![]() | 流星 (CCCD) TiA, 小林夏海, 河野圭 ERJ このアイテムの詳細を見る |
前回、デビュー曲「Every time」をベタ誉めしました、弱冠17歳・TiAの2ndシングルです。
デビュー前、中学生時代に作ったという、完全に自作だった前作とは異なり、今回はアニメエンディングのタイアップということもあるからか、詞・曲ともに共作者の姿が見えます。そのせいか、ちょっと歌い方が窮屈めになっている感が。伸びやかな声は、小柳ゆきよりも肩肘張ってなく、MISIAよりもブルージーでないぶん健全なつややかさがあり、相変わらず魅力的なんですが、詞の言葉の流れよりもメロディラインをなぞることに意識を置きすぎている感があります。
本当に自由自在に歌っていた前作よりも、ちょっと曲を自分のものにできていないかなと。まあきっと人の手が入った歌を歌いこなすのは初めてなんでしょうし、しょうがないかなとも思いますが。
詞、うん、いいんじゃないかな。うだうだ悩む曲が多い昨今、『「自分らしさ」なんて
考えても意味なんてないね』『迷い続けることが ひとつの答えになるよ』と、すぱっと言ってのける17歳。うん、爽快。みずみずしさに溢れてます。こういう言葉を自然につむげるセンスがあるので、これからにとっても期待。
ただ、まだ多感な時期ということもあって、既存のフレーズ、節回し、定型句に毒されてしまわないかだけが心配で。まだ無意識で言葉を織り成しているっぽいので、意図的戦略的に曲を作っていくこれから、どこかで聞いた言葉を知らず知らず使ってしまうようなことがありそうで。今回も、『「何が間違っているのだろう?/何が間違っていないのだろう?」』ってな自問自答は、とってもありがちなので。
また、共作ということで、その道のプロが「売れる」「惹きつけられる」狙ったフレーズを取り入れようとしてくる、ということも考えられます。そんな方針になったら、せっかくの彼女の感性が台無しになってしまいそうで。うーん。
なので、ぜひ大事に育ててもらいたいです。できるだけ好きなように作って歌わせてあげるほうが、才能を伸ばすことにつながってくると思いますが、そんなことここで言っても仕方ないか。