2004年10月29日

RIP SLYME「黄昏サラウンド」

黄昏サラウンド
RIP SLYME
ワーナーミュージック・ジャパン

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 リップは、自分の知っているヒップホップグループの中で唯一、浮遊感ある楽曲を作り出してくるグループだなあと。決してベタッとせず、サラッと、ふわふわとした雰囲気が、わざとらしくなく自然にかもし出されていて。きっとこれはRIP SLYMEというグループから切って離せないものなんだろうなと思うわけです。
 で、この浮遊感が、陽性というか楽しげな方向に傾くと前回の 「GALAXY」みたいなお遊び要素の強い曲が生まれるし、陰性に入ると今回のような、気だるくふさぎがちな曲になるんだろうなあ、と。

 まあこういう種の、ドロドロはしてないけど暗め、ってな曲は好物でして。
 まさに「夕暮れ」じゃあなくて「黄昏」っていう色彩が当てはまるトラックですよね。物憂げなギターはもちろん、旋律はほとんど和音の根音で締められたりはしないためにまとまってしまう感じが薄らいでいるし、穏やかにマイナーへと移り変わっていくコード進行のループとかも、太陽が沈んだ後の、景色が輪郭を失ってゆっくり闇に溶けていくあの感じが出てますね。
 で、景色だけでなく、そこに合わせて描かれる感情もまたダウナー気味。基本的には夜になってみんなで集まって・・・という内容なわけで、それだけならケツメイシ「君にBUMP」と同じ状況のはずなのに、テンションはもう正反対。『別にここにいたいわけじゃないんだ/ただなんとなくいるんだ/理由はないんだ』と、なんとなく流されるままの日常を写しこんでいます。
 特に『なんでこのままじゃいられないんだろう?』『君といたいだけ』というような、変化をこばむ姿勢が見て取れます。居心地のいい夜と『不愉快な朝の色』を何度も繰り返しつつ、気分はずっと「黄昏」のまま、抜け出そうとせずにぼんやりと過ごしていくだけ、という。
 なんとなく憂鬱になる時って、こんな感じですよね。特に落ち込む理由があるってわけじゃないためにむしろ、立ち直るきっかけをつかめずに、ずるずるふさぎ込んだままになってしまったりとかして。
 まあそういう時ってのは、変に気張って元気を出そうとするよりは、この「黄昏サラウンド」みたいな曲を聴いて、軽い憂鬱に浸ってみるほうが適切かもしれません。


 にしてもMCはことごとく声が細いのに、なんだかんだいっても聴けばリップだとわかるんですよね。これはちゃんと個性あるからなのかなあ。とにかく、薄めでも押し付けがましくないから心地よいというのはありますかね。


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