2005年08月12日

森山直太朗「小さな恋の夕間暮れ」

小さな恋の夕間暮れ
ユニバーサルJ
森山直太朗, 御徒町凧, 渡辺善太郎

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<等身大視点へ回帰するも、雰囲気重視の言葉選びは変わらず>

 「さくら(独唱)」「夏の終わり」のブレイク以降、「太陽」「生きとし生ける物へ」「時の行方〜序・春の空〜」どうも壮大なほうへ壮大なほうへと行きたがっていた感のある森山直太朗ですが、ここにきてタイトルどおりの「小さな恋」というとても個人的な歌を歌っています。
 で、これは正しい選択かなと。この人のメロディラインってすごく和の雰囲気を出すけれど、そんなに息の長いフレーズになっているわけじゃないですし。ぽつぽつと言葉をこぼしていく、という方が近いです。また、歌い方だって、地声からさっと裏返ったり、細かい変化が多いのはご承知の通り。ファルセット(裏声)の抜けは遠くへの広がりを感じさせたりはしますけれど。
 総じて、和の親しみやすい感じを出しつつ、こういうささやかなテーマの曲を歌うほうが、似合っているんじゃないかなと思います。そもそも「さくら(独唱)」だって、友との別れを歌った身近な関係性の歌だったわけですし。
 壮大な曲を用意されて、そこに乗っかるんならかなりアリだとは思うんですけど、たぶん彼は自作曲で行きたいでしょうし。

 詞はとても情景的です。
 一読すれば、、きっと誰もが単語の選び方にかなりのこだわりを感じるでしょう。ただその選び方の基準というのは、「意味を含ませる」という意図はあんまりないように思います。そうではなく「イメージを膨らませる」ことに、最大限の力を注いでいる印象。
 たとえば最後のほう、『遠ざかる君の背中 人波に攫われて』という一節があります。これ、実際に風景を想像すると、全体の夕焼けの中の淋しげな雰囲気に合わない気がするんですよね。人、周りにいっぱいいたのか!みたいな。もっと誰もいない状況を想像させるので。でも、これはきっと「人波に攫われて」という言葉の持つ「はぐれてしまう」感じを取り入れたくて使っているんだと推察できます。ただ「遠ざか」って、離れていくのではなく、埋もれてしまう、気づけなくなってしまう、そういう含みを持たせたかったのかなと。

 それと「夕間暮れ」って言い方はけっこうメジャーなんですね。知らなかったので造語かとはじめ思っていたんですが、一発変換されますし。
 この単語の解説はこちらが詳しいので、知りたい方は行ってみては。


posted by はじ at 01:28| Comment(2) | TrackBack(1) | J-POPレビュー男性(ま行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。<br />
AKさんのブログから飛んできました。<br />
<br />
「小さな恋の夕間暮れ」好きな曲です。前奏からしてツボなんです。<br />
<br />
「遠ざかる君の背中 人波に攫われて」は、久しぶりに街で出会って、また別れていく背中を見つめながら、昔を思い出しているような気がしていました。<br />
「小さな恋〜」以降、情景が浮かびやすい歌詞で、私としては親しみやすいです。
Posted by はる at 2006年01月13日 01:25
はじめましてー。<br />
<br />
なるほど、久しぶりに会った情景…ですか。それもなんだか切ない感じでいいですね。程よい切なさ、というか。<br />
自分も情景描写が豊かな詞は大好物です。森山直太朗は、これからもこういう曲を作っていってほしいですね。
Posted by はじ(管理人) at 2006年01月14日 01:57
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Tracked: 2005-01-01 00:00
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