2006年07月17日

GOING UNDER GROUND「VISTA/ハミングライフ」

VISTA/ハミングライフ(初回限定盤)
ビクターエンタテインメント
GOING UNDER GROUND, 河野丈洋

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<持ち味を生かしつつ曲構成への挑戦を/日常賛歌を素晴らしく響かせるために>

 ベスト盤も発売したGOING UNDER GROUNDのこのシングルは、今までの胸キュン系爽やかロックサウンドを踏襲した「VISTA」と、穏やかなシャッフルのリズムを打ち出して斬新さを感じさせる「ハミングライフ」との両A面シングル。


 これまでの路線に沿っていると上に書いた「VISTA」ですが、まったくいつもどおり、というわけではないです。4/4の中に2/4が挟まってきたり、3連のリズムがぐぐっと盛り込まれてきたり、突然のリズム転換が非常に頻繁に行われます。
 途中、いったん曲が止まり、またイントロのフレーズから再開するなど、ドラマティックな展開が仕込まれているんですね。『きみを景色に重ねてた/違う世界に生きていると思ってた』という考えから、『いまぼくらを つまぐ世界はひとつだろう』と感じるようになるまで、曲構成のダイナミックさが詞世界のストーリーをイメージさせてきます。また、前へ前へと進もうとしているような感覚も自然と匂わせることになります。

 このため、全体にかなり動きのある構成ではあるものの、滑らかなメロディラインとボーカルが安心感を与えてくれるので、せわしないというようなマイナスの感触はあんまりなく、まとまっています。
 こういう挑戦的な作りの曲を聴くと、バンドが成長しようとあれこれ試みているのが見て取れて面白いですね。 一方の「ハミングライフ」はまさに新境地。少なくともシングルでは常に直線をひた走るような曲ばかりという印象で、こんなに揺れるノリはなかったんじゃないかなと。
 「La La La…ハミングライフ in Tokyo」と繰り返すコーラスが、非常に印象的です。はじめにボーカルによって提示され、その後はコーラスがサビの『この街も あの街も 物語になる』と歌われるメロディラインの裏で歌っています。ふたつの旋律が同時に奏でられ、絡まりあうような構成になっているのですね。そこに、さらに切れ目のなく続いているストリングスも混ざってくる…そうして複数の旋律が渾然一体となり、うねりとなって聴き手に響いてくるのです。

 『人混みの中へ埋もれてしまっても/ぼくはぼくのまま きみはきみのままで/いられるかな』…都会に住んでいる人であれば、誰でもどこかで考えている不安が描かれています。そんな思いを抱きつつも、それでも『ぼくの目も きみの目も 同じようで違う』という気付きに思い至り、そして高らかに『ハミングライフ in Tokyo』が提示されます。
 シティライフソングの模範的な流れではないかなと思いますが、緩やかで広がりのある雰囲気や上記の複数のメロディの交錯などの要素が、「日常への祝福」といったささやかな幸せを願い、暮らしていこうとする曲の趣旨に非常に合っているなあと感じました。


posted by はじ at 02:31| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー男性(か行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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