこの曲を作るに至ったそうですから、憧れの存在と自らを同一化させることでHIPHOP的アピールの威光を強めているわけですね。こういうのも一種のコスプレというか、ロールプレイというか、まあサンプリングと自己アピールの園であるHIPHOP業界にはこの種の曲はちょうどいいのかもしれないなあと。今後もあるいは増えていくかもしれませんね。北斗の拳とかキン肉マンとか…トンガリキッズ「Bdash」はこの手に近そうで、そうでもない気もしますが。

 『僕が欲しいのは物じゃない/I steel your heart』なんかはうまくルパンらしさと融合しています。なんだか全体的に女性へのラブコールが多いですが、それもまあルパンらしいっちゃそうです。ただ、なんというかマトモ過ぎる生き方になっていたりとかして、ちょいと違和感があったりもします。『愛すべき仲間や家族がいる』とか、仲間はともかく家族はちょっとなあ、とか。『世界で一人の最愛の 君自身に気持ち伝えたいよ』もルパンだったら言わないだろう、とか。
 逆にそういう言葉が入っていることで、単純なルパンリスペクトでもなければコスプレ的同化にとどまるわけでもない、こういう生きざまをリスナーに誇示し奮い立たせる、みたいな意図があるんだろうな、ということがわかります。仲間や家族のために頑張れよ、という。
 このあたり、最後に「いいメッセージ」に落とし込もうとする最近の詞の潮流が影響しているのかなあとも思ったり。ルパンのイメージで聴くと、ぎこちなく感じる部分もあるでしょうね。


posted by はじ at 00:39| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー男性(さ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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