2006年03月12日

WaT「5センチ。」

5センチ。
ユニバーサルミュージック
WaT, 華原大輔, 前嶋康明

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<ファンの理想を体現した、リアリティあるストーリーの中の恋人像>

 デビュー曲「僕のキモチ」もまずまずの売れ行きを見せ、昨年あたりから続々とチャートを賑わせている男性デュオ陣の中でも個人的に注目のWaTです。

 曲のポップさや俳優業や二人のタレント的な活躍などを見ると非常にアイドル的なんですが、にしては「以前からストリートで曲を自作して歌っていた」というエピソードがあり、「アーティスト志向」というイメージを醸し出しています。
 タレントとフォークデュオの中間、という立ち位置として自分なんかは認識していますが、ファンにとっては彼らは「音楽も本格的にできるマルチタレント!」と考えているのか、「俳優業やテレビのトークもこなせるアーティスト!」と考えているのか、その辺りはけっこう違うと思うんですがどうなんでしょうか。どちらにせよキャラクターがまず優先されるとは思うので、やっぱりアイドル的要素は持っているんだとは思いますが…

 この曲もまさに「路上フォーク」的な味わいを持たせつつ、しっかりとファンの心をつかむようなアピールも。
 基本的にはアレンジはシンプルです。派手派手な効果音は入れず、ギターとコーラスとストリングス。路上フォークの味を失わないよう、身近な音を主張できるようにしつつ、日本人のツボなストリングスだけはきっちり取り入れています。そして、なんといってもブルースハープ!技術がどうなのかとかは全然わかりませんが、これが鳴るだけでフォークっぽいしカッコよく見えるのは…なんでなんでしょうね。魔法のアイテムですわ。

 歌詞。ひたすらラブラブです。離れている間も『「5センチだって離れていたくない…」』と不安がる「君」に対して、『僕の想いは君から1ミリも離れてないよ』と「離れていても心はひとつ」を優しく言い聞かせている、というのが大まかな構図ですね。
 上でも「5センチ」とか「1ミリ」とか出ていますが、その他『午前三時君からの電話』とか、『五分おきに君からの/エンドレスなメール届いて』とか、具体的な数字が出てきているのがポイントで、状況がはっきりと伝わってきます。こういうのって素人が書くと、ただ「そばにいる」とか「夜遅く」とか「いつでも」とか、何故か抽象的/ぼやかしがちになるものですが、リアリティを出そうとするならこうして数字をはっきり示したほうが効果的です。この曲の場合もまさに「リアリティ」を聴き手(=彼らの女性ファン)に想像してもらうのが重要課題なわけで、非常に効果的だよなあと。

 しかし…真夜中の電話とか5分おきのメールとか、正直そりゃやり過ぎちゃう?っていう感じですね。まー恋する女の子のキモチはそうなんでしょうきっと。それを『君のわがままや束縛 涙さえも愛しくて』と言えちゃう「僕」はスゴいやつです。理想的な彼氏像です。でも実際の男子諸君はたいがい引くと思うのでくれぐれもご注意を。
 っていうかこの曲も、「心ではちゃんとつながっているからさあ、そんなに連絡してこなくていいよ」みたいな本音をうまいこと言い含めている歌なのかもしれない…とも思えてきました。それはないでしょうけど…


この記事へのコメント
初めまして。<br />
ウエンツくんに長いことときめいているWaTファンです。<br />
『僕のキモチ』と『5センチ。』のレビューを読みました。面白かったです。<br />
私は音楽はイエモンとスピッツしか聴いてなかったので、メジャーデビューして初めて彼らの曲が聴けた時に、歌詞がストレートすぎだし、曲もシンプルで面白くないかもと思ったのですが、不思議なことに『僕のキモチ』はいつまで聴いていても飽きず今もずっと聴いています。大好きです。<br />
管理人さんが、アイドルを自覚したシンガーソングライターで革新的とおっしゃってましたが、目からウロコでした、まさにそうかもしれません。アルバムに収められていたストリート時代の曲は、青春の真ん中で悩む若者の言葉が何曲にもわたって重ねられていましたが、メジャーデビューして発表したものはストレートで明快なラブソングで、赤裸々青春ソングは苦手な私には、嬉しい成長と思えました。<br />
そしてストレートでリアルなラブソングも聴いてみると乙女心にきゅんとくるものですね。見事にやられてます。<br />
『5センチ。』の歌詞は実際はウエンツくんがほぼ書いていると思われます。束縛は付き合っている二人の間での特権だと気づいたと語っていました。ハタチでも大人でどきどきします。<br />
また彼は吉井さんの大ファンであんな詞を書けるようになりたいそうなので、私もますますのWaTの変化を<br />
期待しています。<br />
吉井さんのレビューもうなづいてばかり、面白かったです。
Posted by えみ at 2006年05月03日 06:09
お返事遅くなりましたー。<br />
昔の曲はもっと悩み系だったのですね。その辺りはやっぱりメジャーデビューに合わせて意識して変えてきたのかもしれませんね。
Posted by はじ(管理人) at 2006年05月13日 17:00
はじめまして、いつも楽しみに拝見させていただいてます。<br />
僕この曲好きなんですよ。<br />
ラジオで聞いたのが最初なんですけど、「誰の曲や〜」思ってたらウエンツやん!!<br />
おもしろいっすわー、ほんまいろんな意味で驚きますわ。<br />
なんか女の子には小池君が人気あるみたいですね、僕はウエンツの方が好きですが(笑)<br />
多少の本音を隠してるのは確実でしょうね。結局は「なんぼ言われても全部君の思うようにはやってあげられん、わかってくれ!」って曲やと思うし、そのラジオで「僕は仕事とか友達といるときはメールきても一切返しません」って言うてましたからね。<br />
更に驚いたのが、僕ウルフルズが好きでラジオも雑誌もほとんどチェックしてるんですけどトータス松本が至るところで大プッシュしてるんですよ。5センチ。<br />
「最近の曲はようわからんのが多いけど、久々にバシっときたわ。俺には歌えんけど、あの曲はええ。今の彼らにしか歌えん曲」だそうで。<br />
確かにそうですね。はじさんも書かれてましたけど、彼らがあの声でああいうキャラやから聴けるんだと思います。未熟で青臭くてこの先いい方向に行くか、悪いか方向に行くか予測不能な不安定さがいいなーと思ったり。おっさんがWaT応援するのもどうかと思いますが、長い目で見たいアーティストですね。
Posted by タカシ at 2006年10月12日 18:17
はじめましてー。アツいご意見ありがとうございます!<br />
自分はあんまりテレビ観ないんですが、でもその中でもウエンツのプロ根性は凄いなあと感じるのですよ。それがこの曲のような聴き手を考えた言葉を生み出すもとになるんでしょうし、芸人バリのパフォーマンスになるんだろうなと。<br />
<br />
トータスさんが押すっていうのは、なんだかわかる気がします。実際のところ、そこらのロックバンドより言葉がストレートですからねー。方向は違えども。
Posted by はじ(管理人) at 2006年10月16日 23:43
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