2005年06月26日

タッキー&翼「仮面」

仮面/未来航海(ボーナス・トラック1曲収録)
エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
タッキー&翼, 小幡英之, 鈴木雅也, 森元康介, 田形美喜子, CHOKKAKU, TAKESHI, 久保田光太郎

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<「非日常的」「手の届かない」「憧れ」の存在としての、正統派アイドル像>

 SMAP、KinKi Kids、V6、嵐、NEWSといった「等身大さわやか路線」が90年代ジャニーズの方向でしたが、最近は関ジャニ∞やこのタッキー&翼といった、こってりした世界観もまたじわじわと盛り上がってきています。トラジ・ハイジ「ファンタスティポ」なんかも、ディスコ色溢れるキラキラした曲でしたしね。

 見て取りやすいのは、詞の立ち位置の違いです。上に挙げたような「等身大」路線のみなさんの歌というのは、どこにでもいるような男の子が主人公に据えられた歌が多いのに比べ、彼らタキツバ(うちの妹はそう略していました、確か)は前回の「愛想曲(セレナーデ)」もそうでしたが、「語り部」的な視点から紡がれた歌が目立ちます。物語を語っているかのような、違う世界へいざなうような、「非日常」へと手を差し伸べてくるもの…それが彼らの立ち位置なのですね。
 もともとアイドルやスターというのは「憧れ」を集めるもので、「非日常」にある存在なのです。その意味で、彼らは正当なアイドルの系譜を継承していると言えます。
 今回は「仮面」というタイトルからしてもう「非日常」的なアイテムなわけで。しかもそれだけではなく、『花になれ 空になれ 夢になれ』…などなど、単に日常→非日常という一本の流れではなく、さまざまなものに変化する複数の顔を操っています。「変幻自在」というのが中心にあるテーマらしく、たとえば「ふらふら―はらはら―ゆらゆら―めらめら」と音を統一した修飾とか、『金の 金の』『目も眩む 目も眩む』と言葉を重ねたり、サビは同じ流れを二回繰り返す構成だったり、そもそも全体がリズムの統一された、整った形式を持った詞だったり、と…曲全体が、ひとつではなくふたつ以上の複数へと広がっている作りになっています。
 さらに、雅語的(あくまでも「的」ですけど)な表現の多用。これもまた、「現代的でない」→「現実でない」、非日常性をアピールすることにつながってきます。で、それを歌う彼らもまた、「非日常世界の住人」というイメージになるわけで。ここ10年は続いてきたジャニーズの「等身大路線」とは真っ向から逆をいくパターンで、とても興味深いです。「身近な存在」としてではなく、純粋に「手の届かない憧れ」を求める意識が、しばらくぶりにファン層の間に広がってきているのではないかなと。

 なんかタイトルだけで少年隊「仮面舞踏会」を連想するわけですが、曲の類似性にとどまらず、今のタッキー&翼は、ジャニーズの歴史の中ではその少年隊あたりにもっとも近いような感じがします。
 とはいえもう1曲の「未来航海」はさわやかだし、ジャニーズも完全に路線をシフトするつもりもなさそうですし、「等身大=日常」「憧れ=非日常」の両極を同時展開していくつもりなのかなーと。


posted by はじ at 00:29| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー男性(た行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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