2006年06月25日

SEAMO「マタアイマショウ」

マタアイマショウ
BMG JAPAN
SEAMO, Naoki Takada, Shintaro “Growth” Izutsu, Takahito Eguchi, SEAMO feat.RYUTA&Mountaineer Chef, RYUTA, Mountaineer Chef, Hiroto Suzuki

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<もう逢えない、でも/だからこそ「また逢おう」と呼びかける>

 さりげなくロングヒットしている哀愁系ヒップホップサウンドの楽曲。ラップ部分で切ない気持ちを滔々と語り、フック部分は提携のフレーズと耳に残るメロディラインで印象付けるといった構成も、W→X→Vm→Ymというコードのループも、すでにそれほど珍しいものではありません。が、こうしてじわじわと売れ続けているあたり、やっぱり需要が高いんだなあ、という気がします。

 『この手を離せば もう逢えないよ 君と/笑顔で別れたいから言う/マタアイマショウ マタアイマショウ』。
 離れ離れになる二人。悲しくて寂しいけど、でも最後は笑顔で別れたい。すごく切なくてキレイなシチュエーションで、どうも最近「別れ」をテーマにしたものではこのタイプの楽曲が目立ちます。
 実際のところ、現実ではこういうシチュになることってそうそうないですよね。普通もっとドロドロするもんだと思うし、後から思い返すならまだしも、まさに最後の場面で「あなたに出会えてよかった」と言い切るくらいのことって、なかなか出来ないと思うのです。
 だからこそ、こういうキレイなお別れの描写に、人は憧れるのでしょう。この曲の場合、『僕はとっても幸せでした(私もとっても幸せでした)』と視点の男性側だけでなく相手の女性側からのレスポンスもあり、非常に円満なというか、お互いわかりあっていることが示されている分、でも離れ離れに…という状況がより悲劇的で切ないものになるわけです。

 タイトルのカタカナ表記は、実はただ変わった書き方で興味を引くとかだけではなくて、ちゃんと意味があります。
 別れても「この先またいつかどこかで会えたらいいな」と無邪気に思い描く歌は多いです。そういう歌は、「また会えたらいいな」という希望を持つことで、相手への思いの深さだとか、別れの切ない想いを切り替えるための、前に進む原動力のような意味合いになってくるものです。
 しかしこの曲はそうではなく、本心では『わかってる きっと逢うことないって…』と、シビアに考えています。でも、「君」には「また逢いましょう」と言う。「笑顔で別れたいから」こそ、思ってもいないことを口にする。だからこそのカタカナ表記なのだと思いますし、そこにはなんとも言えない、「また会えたらいいな」とストレートに思う心情とはまた別種の、より胸を締め付けるような切なさが込められているのだと感じます。

 このSEAMO、元々はシーモネーターという名前で活動していた人。ヒップホップでひたすらエロ全開な内容の歌を歌っていたようですが、名前を変えて方向転換されているようです。この曲のような方向性は需要はあるものの、楽曲単位で流行りキャラが定着しにくいところなので、以降の活動に注目したいところです。


posted by はじ at 12:18| Comment(2) | TrackBack(1) | J-POPレビュー男性(さ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
女の方に「私も幸せでした」と言わせるのはやりすぎな気がしました。<br />
奇麗事言ってるだけで完結した過去の恋に未練たらたらの男の回顧の歌なんだから。<br />
<br />
「マタアイマショウ」はもっと一方通行な思いで、女の方はむしろこの男の顔も見たくない、状況だからこそ「マタアイマショウ」という言葉になるんじゃないのか。<br />
<br />
ほんとに別れる寸前だったらこんな穏やかな気持ちじゃないですよね。<br />
<br />
こんな恋多分存在しないんだろうけどだからこそ素敵で、綺麗で好きです。<br />
Posted by ばつげ at 2006年09月21日 23:13
はじめましてー。<br />
まあ、実際のところすごくエゴイスティックな歌ではあるんですよね。<br />
女性のセリフのところは()表記にもなってますし、もしかしたら男性側から都合よく想像した相手の気持ちなのかも、というのは考えました。別れを切なく演じたい!みたいな、そういうフシは感じられますよね。<br />
<br />
世の中の別れの歌って、非常にキレイなものが多いです。お互いに相手への想いが残っているけど離れ離れになってしまう、みたいな。死別とか遠距離とか、あるいは「じゃあなんで別れるんだよ!」みたいにツッコミ入れられそうなものもありますし。<br />
最近の感動系ドラマや映画もそうですが、やっぱり現実にはそうはないからこそ、「好きあったまま別れる」という切ないシチュエーションには、みんな惹かれるんでしょうね。
Posted by はじ(管理人) at 2006年09月23日 15:14
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Weblog: J-POP MUSIC
Tracked: 2005-01-01 00:00
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