2004年10月06日

加藤ミリヤ「Never let go」

Never let go/夜空(CCCD)
加藤ミリヤ, Miliyah, ILLMATIC BUDDHA MC’S
ソニーミュージックエンタテインメント

このアイテムの詳細を見る


 あちらこちらで「ポスト宇多田だ」との呼び声高い、加藤ミリヤのデビューシングルです。
 えーと、そうですか?うーん。

 宇多田ヒカルと共通する点。音楽がR&Bで、まだかなり若いのに自ら作詞作曲をこなしている、というとこですか。確かにちょっと15歳とは思えませんね。
 ただ、だいたいの雰囲気は似てますけど・・・というかパッと聞きだとR&Bはだいたい同じように聴こえてしまう人が多いからとか、もしくは話題づくりのために宇多田を使っている、としか思えないですね。以下、検証。

『もう振り返らないで そう遠くへ行って/そんな悲しい瞳をしないで』
 「Never let go」冒頭部です。いきなり突き放したような出だしですが、これって「恋人よりも自分の夢を選ぶ」という歌なわけでして。恋愛至上主義になりがちであろう彼女の年代を考えると、非常に特殊に思えるというか、オトナな感じですね。

『七回目のベルで受話器を取った君』(宇多田ヒカル「Automatic」)
『夜中の3時a.m. 枕もとのPHS』(同「Movin' on without you」)
『最後のキスは/タバコの flavor がした』/ニガくてせつない香り』(同「First Love」)
 で、こちらが宇多田デビュー頃の曲の冒頭。こちらは、ドラマ性を感じさせる、かなり具体性ある描写になっています。まあだんだんとこの傾向は薄れてくるんですけど、たとえば宇多田であったら『そんな悲しい瞳』などとは言わずに、どんな瞳なのか/どう悲しく見えるのか、を述べると思うのですよ、今でも。
 宇多田に比べると、加藤ミリヤはやはりその辺の具体性が足りないかなと。全体を通して、テーマが鮮烈なぶん印象的には思えますけど、実際の言葉を拾っていくと、いかにも「歌詞によくありそうな」表現が並んでいるように思えます。ばっさり切り込んでくるような表現が見当たらないんですね。
 まあそれは別に悪いことってばかりでもなくて。宇多田のドラマ性とは異なってきますが、平易なメッセージが並んでいることで、一通りの隆盛を誇っている青春パンクに通ずる「わかりやすさ」を持っています。今の聴き手に受け入れられやすいタイプであるとは言えるでしょう。
 なので、曲調は確かに宇多田寄りですけど、詞はどちらかというとMISIAに近いですね。近いといっても、また毛色は違うと感じるんですけどね。「シンプル」と「ストレート」の違い、かな。

 歌い方も、「R&Bです」と主張しているかのようで。テクニックや雰囲気は出てるんですけど、「出そう」としているのも出てるというか。もっと肩の力を抜いて歌いこなせるようになるといいと思います。宇多田の後釜を名乗るなら、余計にですね。あの人すさまじいほど自然体だし。

 てなわけで、自分としてはTiAのほうが期待度は高いです。こっちは宇多田、あるいは加藤ミリヤの目指す大人っぽさとは違い、若さ初々しさが武器なんですけど、自然に歌うって点は宇多田に近いです。
 加藤ミリヤ、中学時代は生徒会長ってことですけど、音楽も優等生な印象です。悪くはないんですけど、もっと味があってもいいんじゃないかなと。


posted by はじ at 12:13| Comment(0) | TrackBack(1) | J-POPレビュー女性(か行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

ヒカル、先行逃げ切り。
Excerpt: 宇多田ヒカルが全米デビューするというニュースはちょっと古いのですが…。 UTAD
Weblog:   【一突人生】
Tracked: 2005-01-01 00:00
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。