2008年01月26日

木村カエラ「Yellow」

Yellow
Yellow
posted with amazlet on 08.01.26
木村カエラ 渡邊忍 會田茂一 Jez Ashurst Michael Hopkins Michelle Margherita Andrew Campbell
Columbia Music Entertainment,inc.( C)(M) (2007/10/24)
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<疾走の源には、強気な主張だけではなく焦りも>

 疾走感溢れるサウンドに引き込まれる、木村カエラ10枚目のシングル。10作目にしてはまだまだ初期衝動っぽい新鮮さを残しつつ、すっかり安定した風格も身につけてきているような。
 「You」なんかの時も感じましたが、ゴテゴテせず硬い音だけで構成していくソリッドでロックな雰囲気なのに、聴きやすいポップさもちゃんとあるんですよね。だから、耳に残りやすい、優秀な一曲だなあと。

 彼女の書く詞は、毎度我が道を行っていて清々しいです。言いたいことは「あるがままに生きる」というシンプルなテーマではあるものの、借りてきた言葉感がないので、突き抜けて響いてくるわけです。
 『とけてしまえよ 名誉』なんて独創性ある主張をしつつ、その後で『身を 滅ぼせばいいよ/強くないのよ』と、安全策をとらない無謀さ、かつ弱さを並べて言い切ってしまうのとか、なかなか真似できないところ。とっ散らかってて、優等生ぽくまとまっていないんですが、そこが魅力ですよね。
 ちなみに、「〜よ」で韻を踏んでいます。せり上がってくるようなメロディラインとともに『燃え上がれよ 目よ/見よ 高鳴る胸を/笑えないのよ』と畳み掛けてくるのがリズミカル。こういう軽さで韻を踏める女性ボーカルって、あとは宇多田ヒカルくらいしか知りません。選ぶ言葉のナチュラルさにしても、奥田民生に通ずる自然体っぽさも感じます。

 さて、タイトルの『いつだって Yellow』についてですが、これがちょっと難解でよくわかりません。黄色人種を指しているのかなーという推測はすぐ思いつくのですが、にしては日本とか生まれてからのこととかそういう要素が歌詞中にないので、ちょっと結び付けにくい。赤とかだったら情熱とかパワーとかそういうイメージになりそうですが、黄色だとなかなか。
 で思ったのが、「黄信号」。焦燥感というか、急ごうとはやる気持ちを象徴しているんじゃないかな、という。歌詞を読んでいると、自信たっぷりっぽい言動もあるものの、ネガティブな思考もぽつぽつあることに気がつきます。上に挙げたように急に「強くないのよ」とか出てくるし、『これみよがしに振り回したって/見透かされてんぞ』というような自覚もある。そういう考えをすべて吹っ切るかのように、前へ進む意志を貫こうとしている…そんな風に感じたので、黄信号をダッシュで渡りきってしまおうとするような感覚に近いのかなーと。
 本当かどうかはともかく、自分としてはしっくりきた思いつきでした。ラスト、さらにスピードが上がっていくクライマックスが実に爽快なんですけど、これも「焦燥」を煽っているかのようでもありますしね。


posted by はじ at 03:14| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(か行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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