2008年02月01日

Mr.Children「旅立ちの唄」

旅立ちの唄
旅立ちの唄
posted with amazlet on 08.02.01
Mr.Children Kazutoshi Sakurai
トイズファクトリー (2007/10/31)
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<すっと歩き出そうとする中に、ネガティブさを排除した確かな強さがある>

 新垣結衣主演、ケータイ小説原作という、いろいろと話題性の豊富だった映画「恋空」の主題歌。決して派手ではないながら、ドラマティックなメロディラインやどこかリリカルさのあるアレンジなど、ミスチルらしさも充分に感じ取れる一曲だなあと。

 「しるし」「フェイク」は、はっきりとテーマ性を有していてしっかりと曲世界が作られていましたが、それに比べると、もう少しさらっと軽めな印象があります。
 それはメロディラインの動きにも表れていて、たとえば、メロの入りが独特なのです。4拍子の4拍目から、次の1拍目をまたぐというのは、ちょっとあんまり見かけないリズム。バン、と歌い始めるのではなく、するっとアクセントなく言葉が始まるんですね。これは、2007年3月に発売されたアルバム「HOME」収録の「彩り」なんかも同じ傾向があったりします。
 さらに今回は、サビの最後、つまり歌い終わりもまた「終わり」っぽくなく、主音で閉じない+小節の頭を感じさせない緩やかなリズムで締められていますね。不必要に区切られず、伸びやかに流れる自然体スタイルを意識してできているように感じるのです。

 内容を多少乱暴に要約すると、「君」と離れてしまった「僕」が再び前に歩き始める…というところ。タイトルに据えられている「旅立ち」は、自然体のメロディラインと同様、重過ぎない始まりとして用いられているのかなと。たとえば「終わりなき旅」の「旅」と比べても、もう少し身軽なイメージがあります。

 『さぁ どこへ行こう?』『なんか辿り着けそうじゃん』など、別れた後というシチュエーションにしては、けっこう軽い口調がちらほらと見受けられます。それはきっと気のせいではなくて、全体を通じて後ろ向きの心情が出てこないんですよね。これは、注意深く取り除かれているんじゃないかなあ、と考えてしまいます(後述します)
 離れてしまったけど「君」の存在を胸に生きていく…という点は、きちんと王道をなぞっています。しかし、「君がいなくなって辛い思いをしたけど、また歩き出すよ」と語るのではなく、シンプルに「さあ、歩き出そうか」くらいなんですね。感覚としては。

 二人の思い出を描いたり、未練や後悔を綴ったりしていないのは、この「旅立ち」の時点ではしっかりと気持ちを整理しているんだ、と解釈することができます。もちろん、この先辛いときは『君に語りかけるよ』と頼ることもする。しかし、『でも もし聞こえていたって返事はいらないから…』なのです。「返事しなくてもいい」というのは、もう「君」のことを過去のものとして消化しているからこその言葉ではないかなと。
 辛いときに語りかけるのは、あくまでも今まで一緒だった過去の「君」。『僕の体中』に残っている「君」の存在を確かに感じられることが、離れた今の「君」の「返事はいらない」と言い切れる強さの源になっているんだろうなあと思うのです。続きを読む


posted by はじ at 09:37| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー男性(ま行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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