2006年01月07日

ゆず「超特急/陽はまた昇る」

超特急
トイズファクトリー
ゆず, 岩沢厚治, 寺岡呼人, 北川悠仁

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<二人それぞれの個性を味わわせてくれつつ、基本路線からは一歩たりとも踏み出さない清々しさ漂う2曲>

 ダブルタイアップの2曲を本日は紹介。「超特急」は岩沢厚治、「陽はまた昇る」は北川悠仁の曲で、どちらも正当な「ゆず」らしさを持ちつつもそれぞれのキャラクターが出ているなあと感じました。

 「あいのり」タイアップの「超特急」ですが、恋愛要素はまったく出てきません。さわやかな曲調やイメージが選ばれた大元の理由なんでしょうが、しかし実は詞だけ読むとかなり「男臭い」曲だったりします。『誰も彼もが皆 叫ぶことをやめた/つまんねえぞ なぁ?』とか、字面だけ見れば、長渕剛が歌っても合いそうな感じですし。そんな苛立ちと、『まともに飲み込んじまった/現実を…』という「オトナになっちゃった」感、また『強がって 憧れて そして忘れた』というような何か悟りめいた回想が同居しつつ、突き抜けるような枠を感じさせない楽曲と歌声の中に溶けているのがすごいところ。
 過去を振り返ったり、世を憂えてみたりしたいるのに、それこそ「超特急」のスピードで駆け抜けてきた、そしてこれからも走り続けることに、『もう帰れない あの日にさよなら…』と、寂しさを覚えつつも、ためらいはありません。「あの日」は戻らないけれど、「あの日」と同じペースで走り続ける、同じ夢を見続ける、そんな生き方を崩そうとはしていません。

 さて、「陽はまた昇る」もまた、『まだ見ぬ明日へ走り出そう』と「走る」ことを呼びかけています。しかし、ひたすら潔く突っ走る「超特急」とは違い、『さぁ今 探しに行こうよ』『差し込む光へ手を伸ばそう』『君と描こう夢の続きを』というように、「君」に共に走ることを呼びかけているのですね。というより、メインは「君」です。
 この曲、冷静に見てみると、『誰の下にも陽はまた昇る』という主軸のメッセージ以外のすべてのフレーズは「語りかける」形で書かれています。相手に呼びかける、誘いかけることを最重要項目に置く。そんなスタンスが、はっきりと現れています。

 アーティスト気質の岩沢厚治と、ラブソング職人の北川悠仁。どこまでも高く伸びやかな岩沢厚治の声と、親しみやすさに溢れた北川悠仁の声。それぞれの個性が好対照な2曲になっているなあ、と思いました。


 それにしても、今回どちらの曲も、二人でギター弾き語りでもじゅうぶん通用しそうな2曲ですよね。っていうか、2人での弾き語りからできたんじゃないかっていうくらいです。
 いまだに原点に忠実な楽曲を生み出し続ける、そのセンスとモチベーションの持続はただ感嘆するばかりです。もっと他の、まったく違ったやりかたでの曲作りに手を伸ばしてもいいんじゃないかと思ったりもしますが、このままわが道を行き続けるのかなあ、それが彼ららしいかなあ、やっぱり。


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