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<ライトな共有感覚がどのくらい好まれるか、の「指標」としての役割>
いつもよりも、少しだけアップテンポめかな(たぶん「名探偵コナン」のオープニングだからでしょう)という印象ですが、あとはもう、いつもと同じZARDです。もっとも、これまで「いつものZARDじゃない」なんてシングルがあった覚えもないですが。
マンネリ…とは呼べない域ですね。これは。『君だけは変わらないでいてほしい』って、そっくりその言葉をお返ししてあげたいです。
でも、「いつものZARDだ」で終わらせないために、ちゃんと目や耳を引かせる工夫もしているんです。『同じ臭(ひかり)を感じてた』なんていうツッコミどころとしての無茶な当て読み、『低空飛行をやめ エンジン全開で』などのカタめの言葉をぐぐっとメロディに詰め込む手法など…特に後者は、今回は特に多いです。「変わらないなあ」という一般イメージを崩さない範囲で、毎回、その曲その曲を印象付けやすくするテクニックを駆使しています。
ZARDは変わりません。揺るぎません。
多くのバンドは自らのやりたいことに合わせ方向性を変えたり広げたりしますが、ZARDは変わりません。
ジャニーズやハロプロなどアイドルポップス業界は、受け手のニーズの変化を考え、時流に沿った曲やキャラを作り出していきますが、ZARDは変わりません。
なので、ZARDの曲がどの程度ヒットするか、というのは、受け手側の変化を見るのにはちょうどよい「指標」になります。
この「星のかがやきよ」は初登場2位。実に6年ぶりのトップ3入りだそうです。コナンタイアップによるところもあるのでしょうが、この結果は、一時期よりも受け手側が「ZARD的なもの」を受け入れやすい環境になっていることを示しているのではないでしょうか。
では「ZARD的なもの」とはなんでしょう。
タイトル=サビ、というわかりやすいキャッチーさ。清涼感ある声。アクの少なさ、聴きやすさ。
そして、「ライトな」共感性。Dreams Come Trueやaikoが生々しさを伴う楽曲で深いシンクロを誘うのに対し、「うんうん、そういうのあるよね、わかるわかる」といった程度の、最大公約数的な共感。
長々と展開される連続ドラマではなく、その合間に流れて一息つかせるCM的なもの。そんな、ディープではないライトな「共感」を誘うのが、ZARDの本分なんだと個人的には解釈しています。
というわけで、またしても「ポップへの回帰」のお話でした。