2006年05月05日

Cocco「音速パンチ」

音速パンチ
ビクターエンタテインメント
Cocco, 根岸孝旨, 長田進

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<照れ隠しとしてのヒネりが加わった、新たな「はじまり」を求める歌>

 Cocco完全復帰を告げるシングル曲。前哨としては2005年にくるりメンバーとコラボし、こっこちゃんとしげるくん名義で「SING A SONG〜NO MUSIC,NO LOVE LIFE〜」を、SINGER SONGER名義でシングル「初花凛々」、アルバム「ばらいろポップ」を発表していました。そちらではすっかり明るくなった曲調で、これって本当に腕をどうしたとか腰がどうなったとか歌っていた人なのか、と驚いた方も多かったのではないでしょうか。

 で、今回はどうかといいますと。
 なんか暗めのジャケット、椎名林檎じゃあるまいし…な漢字+カタカナで表記された歌詞と、これってまたダークなんじゃ…と思ってしまいます。メロもマイナー進行だしね。
 でも、そうじゃない。サビではそれまでの硬いロックサウンドから一転、ふんわりした音とコーラスがついて、急に視界が開けたようになります。まるで光が差し込んできたかのような、何かを祝福しているような。

 言葉も、しっかり読んでいくと、内容は決して暗くありません。『サア 始マリノ接吻ヲシテ/初メテノ接吻ヲ』『甘エタ願イ/叶エテ賜レ』など、ポジティブに「求める」呼びかけが随所に見られます。
 この表記で、さらにやや過激な言葉を使っているので、なかなかそうは感じにくいかもしれません。でも、『ヤサシイ腕デ/ブチ壊シテ見セテ』というフレーズだって、この「壊す:break」はやはり「break out」=「始まる」ということを指しているのだと推測できます。
 言い方が過激なのは、それだけ激しい感情で「はじまり」を求めているのかもしれません。もしくは、沈黙をはさんだとはいえ急激な方向転換をしているので、このカタカナ表記や大げさな言い回しは、ある種の「照れ」のようなものなのかもしれません。今言いたいことをそのまま書いてしまったら、昔のイメージとズレが生じる…という気持ちがあったのかもしれないな、と。昨年の活動は別名義だったけれど、自分の正式な再出発となる今回は特に、ポジティブなメッセージをそのままポジティブに伝えると違和感があったのかもしれません。それは聴き手側でも、同じようなことを感じている人はきっといるはずですし。

 今回は、バンドサウンドでヒネった呼びかけでしたが、次回以降はどうなることやら。段々照れがなくなって幸せムードになっていくのか、それとも以前のようなダークサイドの楽曲も作っていくのか。楽しみですね。


posted by はじ at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(か行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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