SMAP
ビクターエンタテインメント (2007-12-19)
売り上げランキング: 6471
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<歌詞のキーポイントは「共感」と「整合性」>
前作から1年以上のスパンを置いての新曲は、デジタルな音を駆使したちょっと風変わりなアップテンポ。
「今までにない」タイプの楽曲ですが、それは何も今回に限ったことではなく、あの「世界にひとつだけの花」大ヒット以降から、実験作というか王道を行き過ぎないタイプの曲を歌っているように感じていまして。国民的ヒットシングルで「あがり」にならないよう、意欲的にチャレンジをしてきている点は評価したいところです。
わりと周りから不評を聞くので、そうすると褒めるところを探すクセがあるんですけど、確かに今作は「意欲」はわかるんですが、大ヒットする類の楽曲ではないかなあというのが正直なところ。
歌詞に関しては、これは昔のSMAPぽいですね。
『ナイス当たりで 罠にはまるか/たなぼたサンキュー エースに変わるか』なんて、「はだかの王様〜シブトク つよく〜」とか「ダイナマイト」辺りのあの頃のコミカルさ、やんちゃさを思い出します。
年相応じゃないのでは?という声もありますけど、個人的にはこれはOK。
「世界にひとつだけの花」の次に出た「友だちへ〜Say What You Will〜」のときに、こんなマジメな方向ばかりになっちゃうのかなー、と寂しく思ったりしていましたしね。
ここ数作はわりと精神年齢が高めのシングルが続いていたので、そのイメージが強くなっているのかもしれないですし、あるいは事務所の後輩達が活発な活動を展開しているので、間を長く空けていたうちにコミカルさ若さのイメージは持っていかれてしまった、ということなのかもしれません。
ただ今回も、決してやんちゃなだけではなく、『未来にむかう なか/バトンを つないでいる』というようなフレーズもあったりします。
狙いとしては、コミカルさを演出しつつ、その奥に真面目なメッセージを感じさせる…というようなところかなと推測。
では何が問題なのかというと、それは詞の形式が「共感型」になっていないところではないかなと。『凹むアウトが セーフだったり』みたいな「あるある」は多少含まれているものの、感情移入しやすいエピソードのようなものが薄いのです。
今の時代、とにかく「共感」できるかできないか、という点は重要視されています。そういう部分がないと、軽く感じられてしまいがちだったりする傾向があるよなあ、と。
また、全体を通してストーリー性があったりテーマをまとめていたりするタイプの楽曲も増えているため、歌詞全体の「整合性」もまた重要になってきている気がします。その見方で行くと、この曲はサビで急に『地球に生まれ』と壮大になったり、内容がバラバラに感じやすい作りなのかなあとも。
90年代は、このくらいのキャッチーな言葉を散りばめる書き方でもアリだし、それこそが好まれていました。先に「昔のSMAPぽい」と書きましたが、それは懐かしい一方、時代にはそぐわなくもなってきていたのかなと。続きを読む