2005年04月10日

ORANGE RANGE「*〜アスタリスク〜」

*~アスタリスク~
ソニーミュージックエンタテインメント
ORANGE RANGE, 出川哲朗

このアイテムの詳細を見る


 なんかネット上ではいろいろ紛糾されていたりしますが、とりあえず人気はまだ翳っていないようです。二週連続一位ですし。
 やっぱり、「わかりやすい」のがウケる要因なのでしょうかね。タイトルでちょっとフザけておいて、中身はひどく真っ当な「夜空」にちなんだメッセージソング。裏の読みようのないストレートな呼びかけを、ラップで畳み掛けてくる、と。デジタルサウンドもギターも取り込んで、と、このとにかくあれこれ「良さげなもの」詰め込んだスタイル(「ミクスチャー」でしたっけ)は、多数の人を惹きこもうとするには確かに合理的です。

 で、レンジのそういう手法を「薄っぺらい」「オリジナリティがない」と非難する人の気持ちっていうのも、まあ、わかります。
 ただ、ミクスチャー=いいとこ取りと簡単に言っても、その「いいもの」の選び方や混ぜ方や再構築の仕方というのは、やはりある種のセンスが問われる部分なわけでして。コラージュっていうものが芸術の一分野として認められているように、あれこれ組み合わせて新しいものを作るということに、もうちょっと寛大になってもいいんじゃないかなあと思います。
 ま、本人たちが軽率にパクっているとか発言しちゃうのも、問題の一端なわけですが。

 で。
 やっぱりレンジの「いいとこ取り」に拒否反応を示してしまう人というのは、JPOPに対して、「アーティスト志向」というようなものを、やや過剰に持っている人なのかなあと思ったりするんです。「オリジナリティ志向」と言っても良さそうですけど、つまりその人の個性が発揮されたもの、独創的なもののほうが価値がある、という考え方ですね。人に作ってもらうよりも、自分で作詞作曲するほうが絶対にいい、そうであるべきだ、みたいな。
 自分の経験としては、90年代にはそうした空気が確実にあったと思うんですよね。そうした流れを知らない若い世代には、「いいとこ取り」のレンジは受け入れられやすいけれど、「アーティスト志向」を持つ自分と同じかそれより上の世代の人というのは、かなり抵抗があるものと思います。
 この辺りの感覚の乖離が、あるいはCD売り上げ枚数の低下とかにもつながってきているのかもしれません。新しい世代の音楽を受け入れられない世代(ここで菊地成孔が言っているところの〈90年代ノットデッド〉派)がいて、さらにどうもヒットチャート上位曲を毛嫌いする人も増えたような感じで、非常に嗜好が分散している結果、大ヒットが生まれにくくなっているのかなあと。


 最後のほう話が飛躍しましたが、とりあえずレンジの手法に関してはあんまり文句はないです。こういうことネットで発言するの怖いんですけど。
 ただし、それと「じゃあこの曲はいいと思うか」はまた別の話で。ラップ部分の韻踏みがないあるいは非常に弱いのとか、サビのリズム感や言葉の乗せ方にどうしても違和感感じるのとか、彼らにはやっぱもっと阿呆で能天気な曲を作ってほしいなあとか、そういう思いがいろいろと。
 一点、『点と点を結ぶ星座のように 誰かにとって/僕らもきれいな絵 描けてたらいいね』なんて表現は「互いのつながり・想像力の広がり」を意識させられて、けっこう好きだったり。ラップ部分だというのに、もはや韻も何もないですが。


posted by はじ at 15:06| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー男性(あ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。