![]() | Link/Promised land 2005 KRE L’Arc~en~Ciel×P’UNK~EN~CIEL, L’Arc~en~Ciel, hyde, P’UNK~EN~CIEL このアイテムの詳細を見る |
<ポップな曲の中に息づく、静かな力強さ、そして世界の「浄化」を待ち望む想い>
アルバム「AWAKE」も出したばかりで、この新曲。相変わらずハイペースなりリースラッシュを続けているラルクです。
さて、今さら強調するまでもなく、非常にポップでさわやかな一曲です。活動再開後はずっと明るい、というか陽性で開放感のあるシングルを出し続けてきた中でも、ここまでポップに振り切れている曲はなかったなあと。過去を総ざらいしてみても、「C'est La Vie」「I Wish」「milky way」くらいじゃないでしょうか。
とは言っても、上の三曲はどれも「今」のハッピーな瞬間を切り取ったというタイプの曲なのに対し、今回の「Link」には、過去から連綿と続いてきた時間の流れが詞に反映されています。『覚えているかい?/幼い頃から爪先立ちで届かない扉があったよね』という歌いだしがまさにそれを表していて、過去から現在を結ぶ時間軸がはっきりと提示されています。だから何だ、というと、ただ「今」を歌うよりも、ずっと確かな安定感が詞に出てくるのですね。
この「過去」は、二人が離れていても『繋がり合う想い』(=タイトルの「Link」)があると信じられる、その根拠にもなっているわけです。曲調の明るさは確かにポップですが、ただ賑やかで楽しげだというだけではなく、確かな安定感、静かな力強さのようなものが漂っている一曲だと感じます。
ちなみに『届かない扉』というのは、歌詞中で明確につながっているわけではありませんが、おそらく『望まれる明日がその先にある』のでしょう。
誰の心の中でもきっと待ち望んでいるけれど、誰もずっと開けられず、そして忘れてしまう。そして現実は『傷つけ合うのを止めない堕ちていく世界』のまま変わらないのです。「僕」は「君」がいればそんな世界でも大丈夫だとは言いますが、この世界を変えよう、とは別に思わない。その代わり、『いつか生まれ変わる世界がその目に届くといいな』と、世界が一新されることを夢見ています。
こういう「浄化」「転生」的な考え方は、いかにもhydeの美学らしいなあと。