Black Cherry
posted with amazlet on 08.01.06
Acid Black Cherry 林保徳 村下孝蔵
エイベックス・エンタテインメント (2007/09/26)
売り上げランキング: 44801
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<ほとばしる感情表現は、男性ボーカルゆえのもの?>
Janne Da Arcボーカルyasuのソロプロジェクト、Acid Black Cherry。1作目「SPELL MAGIC」はヘビーに決めたロックサウンドでしたが、今回はガラリと趣向を変え、ジャズテイスト溢れるハイテンポなスイングになっています。
情感豊かなイントロから、ホーンセクションが色彩豊かに入ってくる展開にしても、ジャジーなコード展開やメロディメイクにしても、かなり堂に入っているなあと感心。特にメロディラインと歌い方は、スイングのリズムを生かした形に巧く仕上げているなあと感じます。
で、歌詞は、エロです。「SPELL MAGIC」も相当あれこれ入っていましたが、今回はより多く、直接的。『かじりついた果実は/甘い甘い猛毒で…犯されて』くらいはまだ序の口で、そのうち『中に出して!』『私の中へ種を残して!』という叫びが繰り返されています。
や、エロ全開なのはまあ、いいんです。ソロの開放感もあるんでしょうし、やたら楽しそうですし。けど、せっかく情緒的なアレンジになっているので、もうちょっと奥ゆかしい感じにしても良かったんじゃないかなーと。淫靡でいい雰囲気の、オトナな一曲にもできたかもしれないなあと思うのです。
感情が昂ぶるあまりに『こんなに惨めにして!』と感情が倒錯していってしまう、みたいな描き方は、興味深いところです。女性だと、あんまりこういうのやらないですし。
女性ボーカルがこういう曲を歌うと、こんなに激情をほとばしらせたりはせず、ぐっと抑えた感じにしないと、たぶん共感はされないでしょう。…ああ、そう考えると、奥ゆかしく淫靡にしないで全開で振り切っているのは、男性が女性視点で歌うならではなのかもしれませんね。