モーニング娘。 つんく 鈴木Daichi秀行 鈴木俊介
ZETIMA (2007/11/21)
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<万人に届けようとする呼びかけ>
35枚目のシングル。今回は、通算25人となっているらしいメンバーの入れ替えなどもなく、前作「女に 幸あれ」と同じ9名で歌っているとのこと。
このところパーソナルな内容、かつ歌謡曲な曲調が再び目立ってきていたモー娘。ですが、今回は思い切りソーシャルな歌詞です。『何度も夢を見てきた/あきらめたりは出来ない』と型どおりのメッセージを押さえたり、『苦手な/人だからこそ/大切だろう』と、標語みたいな呼びかけをしたり。内向きの言葉ではなく、外に開けたメッセージになっているのがわかります。
特に、『愛する星に生まれて』とか『人生は一回』とか、やたらと壮大なスケールの表現が入っているのが大きな特徴。これまででも、地球を持ち出すこと、多かったですよね。単に歌詞のインパクトを出すというだけでなく、いわゆる「国民的アイドル」という矜持もあってのものなのでしょう。そうやって幅を広げるぶん、共感しにくくなるという問題点もあるのですが…
『女の子でも 男の子でも/おんなじ ことじゃん』『どんな人も朝の陽は/包まれる』とか、すべての人に届けようという意志があちこちのフレーズから感じられるのも、広く広くメッセージを発していくというスタイルの一環なんでしょう。
そういうわけで、モー娘。らしい一曲という感じですが、アッパーで元気な曲調と内容に対して「みかん」というタイトルがかなりインパクト大。
「未完」とかけて、まだまだこれから進んでいく!というつもりで名付けたのかなあ…なんて考えましたが、何でも「冬の定番の中で、コタツなどと違って『育つ』もの」だから、というのが由来なのだとか。あれ、想像とそんなに間違っていないか。
由来からすると「冬の曲」という位置づけにあるのですが、歌詞も曲調も、あんまり冬っぽくはありません。なので、これはわざと引っかかりを作って「なんだろう?」と思わせるつんくの手法ですね。