2006年09月19日

Mr.Children「箒星」

箒星 (通常盤)
トイズファクトリー
Mr.Children, KAZUTOSHI SAKURAI

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<上へと向かう奔放な旋律に乗って、動き続けていようとする在りかたが高らかに示される>

 CMでガンガンかかっていたミスチルの一曲。相変わらず我が道を行く桜井メロディは健在で、上へ下へと奔放に行き来するので、印象に残って覚えやすそうな割にはなかなかなぞれない一品になってます。
 とはいえ、昨年の「四次元 Four Dimensions」の楽曲と比較すると、「ランニングハイ」ほどの躁的なハチャメチャさはなく、「and I love you」にあったようなメロからサビへつながる流れを感じることもできたりします。ばっさりと言えば、全体に旋律や言葉で弾むリズムをつけて疼く気持ちを感じさせつつ、メロでは一定以上には上がらなかった高さへと、サビで助走をつけつつ舞い上がっていくような。通して、すごく上昇志向を感じるのです。
 意識的にやっているのかどうかはわかんないですが、生身の息遣いを感じるメロディラインだなあと。それがニガテな人もいるでしょうけれど。

 で、詞ですが。
 「四次元 Four Dimensions」で自分が感じたところは、「答え」に悩み続けて立ち止まったりもしてきた中で、とりあえず明確な答えは出せなくとも「走り続ける」「問いかけ続ける」「愛し続ける」といった、アクションを投げかけ続けるスタンスでした。進み続ける「未来」「ランニングハイ」しかり、繰り返し「I love you」を呼びかける「and I love you」しかり、またBank Bandなどの活動にもこのスタンスが繋がっているように感じたりもしていて。
 そしてその「行動し続ける姿勢」はまた、今作にも引き継がれています。『教えない 知りすぎてるから教えない』と諭しておきながらもなお『知りたい それでもまだまだ知りたい』と求めていることなどから、それが読みとれはしないでしょうか。「悲しみを生むから教えたくない」という気持ちはそのままに(これ大事)それでも知りたいという欲求をそのままぶつけてきているわけですね。次に『詰まれた理屈を越えて その退屈を越えて』と示されるとおり、あれこれと逡巡することをばっさりと切り捨てているのもわかります。
 何より、『人の形した光』なんだと呼びかけるだけならただ「星」でいいところを、わざわざ夜空を飛んでいく「箒星」になぞらえたことからして、「動き続けること」がひとつの大きな姿勢になっているという証明ではないでしょうか。

 上手に心が開けないことを『最近ストレッチを怠ってるからかなぁ?』と表現するのも、単に奇をてらった表現だというだけではないのでは、と。早い話が、誰かに心を開きたいなら、常に運動をしている、ストレッチを行う必要がある…でも言ってしまえば、それだけです。普段からやっていれば全然問題ないし、できなくなってもまた地道にトレーニングすればまたできるものなのだ、ということを、暗に示しているわけで。たとえば「錆び付く」とかって表現するよりも、ずっとリカバリーが容易いものとして…その気になればいくらでも回復しうるものとして捉えている表現なんですね。
 同じようなことが、『暗闇と戯れ合っては』というフレーズにも言えます。先が見えずに迷い苦しむことも「戯れ合う」という、どこか遊び心を感じさせる言い方にできてしまっている、というところがポイントなのではと。

 いやー、しかし、『悪いとこばっか見付けないで』なんて、今まで自分が散々やってきたくせに!とか言いたくなったりもしますが。まあ、これだけプラスのメッセージを発せられるようになってきたんだと分析してみると、そんな熱心なファンというわけじゃなくても、なんというか感慨深いものがありますな。


posted by はじ at 01:52| Comment(2) | TrackBack(0) | J-POPレビュー男性(ま行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ミスチルの最新曲「しるし」は、人気ドラマ「14歳の母」の主題歌になっただけあって大ヒットしましたね。早速、「ミスチルにとっての新たな代表曲が出来た」なんて評価も出ていますね。<br />
そして今月には新曲「フェイク」が発売されますが、http://www.youtube.com/watch?v=Srwt5q98bO4<br />
今回は40万枚限定シングルだそうです。と言うより、90年代のJポップバブル崩壊後のこのご時世に、40万枚限定と言う高いハードルを設定してしまったという自体凄いことです。まあ、曲はメロディーといい、歌詞といい、いつもの王道桜井節ですねえ。「フェイク」って要するに「偽物」という意味でしょう。
Posted by シスターチルドレン at 2007年01月07日 14:43
新曲などの話はできればメールか、レビュー書いてからか、最新メルマガ発行などの記事にしていただけると…<br />
この記事に関係ない話題で盛り上がっちゃうと、この記事ついて書きたい人が書きにくくなっちゃうといけないので、ご協力いただけると。<br />
<br />
「しるし」の時にも書くつもりですが、最近の桜井和寿は「清濁併せ呑む」スタンスですよね。この曲も悲観的なようでいて…<br />
あとはまたそのうちまとめて書きます。
Posted by はじ(管理人) at 2007年01月08日 14:43
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