![]() | My Life 徳永英明, 古川昌義, 西脇辰弥 ユニバーサルミュージック このアイテムの詳細を見る |
息の長い活動をしてらっしゃいます。「輝きながら・・・」も「夢を信じて」も「壊れかけのRadio」も、過去のヒット曲としてなんとなく聴いたことがある程度の自分としては、「たまに何だか暗めの歌をリリースする人」という認識だったりするんですよね。たぶん「青い契り」のイメージが強いんだと思うんですけど。すごくウェットな情感のある声をしているんで、歌い上げるバラードが印象に残りやすいんだとは思います。っていうか印象強いです。この曲も有線で耳にして「おっ」と思いましたし。
とにかく声が断然、耳に残りますよね。冬に白い息を吐くときのように、「歌」が口からこぼれてくるようなイメージまで浮かんでくるような。で、小田和正よりもずっと感情的な歌い方で。いや小田和正が感情的でないってことじゃないんですが、うーん、感情的よりも「情念的」って言い方のほうがいいのかな。ドロドロしたものが根底にあって、それが聴き手の胸を締め付けてくるんですね。歌い回しが楽譜通りでなく、演歌のこぶしじゃないですがかなり緩急つけていたりとか、そういう部分もかなり関係してくるんですけど。古き良き歌謡曲テイストというか、日本的な湿り気があるんですよね、声にも曲にも。で、ひたすらそこで勝負している感じがします。時代性とか関係なく、わが道を行ってますよね。
特にこの曲は、普通の4/4拍子のスローバラードなのに、ところどころ三連符のリズムが混じっていて、リズムの揺れでも聴き手を揺さぶってきます。こういうテクニックは好きなんですよね。歌は少々、感情押し付け気味に感じてしまうんですけど。
詞の内容は言ってしまえば「できなかったこと大変なこと迷うこと、いろいろあったりもしたけど、でも夢を信じて耐えて行くんだ、『それが僕の生きる道だからと信じ』ていく」ということです。なんとなく、つい最近まで喉の手術やレコード会社移籍などで歌手活動に空白期間のあったという徳永英明本人の状況と照らし合わせてみたくなりますね。