![]() | ALL HANDS TOGETHER ソニーミュージックエンタテインメント 中島美嘉, SOUL OF SOUTH, 河野伸, George David Weiss, G.Douglass, Dr.kyOn このアイテムの詳細を見る |
<かつての繊細な歌姫は、チャリティのため熱いメッセージを届けられたのか>
昨年、猛威を振るったハリケーン「カトリーナ」によって大きな被害を受けた都市、ニューオーリンズ。ジャズ発祥の地とされるこの街へのチャリティとして歌っているのだそうです。
というわけで、曲調はいかにもなゴスペル。しょっぱなから声を張ったフェイクで始まったり、コーラスやハンドクラップも多用されていたりします。とりあえず去年くらいから「アメイジング・グレース」を歌ったり、NANA starring MIKA NAKASHIMA「GLAMOROUS SKY」を歌番組でアコースティックアレンジで歌ったり、前曲「CRY NO MORE」もゴスペル風味だったりと、歌唱力を磨いて発揮したい!みたいな方向性があるようですね。
昔の彼女は細い声で繊細さのある曲ばかりを歌っていて、それが(危なっかしさ含め)魅力なんだと思っていたんですが、この急激な転換はいったい何があったんでしょうね。180度くらい違うのに。まあ、何事も体当たりでチャレンジすること自体は悪くないと思いますが。
で、今回はチャリティの側面もかなり色濃いです。共に手をとり音楽の都に音楽を届けよう、というメッセージが基本ですが、それだけにとどまらず『メンフィスから 行きつけば/憧れの ニューオーリンズ』『東から贈る歌』などなど、「今回のチャリティのため」の歌なんだということをはっきり定義する内容になっています。固有名詞とか出さずに、普遍性の高い理念のみを歌い上げるパターンが多いこの業界ですが、はっきりと『ニューオーリンズに音楽を!』という姿勢を歌っているのはなかなか好感が持てます。
ただ、それだからいい曲かというとまた違うところが音楽の怖いところで…や、まっとうなこと歌っているんですが、今ひとつ感動にかけるような気がするんですよね…声がやっぱり向いていないような気が。まあミスマッチもひとつの味なんですけど、熱いメッセージ性とはやっぱりなかなか相容れないような。やりたいことなのかもしれないけど、自らの良さを生かしていないんじゃないかと心配です。