2006年08月21日

山下智久「抱いてセニョリータ」

抱いてセニョリータ (通常盤)
ジャニーズ・エンタテイメント
山下智久, zopp, 前嶋康明, 鈴木Daichi秀行, 仲村達史, 中村康就

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<母性本能をくすぐる、「強気、だけど…」な年下の男の子像>

 修二と彰「青春アミーゴ」を歌っていた、NEWS山下智久によるソロシングル。NEWS自体はただいま活動休止中ですが、主演したドラマ主題歌として個人で出した曲になっています。

 どうもいつの間にか「青春アミーゴ」の続編、という位置づけになっているようですが、それも頷ける「哀愁歌謡曲路線」の踏襲っぷり。明らかに修二と彰の成功を受けてできた曲だということは、間違いのないところなのでは。
 こういうレトロさのある歌っていうのは、まあこれを単純にカッコいい!と思う人にとってはもちろん、あえてこういう歌を歌ってしまうこと、あるいは歌いこなしてしまうことで、ユーモアとか幅の広さを魅せつける、みたいなところがあるんじゃないかなあと。本人そのものを曲が表しているんじゃなく、演劇のように、こういう曲を「うまく演じこなす」ことで評価を得るというような。

 さて、『抱いて 抱いて 抱いて セニョリータ』のサビが実に頭に残るわけですが、しかし「セニョリータ」が狙ってますねー。これこそこの曲のレトロなイメージの代表格って感じがしますし、そう思わせようと選んでいるんだと思います。冷静に考えてみると「セニョリータ」って言葉を自分がはじめて聞いたのは「ちびまる子ちゃん」の花輪くんのセリフだったんじゃないか、そうすると別にそんなレトロな言葉でもないよなーという気もしちゃいますが。
 それよりも注目は「抱いて」なのですよ。全体にぶっきらぼうで「あなた」に対して強気な言葉遣いをする「おれ」ですが、でもサビ頭、決めどころは「抱いて」なんですよねー。や、これだけだと「抱いて(ほしい)」じゃなくって「抱いて(あげる)」の意味にも取れることは取れるんですが、でもその後が『強く 強く 強く 離さないで』となっていることからしてもここは「抱いて(ほしい)」でしょう。

 『飾って格好つけずに そばにおいでよ』とか『もう楽にしてあげるから』とか言ってるけれど、なんだかんだで「抱く」側ではなくて「抱かれる」側なのです。これは別に矛盾しているわけじゃなくて、おそらく想定しているのは、≪年上の女性に対して一人前ぶろうとしている少年≫という主人公像なんですね、きっと。
 他にもちゃんと根拠はあります。たとえば、相手の女性を「おまえ」とは呼ばず「あなた」と呼んでいること。また、『女なんて/大人ぶって ガキあつかい』というフレーズ。この辺りを考えるに、相手がもし同年代かそれ以下だったら、こういう書き方はしないはずだろうなあと。

 歌い手の立ち位置を考えても、ここで「抱く」側で通すのは無理があるところ。そうではなく、強気で尖っているけど結局は『あなたのその唇が じれったいのよ』と「あなた」の施しを求めてしまう弱さ、少年らしさを見せることで、母性本能に強烈に訴えかける方向性なのでしょう。

 どうもジャニーズ、KAT-TUNあたりにも感じますが、ファン層を年上女性にも拡大していこうというような思惑があるような気がします、最近。あ、この曲はでも「セニョリータ」だから、本義的には独身女性ターゲットなんでしょうけれど。


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